TOP > 国内特許検索 > 土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法とそのプログラム及びその発生限界線、避難基準線及び警戒基準線を用いた警戒避難支援システム

土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法とそのプログラム及びその発生限界線、避難基準線及び警戒基準線を用いた警戒避難支援システム 実績あり

国内特許コード P04A006213
整理番号 01A06040
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2001-382949
公開番号 特開2003-184098
登録番号 特許第3380871号
出願日 平成13年12月17日(2001.12.17)
登録日 平成14年12月20日(2002.12.20)
発明者
  • 古川 浩平
  • 倉本 和正
出願人
  • (有)山口ティー・エル・オー
発明の名称 土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法とそのプログラム及びその発生限界線、避難基準線及び警戒基準線を用いた警戒避難支援システム 実績あり
発明の概要 【課題】 個々の斜面あるいは個々の渓流に対する土砂災害の非線形の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線を精度よく且つ容易に設定可能な方法とそれを実行させるプログラム及び個々の斜面あるいは個々の渓流に対する土砂災害の非線形の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線を用いた警戒避難支援システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、土砂災害発生の潜在危険度を演算する工程と、斜面あるいは渓流をグループに分類する工程と、この複数のグループの潜在危険度の平均値を演算する工程と、分類されたグループ毎に土砂災害の発生危険度を表す判別境界面についてニューラルネットワークを用いて中間層と出力層の結線の重みを演算する工程などを備えて個々の斜面あるいは個々の渓流の土砂災害の非線形の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線を設定する。
従来技術、競合技術の概要 自然現象の中でも土砂災害(土石流、がけ崩れ、地すべり)は、毎年、全国各地で発生しており、尊い人命が失われ、貴重な財産が破壊されている。これは、我が国の国土の約7割が山地で地質的にも脆弱な地域が多く、急峻な地形が多い等の地理的条件、都市化の進展による山麓部の土砂災害危険地域への人口増加等の社会的条件、更には土砂災害の誘因となる台風や梅雨等の集中豪雨に見舞われ易いといった気象的条件によるものであり、土砂災害は、我が国における宿命的な自然災害の一つとなっている。かかる土砂災害の危険地域(土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、地すべり危険箇所)は、全国で約18万箇所と多く、ハード対策による整備率は20%台と低いのが現状であり、また、これだけ多くの危険箇所全てにハード対策を実施するには、予算的、時間的な制約もあることから、ソフト対策によりハ-ド対策の遅れをカバーする必要性が認識されてきている。ソフト対策の目的は、土砂災害から人命を守り、更には財産の破壊を最小限に留めることにあり、ソフト対策には、警報の発令や避難の指示、被害状況に応じた応急対応や二次災害の防止対応の支援などを的確かつ迅速に行う機能が必要であり、また、種々の防災情報の収集・整理・伝達を如何に迅速に行うかが求められる。特に、的確な警報の発令や避難の指示は重要であり、これらは、降雨要因として一時間雨量と半減期を考慮した実効雨量を用いて設定された警戒や避難の基準線(例えば、建設省河川局砂防部砂防課:土石流災害に関する警報の発令と避難の指示のための降雨量設定指針(案)、1989)に基づき行われるが、地域全体で一つの基準線を用いている場合が多く、また、直線で近似した基準線が殆どである。即ち、従来の多くの基準線では、個別の斜面毎或いは渓流毎に異なる土砂災害発生の潜在的な危険度(潜在危険度)は考慮されず、また、複雑な自然現象を直線近似で表現していることから、その精度については課題が残されている。一方、本発明者らは、土砂災害による人的被害の軽減を目的として警戒避難を支援する警戒避難支援システムの構築を目指し、鋭意研究を重ねてきた。即ち、例えば、降雨要因として一時間雨量と半減期を72時間とした実効雨量を用い、渓流要因として最急渓床勾配や降雨集中度など、土石流危険渓流毎の地形特性を考慮した発生限界線、避難基準線及び警戒基準線を設定し(高橋、他:地形特性を考慮した土石流警戒避難基準雨量線の設定、新砂防、Vo.53, No.1, p.35-46, 2000)、文字や数字、画像などを地図と結び付けてコンピュータ上でさまざまな情報を検索、結合、分析することができ、その結果を地図に表現する機能を有する地理情報システム(GIS。例えば、前田:地理情報システム-入門&マスター-、山海堂、1994)を用い、渓流毎の土石流発生危険度判定結果の色表示、スネーク曲線の表示、避難場所情報の表示、被害想定の表示、被害情報の入力と集計、予測雨量に対する予測土石流発生危険度判定結果の表示の機能を有する土石流警戒避難支援システムを提案した(瀬尾、他:GISを用いた土石流警戒避難支援システムの構築~山口県大島郡におけるモデルの開発~、砂防学会誌、Vo.53, No.4, p.30-37, 2000)。また、個々の斜面に対する線形のがけ崩れ発生限界線を設定する方法を提案(倉本、他:急傾斜地における斜面要因を考慮したがけ崩れ発生限界雨量線の設定手法に関する研究、土木学会論文集、No.658/VI-48, pp.207-220, 2000.9)し、更に、非線形判別に優れたRBFネットワークを用い、その学習機能を利用して最適な中間層と出力層との結線の重みを決定することにより、地域毎の非線形がけ崩れ発生限界線を設定する方法を提案した(倉本、他:RBFネットワークを用いた非線形がけ崩れ発生限界雨量線の設定に関する研究、土木学会論文集、No.672/VI-50, pp.117-132, 2001.3)。しかしながら、これらの基準線は、複雑な自然現象を線形で表現した直線近似の基準線、あるいは、斜面毎に異なる潜在危険度を考慮しない非線形の発生限界線であり、未だ、十分な精度を達成できたとは言えない。なお、鉄道沿線の、切土のり面の崩壊形態判別方法及び切土のり面の深層崩壊限界雨量の予測方法(特開平09-158186)が開示され、深層崩壊限界雨量の予測方法として、切土のり面の深層崩壊に対する基本点と、切土のり面勾配、切土高さ、表層土厚さ、切土のり面の貫入強度、基盤硬度、切土のり面上部の地形、及び年平均雨量の各評価点を加算した総合評価点を求め、総合評価点が、12時間以内の最大降雨量である時間雨量と降雨開始からの累積降雨量である連続雨量との、それぞれのべき乗の積であるとして近似する方法が示されている。しかしながら、この関数近似は限界雨量線の形状を限定するものであり、多種多様な個々の斜面に対する限界雨量線を精度よく設定するのは困難である。
産業上の利用分野 本発明は、土砂災害の発生限界線、避難基準線、警戒基準線の設定方法に係わり、特に、個々の斜面あるいは個々の渓流に対する土砂災害の非線形の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法とそのプログラム及びその発生限界線、避難基準線及び警戒基準線を用いた警戒避難支援システムに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 個々の斜面に対しては斜面要因によりあるいは個々の渓流に対しては渓流要因により評価する土砂災害発生の潜在危険度を演算する工程と、この演算によって得られた潜在危険度の数値の大小に基づき前記個々の斜面あるいは個々の渓流を複数のグループに分類する工程と、この複数のグループの各々に含まれる斜面あるいは渓流の潜在危険度の平均値を演算する工程と、該分類されたグループ毎に降雨要因をパラメータとした土砂災害の発生危険度を表す判別境界面について入力層と中間層と出力層を備えるニューラルネットワークを用いて前記中間層と出力層の結線の重みを演算する工程と、この中間層と出力層の結線の重みと前記グループ毎の潜在危険度の平均値の関係を降雨要因をパラメータとして関数で近似する工程と、該近似された関数の変数に前記個々の斜面あるいは個々の渓流の潜在危険度を代入して個々の斜面あるいは個々の渓流の重みを演算する工程と、この個々の斜面あるいは個々の渓流の重みを使用して個々の斜面あるいは個々の渓流の判別境界面を演算する工程と、該演算された個々の斜面あるいは個々の渓流の判別境界面の所定の等高線に対応する個々の斜面あるいは個々の渓流の土砂災害の非線形の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを設定する工程とを有することを特徴とする土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法。
【請求項2】 コンピュータに個々の斜面に対しては斜面要因によりあるいは個々の渓流に対しては渓流要因により評価する土砂災害発生の潜在危険度を演算する工程と、この演算によって得られた潜在危険度の数値の大小に基づき前記個々の斜面あるいは個々の渓流を複数のグループに分類する工程と、この複数のグループの各々に含まれる斜面あるいは渓流の潜在危険度の平均値を演算する工程と、該分類されたグループ毎に降雨要因をパラメータとした土砂災害の発生危険度を表す判別境界面について入力層と中間層と出力層を備えるニューラルネットワークを用いて前記中間層と出力層の結線の重みを演算する工程と、この中間層と出力層の結線の重みと前記グループ毎の潜在危険度の平均値の関係を降雨要因をパラメータとして関数で近似する工程と、該近似された関数の変数に前記個々の斜面あるいは個々の渓流の潜在危険度を代入して個々の斜面あるいは個々の渓流の重みを演算する工程と、この個々の斜面あるいは個々の渓流の重みを使用して個々の斜面あるいは個々の渓流の判別境界面を演算する工程と、該演算された個々の斜面あるいは個々の渓流の判別境界面の所定の等高線に対応する個々の斜面あるいは個々の渓流の土砂災害の非線形の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを設定する工程とを実行させることを特徴とする土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定プログラム。
【請求項3】 前記ニューラルネットワークにおける中間層と出力層の結線の重みと前記グループ毎の潜在危険度の平均値の関係を降雨要因をパラメータとして関数で近似する工程における該関数近似は、直線近似であることを特徴とする請求項1に記載の土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法。
【請求項4】 前記潜在危険度に基づき分類するグループ数は、5グループであることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法。
【請求項5】 前記ニューラルネットワークは、放射状基底関数(RBF)を用いるRBFネットワークであることを特徴とする請求項1、請求項3又は請求項4に記載の土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法。
【請求項6】 前記放射状基底関数は、ガウス関数であることを特徴とする請求項5に記載の土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法。
【請求項7】 前記潜在危険度は、点数制を用いて評価した潜在危険度であって、斜面要因毎あるいは渓流要因毎にカテゴリー別の土砂災害発生率を算出し、その発生率を該カテゴリーの設定点数とし、斜面要因毎あるいは渓流要因毎の点数を加算した潜在危険度であることを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法。
【請求項8】 前記グループ毎の判別境界面と前記個々の斜面あるいは個々の渓流の判別境界面は、直近の一時間雨量と半減期を72時間とした実効雨量とを前記降雨要因のパラメータとして表した判別境界面であることを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の土砂災害の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の設定方法。
【請求項9】 請求項1に記載された方法で設定された個々の斜面あるいは個々の渓流の土砂災害の非線形の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを用いたことを特徴とする警戒避難支援システム。
【請求項10】 請求項1に記載された方法で設定された個々の斜面あるいは個々の渓流の判別境界面と、その判別境界面を用いて設定された非線形の発生限界線、避難基準線及び警戒基準線の少なくともいずれかを有し、個々の斜面あるいは個々の渓流の土砂災害発生危険度判定結果の色表示、スネーク曲線の表示、避難場所情報の表示、被害想定の表示、被害情報の入力と集計、予測雨量に対する予測土砂災害発生危険度判定結果の表示の機能を有することを特徴とする請求項9に記載の警戒避難支援システム。
【請求項11】 地理情報システム(GIS)を用いたことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の警戒避難支援システム。
産業区分
  • 土工
  • その他衛生
  • その他通信
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

09815_05SUM.gif
出願権利状態 権利存続中
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close