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超短光パルス信号の分散補償方法およびその装置 コモンズ

国内特許コード P04P001695
整理番号 Y2003-P102
掲載日 2005年3月2日
出願番号 特願2003-270383
公開番号 特開2005-025103
登録番号 特許第4027858号
出願日 平成15年7月2日(2003.7.2)
公開日 平成17年1月27日(2005.1.27)
登録日 平成19年10月19日(2007.10.19)
発明者
  • 小西 毅
  • 伊東 一良
  • 一岡 芳樹
  • 尾下 善紀
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 超短光パルス信号の分散補償方法およびその装置 コモンズ
発明の概要 【課題】分散量が未知の光パルス信号に対して、機械的・能動的な操作を用いない、処理を全受動化したリアルタイム分散補償を行う方法とその装置を提供する。
【解決手段】超短光パルスはそのパルス幅が非常に短いため、空間的にAに示すようなシート状であり、この超短光パルスが回折型シリンドリカルレンズ31に入射する。このレンズ31上の各点〔P1 (1),P1 (2),P1 (3)…P1 (n)〕に入射した光は前記レンズ31により偏向されB点に向けて集光される。その後B点から再び発散し、前記レンズ31と対称に配置した回折型シリンドリカルレンズ32にて前記レンズ31への入射光と平行になるように偏向される。この時、前記レンズ31上の上記各点からB点を通り、前記レンズ32上の上記各点までにおいて距離差が生じる。超短光パルスはシート状であるため、この距離差により超短光パルスの波面に傾きが生じる。この傾きを利用し、時間補償を行う。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


近年の光ファイバーを用いた情報通信網の発展により、我々の生活において大容量・高速通信が身近なものになってきた。最近では、この大容量・高速通信を利用して、映画のリアルタイム配信も可能になってきた。しかし、ストレスを感じないほど高速なインターネット通信や、映画の配信をはじめとして遠隔教育や遠隔医療といった分野までを含むマルチメディア通信を可能にするためには、さらなる通信容量の増大が必要になる。例えば、2010年頃には、家庭で150Mbps、オフィスで10Gbps、また幹線系ではTbpsからPbpsレベルの超高速バックボーンネットワークが必要になると予想されている。



通信容量の増大のためには、信号密度の向上と変調速度の向上が必要になる。そこで、信号密度の向上のために、光時分割多重方法(OTDM)や波長分割多重方式(WDM)などの研究が盛んに行われている。また、変調速度向上のために、光-光スイッチを用いた研究が行われている。しかし、これらの技術を単に進歩させるのみで通信容量を増大させるためには、膨大な装置とコストが必要になり、また精密に制御することが非常に困難になる。



そこで、通信容量増大のためのブレークスルーとして、OTDMとWDMの性質を併せ持つ超短光パルスを光源とした技術が、下記非特許文献1にて公開されている。超短光パルスは、帯域の広い波長成分の重畳により形成されるため膨大な波長資源を有し、またその時間幅が非常に短いため高密度な時間信号を形成することが可能となる。



しかし、超短光パルスは、帯域の広い波長成分から形成されるため、光ファイバー等の伝送路を伝播することにより「分散」と呼ばれる新たな問題が発生する。これは、光ファイバー中では波長により伝播する速度が異なるため、ある距離を伝播した場合は、波長毎に到着時間が異なってしまうという現象を指す。つまり、分散していない超短光パルスの場合、含まれる波長成分が全て中心となる基準時間で揃っているが、分散した超短光パルスの場合、各波長が基準時間からずれ、ある波長成分は基準時間よりも前に、ある波長成分は基準時間よりも後ろに存在するという状態になる。



これにより、超短光パルスの信号波形が崩れてしまい、長距離伝送が困難になる。また、この分散の影響は、超短光パルスを用いた場合だけでなく、波長多重した信号においても問題となる。この場合、各波長信号間で時間的なずれが生じ、タイミング誤差の原因となる。



そこで、超短光パルスの信号波形や波長多重信号の時間ずれを元に戻すために、「分散補償」システムが用いられてきた。その分散補償システムでは、各波長成分の時間的なずれを補正し、超短光パルスのパルス波形を元に戻すための操作が行われる。



一般的な分散補償システムでは、回折格子対やプリズム対などの分散素子を用いる。そして、光パルスを波長毎に分解し、波長毎に必要な時間補償を行い、再び光パルス信号に戻すことにより分散補償を行う。



これら従来のシステムにおいては、光パルスが経由した経路が既知であり、その分散量が事前に分かっている場合の光パルス信号や、分散補償量を高速に変化させる必要がない場合に対し分散補償を行うことが可能である。



なお、超短光パルス信号の変換や信号処理に関する先行技術として以下のよう特許文献1~4が開示されている。また、光ファイバを通るときに生じる光の色分散を補償する装置として、特許文献5が開示されている。
【特許文献1】
特開平11-46304号公報(第3-5頁 図1)
【特許文献2】
特許第3018173号公報(第2-3頁 図1)
【特許文献3】
特開2000-275689号公報(第3-4頁 図1)
【特許文献4】
特開2002-72270号公報(第3-4頁 図1)
【特許文献5】
特表2002-514323号公報(図13)
【非特許文献1】
T.Morioka,K.Mori,and M.Saruwatari,“More than 100-wavelength-channel picosecond optical pulse generation from single laser source using supercontinuum in optical fibers”,Electron.Lett.29,862-864(1993)

産業上の利用分野


本発明は、光信号の伝送系において、光ファイバー伝送路で発生する分散を補償する方法及びその装置に係り、特に、分散した光パルスを、光パルスに含まれる各波長の時間的変化を表す2次元スペクトログラムに光のみを用いて展開し、2次元分散補償デバイスにて直接分散補償し、再び超短光パルスに変換し伝送する技術において、分散量が未知の超短光パルスに対しても、全受動的かつ瞬時に分散補償を行うことができる技術に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
超短光パルス信号を、該超短光パルス信号に含まれる各波長の時間的変化を表す2次元空間光スペクトログラムに光のみを用いて展開し、該2次元空間光スペクトログラムを2次元変調デバイスにて直接変調し、再び光パルス信号に変換する超短光パルス信号の分散補償方法であって、信号光と空間的に分離したトリガーパルスを第1のシリンドリカルレンズにより、光-光スイッチとして動作する非線形光学結晶に入射させ、前記信号光をX軸方向に空間分離して切り出し、該切り出された信号光を第2のシリンドリカルレンズによりコリメートした後、分散素子を用いて、Y軸方向に波長毎に分解し、分散した光パルス信号を、能動光学デバイスを用いず、全受動的に、かつ瞬時に補償することを特徴とする超短光パルス信号の分散補償方法。

【請求項2】
請求項1記載の超短光パルス信号の分散補償方法において、前記超短光パルス信号が分散量が未知の超短光パルス信号であることを特徴とする超短光パルス信号の分散補償方法。

【請求項3】
請求項1記載の超短光パルス信号の分散補償方法において、前記超短光パルス信号が波長が多重化した超短光パルス信号であることを特徴とする超短光パルス信号の分散補償方法。

【請求項4】
請求項1記載の超短光パルス信号の分散補償方法において、分散した超短光パルス信号内の任意の時間遅延をもつ波長成分を、決められた空間位置に自動的に展開することを特徴とする超短光パルス信号の分散補償方法。

【請求項5】
請求項1記載の超短光パルス信号の分散補償方法において、前記トリガーパルスが離散化したトリプルパルスであることを特徴とする超短光パルス信号の分散補償方法。

【請求項6】
請求項1記載の超短光パルス信号の分散補償方法において、前記トリガーパルスが連続したパルス列であることを特徴とする超短光パルス信号の分散補償方法。

【請求項7】
請求項4にて展開した空間分布を受動光学素子により分散補償可能にすることを特徴とする超短光パルス信号の分散補償方法。

【請求項8】
請求項記載の超短光パルス信号の分散補償方法において、前記受動光学素子として回折型シリンドリカルレンズ対を用いることを特徴とする超短光パルス信号の分散補償方法。

【請求項9】
請求項記載の超短光パルス信号の分散補償方法において、前記回折型シリンドリカルレンズを、電気的、磁気的、機械的に移動させることにより、分散補償量を可変とすることを特徴とする超短光パルス信号の分散補償方法。

【請求項10】
超短光パルス信号を、該超短光パルス信号に含まれる各波長の時間的変化を表す2次元空間スペクトログラムに光のみを用いて展開し、該2次元空間スペクトログラムを2次元変調デバイスにて直接変調し、再び超短光パルス信号に変換する超短光パルス信号の分散補償装置であって、信号光と空間的に分離したトリガーパルスを第1のシリンドリカルレンズにより、光-光スイッチとして動作する非線形光学結晶に入射させる手段と、該入射させた信号光とトリガーパルスを前記信号光をX軸方向に空間分離して切り出し、該切り出された信号光を第2のシリンドリカルレンズによりコリメートした後、分散素子を用いて、Y軸方向に波長毎に分解する手段と、分散した超短光パルス信号を、能動光学デバイスを用いずに、全受動的に補償する手段を具備することを特徴とする超短光パルス信号の分散補償装置。

【請求項11】
請求項10記載の超短光パルス信号の分散補償装置において、分散量が未知の超短光パルス信号を、能動光学デバイスを用いずに瞬時に補償する手段を具備することを特徴とする超短光パルス信号の分散補償装置。

【請求項12】
請求項10記載の超短光パルス信号の分散補償装置において、波長多重化した超短光パルス信号の分散を全受動的に補償する手段を具備することを特徴とする超短光パルス信号の分散補償装置。

【請求項13】
請求項10記載の超短光パルス信号の分散補償装置において、分散した超短光パルス信号内の任意の時間遅延を持つ波長成分を、決められた空間位置に自動的に展開する手段を具備することを特徴とする超短光パルス信号の分散補償装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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