TOP > 国内特許検索 > アルカリ土類珪酸塩によるCO2の固定化方法

アルカリ土類珪酸塩によるCO2の固定化方法 新技術説明会

国内特許コード P990001906
掲載日 2000年6月1日
出願番号 特願平09-074568
公開番号 特開平10-249153
登録番号 特許第3094093号
出願日 平成9年3月11日(1997.3.11)
公開日 平成10年9月22日(1998.9.22)
登録日 平成12年8月4日(2000.8.4)
発明者
  • 池上 隆康
  • 守吉 佑介
出願人
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明の名称 アルカリ土類珪酸塩によるCO2の固定化方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】 地球温暖化の要因の一つであると考えられるCO2 を固定化することが可能であり、さらに、安価にかつ大量な微細球状シリカを同時に製造できる新しいアルカリ土類珪酸塩によるCO2 の固定化方法を提供する。
【解決手段】 珪酸カルシウムおよび珪酸マグネシウムのうちの少なくとも1種を含む粉末を水に懸濁させ、懸濁水にCO2 またはCO2 含有ガスを吹き込み流動状態で反応させる。
従来技術、競合技術の概要



近年、CO2 は地球温暖化の要因の一つであると考えられるようになってきており、大気中のCO2 の除去、固定化は人類が環境問題として取り組むべき最大の課題となっている。現在候補にあげられている有力なCO2 の固定化方法としては、CO2 とH2を反応させてメタノール等の有機物を合成する方法、人工的な光合成にCO2 を用いる方法、CO2 の濃度を上げて深海に吹き込み液化して投棄する方法、枯渇した油田やガス田等の地中にCO2 を圧入し貯蔵する方法等が考えられている。

しかしながら、これらのいずれの方法も処理コストが高く、経済的に負担が大きくなること、及び深海投棄ではCO2 が環境に与える影響が危惧されているため、実用化に問題を残している。また、技術的に容易な方法として炭酸塩として固定化する方法も検討されている。この方法の一つとして、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物に吸収させる方法がある。しかしながら、そのような水酸化物を合成するには多量のエネルギーが必要で、そのエネルギーを得るために逆にCO2 を発生させる欠点があった。さらに他の方法として、カルシウムやマグネシウムを成分とする珪酸塩鉱物にユーリー(Urey)の反応を利用して吸収させる方法が候補としてあげられている。これらの反応式を以下に示す。

【化1】

【化2】

しかしながら、この反応は地球科学的研究から提案されたものであり、岩石の生成反応は数百年のオーダーで進むので、その実用化には技術的なブレイクスルーが必要と考えられてきた。ただ、上記の反応によるCO2 の固定は、別の観点からも注目される。それと言うのも、反応によって、シリカ(SiO2 )が生成するからである。

シリカは、従来から使用されているセラミックス原料としてのみでなく、近年になり化学的耐久性、耐熱性、低熱膨張性、圧電性、光学的性質などに注目され、新しい材料として用いられるようになってきている。このようなシリカについては、たとえば従来より、微細なシリカの製造法として、ケイ砂と炭酸ナトリウムとを1200~1300℃で溶解し珪酸ナトリウムを作り、この珪酸ナトリウムを硫酸塩等の鉱酸を加える方法や、珪酸ナトリウムにアルカリ土類金属塩を加えた後に鉱酸を加える方法、珪酸ナトリウムと鉱酸の反応生成ゲルに有機溶剤を加えてオルガノゲルを作った後に熱分解する方法、酸性白土に鉱酸を加えて製造する方法等が工業的に採用されている。また、最近では高純度品を製造する方法として、四塩化珪素に水素と酸素の存在下で熱分解する方法、金属アルコキシドを熱分解する方法などが発案されている。

しかしながら、これらの従来の製造方法では、工程数が極めて多く、それだけコストが高くなるという欠点があった。また、これらの方法で製造したシリカは、微粒子が複雑に凝集した二次粒子を形成していて、捏和性、分散性に劣る欠点があった。そこで、この発明では、以上のとおりの従来技術の限界や欠点を解消し、地球温暖化の要因の一つであると考えられるCO2 を固定化することを可能とすると共に、有用な産業資源としてのシリカを、安価にかつ大量に微細球状シリカとして製造することのできる新しい方法を提供することを目的としている。

産業上の利用分野



この発明は、アルカリ土類珪酸塩によるCO2 の固定化方法に関するものである。さらに詳しくは、地球温暖化の要因の一つであるCO2 の固定、さらには微細な球状シリカの製造にも有用なアルカリ土類珪酸塩によるCO2 の固定化方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
珪酸カルシウムおよび珪酸マグネシウムのうちの少なくとも1種を含む粉末を水に懸濁させ、懸濁水にCO2 またはCO2 含有ガスを吹き込みCO2 水に溶解し流動状態で反応させ、珪酸カルシウムのカルシウムおよび/または珪酸マグネシウムのマグネシウムを徐々に溶解し、珪石分を珪酸の水和物(SiO2 ・n2 O)として水中に分散させることを特徴とするアルカリ土類珪酸塩によるCO2 の固定化方法。

【請求項2】
粉末の粒度が50メッシュ以下である請求項1記載のアルカリ土類珪酸塩によるCO2 の固定化方法。

【請求項3】
粉末が少なくとも沈降しない程度に強く液体を流動させる請求項1記載のアルカリ土類珪酸塩によるCO2 の固定化方法。

【請求項4】
珪酸カルシウムもしくは珪酸マグネシウム含有物を予備加熱処理する請求項1記載のアルカリ土類珪酸塩によるCO2 の固定化方法。

【請求項5】
懸濁の温度を30℃以上にする請求項1記載のアルカリ土類珪酸塩によるCO2 の固定化方法。

【請求項6】
懸濁水に、酸性あるいはアルカリ性を発現する化学物質を加えて、CO2 またはCO2 含有ガスを吹き込む請求項1記載のアルカリ土類珪酸塩によるC2 の固定化方法。

【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一に記載のアルカリ土類珪酸塩によるCO2 の固定化方法を用いてCO2 を固定化した際に生じる水中に分散した(SiO2 ・nH2 O)からなるコロイド状の沈殿物から、水分を除去して微細な球状のシリカ(SiO2 )を製造取得することを特徴とする微細球状シリカの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP1997074568thum.jpg
出願権利状態 登録
特許についてのご質問及びご相談等については、公開特許番号、ご質問内容・ご相談内容等、お名前、会社名、ご連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレス)をご記入の上、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close