TOP > 国内特許検索 > 透明酸化イットリウム焼結体の製造法

透明酸化イットリウム焼結体の製造法

国内特許コード P990001912
掲載日 2000年6月1日
出願番号 特願平09-094670
公開番号 特開平10-273364
登録番号 特許第2939535号
出願日 平成9年3月28日(1997.3.28)
公開日 平成10年10月13日(1998.10.13)
登録日 平成11年6月18日(1999.6.18)
発明者
  • 池上 隆康
  • 斎藤 紀子
  • スリカンス バラナシ
出願人
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明の名称 透明酸化イットリウム焼結体の製造法
発明の概要 【課題】従来の製造方法よりも低コストで、しかも製造条件の厳密な制御が要求されることなく酸化イットリウム透明焼結体を製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】熱分解で酸化イットリウム粉末となるイットリウム化合物あるいは一次粒子の平均粒径が0.5μm以下の酸化イットリウム粉末と、酸化イットリウムに対して100ppmから4%の範囲の熱分解で酸化カルシウムになるカルシウム化合物あるいは酸化カルシウム粉末を混合し、得られた粉末状混合物から成形体を作成し、該成形体を1400℃から2000℃の範囲で、窒素ガスの分圧を制限した雰囲気で焼成することを特徴とする透明酸化イットリア焼結体の製造方法。
従来技術、競合技術の概要



酸化イットリウムの結晶構造は、光学的に等方的で複屈折がない立方晶であるので、粒界における光の散乱は原理的に無視できる。このため、焼結体のような多結晶体でも、気孔や介在物を完全に取り除くことができると、単結晶と同等の透明性を有する光学材料になりうる。また、融点が約2400℃と高いので、高温材料としても期待されている。しかしながら、融点が高いことは一般に高い温度で焼結するか、焼成と同時に加圧する必要があることを意味する。このため、従来の普通焼結法では、2200℃以上という非常に高い温度で焼成して酸化イットリウム透明焼結体を製造していた。また、焼成中に加圧するホットプレスやHIPの場合、1500℃でも透明化できるが、作業性が悪く大量生産に不向きで、生産コストが非常に高くなるという欠点があった。

勿論、添加物の緻密化促進効果を利用した透明焼結体の製造法も検討されてきた。この場合、添加物として次の2つの条件を満足する必要がある。第1の条件は、焼成後でも酸化イットリウムに完全に固溶し、かつ光を吸収しない物質であるか、添加物で第2相を形成する場合は、光学的に酸化イットリウムに近い物性を有する物質であること。第2の条件として、焼結の後期段階の緻密化を促進する物質であること。これらの条件を満足する物質として、酸化トリウムが報告されている。しかしながら、この場合でも、透明焼結体を得るために2000℃以上という高温で焼成する必要があった。また、酸化トリウムは僅かではあるが放射性のある物質で、取扱いや使用できる分野が限られるという欠点があった。これらの従来技術の欠点は、市販の酸化イットリウム粉末を利用したことに由来する。すなわち、酸化イットリウム粉末は微細であるとその吸湿性が無視できなくなるので、市販の酸化イットリウム粉末は、流通の間に進行する吸湿を防止するために一般的に大きい。その結果、市販の酸化イットリウム粉末は焼結性が悪く、該粉末を用いて透明焼結体を製造するには、焼結温度を高くする必要があった。

最近、本発明者らは適切に調製した炭酸イットリウムを仮焼して得た酸化イットリウム粉末は極めて焼結性が良いことを発見した。この発見を基に、添加物を利用することなく焼成温度が1600℃でも透明化できる酸化イットリウム焼結体製造プロセスを開発し、特許として出願(整理番号 9652701)した。この方法は、実験室規模の少量生産では透明性に優れた焼結体を得ることができる。しかしながら、工業的規模で大量生産する場合、良好な透明性の焼結体を製造するには炭酸イットリウムの熟成を厳密に制御する必要がある。実際にはそのような厳密な制御は難しく、透明焼結体製造の歩留まりが悪いという欠点があった。

産業上の利用分野



本発明は、各種放電灯用発光管、超高温用透明炉心管、レーザーホスト材料等に利用が期待されている酸化イットリウム透明焼結体の製造法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
熱分解で酸化イットリウム粉末となるイットリウム化合物あるいは一次粒子の平均粒径が0.5μm以下の酸化イットリウム粉末と、酸化イットリウムに対して100ppmから4%の範囲の熱分解で酸化カルシウムになるカルシウム化合物あるいは酸化カルシウム粉末を混合し、得られた粉末状混合物から成形体を作成し、該成形体を1400℃から2000℃の範囲で、窒素ガスの分圧を制限した雰囲気で焼成することを特徴とする透明酸化イットリウム焼結体の製造法。

【請求項2】
熱分解で酸化イットリウム粉末となるイットリウム化合物あるいは一次粒子の平均粒径が0.5μm以下の酸化イットリウム粉末と、酸化イットリウムに対して200ppmから10%の範囲の熱分解で酸化ジルコニウムとなるジルコニウム化合物あるいは一次粒子の粒径が1μm以下の酸化ジルコニウム粉末を混合し、得られた粉末状混合物から成形体を作成し、該成形体を1400℃から2000℃の範囲で、窒素ガスの分圧を制限した雰囲気で焼成することを特徴とする透明酸化イットリウム焼結体の製造法。

【請求項3】
酸化カルシウムまたは酸化ジルコニウムと化合して低融点物質となる化合物を添加する請求項1又は請求項2記載の透明酸化イットリウム焼結体の製造法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
特許についてのご質問及びご相談等については、公開特許番号、ご質問内容・ご相談内容等、お名前、会社名、ご連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレス)をご記入の上、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close