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四角錐台型5孔ピトー管を用いた広速度域飛行速度ベクトル計測システムにおける演算処理方法及び方式

国内特許コード P04A006907
整理番号 KN000480
掲載日 2005年3月18日
出願番号 特願2000-049666
公開番号 特開2001-242190
登録番号 特許第3486672号
出願日 平成12年2月25日(2000.2.25)
公開日 平成13年9月7日(2001.9.7)
登録日 平成15年10月31日(2003.10.31)
発明者
  • 重見 仁
  • 中谷 輝臣
  • 進藤 重美
  • 滝沢 実
  • 大貫 武
出願人
  • 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
発明の名称 四角錐台型5孔ピトー管を用いた広速度域飛行速度ベクトル計測システムにおける演算処理方法及び方式
発明の概要 【課題】 四角錐台型5孔プローブのピトー管を用いた飛行速度ベクトル計測システムにおいて低速から超音速までの広速度域で、速度の大きさと気流角を示す飛行速度ベクトルと高度を示す静圧を、高精度で高更新率で演算処理することができる演算処理アルゴリズムを提供する。
【解決手段】 演算処理方法は、迎角αと横滑り角βを求める近似式を既知数の迎角圧力係数Cα,横滑り角圧力係数Cβについての3次式の形とし、その各係数をルックアップテーブルから瞬時に割出せるマッハ数Mについての5次までの多項式の形で表したものであり、多項式の係数計算と、迎角α及び横滑り角βの算出は近似式に既知数を入れて特定することで単純演算できるようにし、マッハ数がマッハ圧力係数CMと対気流角圧力係数Cγを特定することでルックアップテーブルから瞬時に割出せることと相まって広速度域飛行速度ベクトル計測を高更新率で実行できる。
従来技術、競合技術の概要


本出願人は、先に図6に示したような四角錐台型5孔プローブのピトー管を用いた飛行速度ベクトル計測システムを開発し、特許権(日本国特許第2913005号;米国特許第5423209号)を得ている。図中Aは正面図であり、Bは一部断面側面図である。正面図Aに示したように中央部に総圧孔があり、ピラミッド形の4斜面にそれぞれ圧力孔群が設けられている。この特許発明は「先端部が多角錐台型をなしてその頂点に遮蔽孔を設け、該遮蔽孔の先端から遮蔽孔の径との関係で定まる一定長だけ入った位置に、孔径より小径の全圧管を配設固定すると共に、前記多角錐台型の各角錐面上にそれぞれ圧力孔を配置してなる多角錐台型ピトー管型ブローブが検出する各圧力情報を速度ベクトル演算処理器に入力して電気信号に変換し、該速度ベクトル演算処理器に予め記憶させておいた速度ベクトルに対する前記ブローブ各孔の圧力係数を用いて信号処理することによって、該圧力情報と空気密度からブローブ軸に対する飛行速度ベクトル(V、α、β)を算出すると共に、前記速度ベクトル演算処理器に姿勢方位基準装置の出力を入力させ、前記機体軸に対する飛行速度ベクトル情報に、姿勢方位基準装置からの情報を系合させることによって、対気飛行速度ベクトルを算出することを特徹とする多角錐台型ピトー管型ブローブを用いた飛行速度ベクトル検出システム。」である。このような構成を採ることによって、一つの多角錐台型ピトー管型ブローブ及び演算処理器で、従来の速度計、高度計、昇降計、マッハ計、ヨーメーターの機能を果たすことができ、検出装置を減らすことができると共に、これらの情報を系合させて出力表示でき、パイロットに信頼性の高い対気情報を提供することができる。また、速度変化における圧力係数の影響が小さく、複雑な補正を行う必要がなく、広角度範囲で精度良く速度ベクトル情報を得ることができ、高度のコンピュータを必要とすることなくヘリコプター等の垂直離陸機を含む一般の航空機から宇宙往還機を含む極超音速機まで、広範囲の飛行機に容易に搭載することができる。さらに、風向を検出する圧力孔の速度変化における圧力係数の影響が小さく、複雑な補正を行う必要がなく、広角度範囲で精度良く速度ベクトル情報を検出でき、且つ目詰まりや振動等による測定不良が発生するおそれもない、といった種々の優れた効果を奏する画期的な発明である。

産業上の利用分野


本発明は、四角錐台型5孔プローブのピトー管を用いた飛行速度ベクトル計測システムに適用する低速から超音速までの広速度域において、飛行速度ベクトル(速度の大きさと気流角)と静圧(高度)を高精度で高更新率で演算処理することができる演算処理アルゴリズムとそれを用いたシステムに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
四角錐台型5孔ピトー管プローブを用いた広速度域飛行速度ベクトル計測システムにおいて実行される演算処理方法であって、前記5孔プローブが検出する5つの圧力情報から上下圧力孔の差圧情報を総圧で無次元化して得られる気流の迎角圧力係数Cαと左右圧力孔の差圧情報を総圧で無次元化して得られる気流の横滑り角圧力係数Cβおよび該CαとCβのそれぞれ二乗の和を平方根とした対気流角圧力係数Cγと、該総圧と四角錐面上の4孔平均圧の差圧情報を総圧で無次元化してマッハ圧力係数CMとを得る演算処理ステップと、該演算処理器に広速度域における対気流角圧力係数Cγとマッハ圧力係数CMとの平面座標上に対応するマッハ数Mをあらかじめ求めて記憶しておいたマッハ数算出用ルックアップテーブルに、上記の算出Cγ値と算出CM値を当てはめてその時点のマッハ数Mを割出すステップとを含み、前記マッハ数算出用ルックアップテーブルは対気流角圧力係数Cγとマッハ圧力係数CMとの平面座標上において所定の気流角γ値と所定のマッハ圧力係数CM値との交点毎にマッハ数Mデータを記憶するようにしたことを特徴とする飛行速度ベクトル計測値の演算処理方法。

【請求項2】
マッハ数Mの割出しに際し、算出Cγ値と算出CM値がマッハ数算出用ルックアップテーブル上の所定値交点でない場合には、該当算出値の座標が存在する菱形格子領域の4隅のマッハ数値から双1次補間を実行してマッハ数Mを算出する請求項1に記載の飛行速度ベクトル計測値の演算処理方法。

【請求項3】
四角錐台型5孔ピトー管プローブを用いた広速度域飛行速度ベクトル計測システムにおいて実行される演算処理方法であって、前記5孔プローブが検出する5つの圧力情報から上下圧力孔の差圧情報を総圧で無次元化して得られる気流の迎角圧力係数Cαと左右圧力孔の差圧情報を総圧で無次元化して得られる気流の横滑り角圧力係数Cβおよび該CαとCβのそれぞれ二乗の和を平方根とした対気流角圧力係数Cγと、該総圧と四角錐面上の4孔平均圧の差圧情報を総圧で無次元化してマッハ圧力係数CMとを得る演算処理ステップと、該演算処理器に広速度域における対気流角圧力係数Cγとマッハ圧力係数CMとの平面座標上に対応するマッハ数Mをあらかじめ求めて記憶しておいたマッハ数算出用ルックアップテーブルに、上記の算出Cγ値と算出CM値を当てはめてその時点のマッハ数Mを割出すステップと、迎角αを求める迎角圧力係数Cαについての高次近似式と横滑り角βを求める横滑り角圧力係数Cβについての高次近似式に、上記の算出Cα値と算出Cβ値と上記演算処理器に予め求め記憶している圧力校正係数とを当てはめて迎角αと横滑り角βを求める演算ステップとを含む飛行速度ベクトル計測値の演算処理方法。

【請求項4】
迎角αを求める迎角圧力係数Cαについての高次近似式と横滑り角βを求める横滑り角圧力係数Cβについての高次近似式は
α=A+ACα+ACα+ACα
但し A=A00+A01M+A02+A03+A04+A05
=A10+A11M+A12+A13+A14+A15
=A20+A21M+A22+A23+A24+A25
=A30+A31M+A32+A33+A34+A35
β=B+BCβ+BCβ+BCβ
但し B=B00+B01M+B02+B03+B04+B05
=B10+B11M+B12+B13+B14+B15
=B20+B21M+B22+B23+B24+B25
=B30+B31M+B32+B33+B34+B35
とし、圧力校正係数“Aij”と“Bij”は、予め風洞試験において設定した迎角α、横滑り角β、同じく設定したマッハ数Mと、算出したCα,Cβとを前記高次近似式の値に取り込むことで、未知数として計算して求めたことを特徴とする請求項3に記載の飛行速度ベクトル計測値の演算処理方法。

【請求項5】
四角錐台型5孔ピトー管プローブを用いた広速度域飛行速度ベクトル計測システムの演算処理装置であって、前記5孔プローブが検出する5つの圧力情報を受け、上下圧力孔の差圧情報を総圧で無次元化して得られる気流の迎角圧力係数Cαと左右圧力孔の差圧情報を総圧で無次元化して得られる気流の横滑り角圧力係数Cβおよび該CαとCβのそれぞれ二乗の和を平方根とした対気流角圧力係数Cγと、該総圧と四角錐面上の4孔平均圧の差圧情報を総圧で無次元化してマッハ圧力係数CMとを得る第1演算処理部と、記憶手段に広速度域における対気流角圧力係数Cγとマッハ圧力係数CMとの平面座標上に対応するマッハ数Mをあらかじめ求めて記憶しておいたマッハ数算出用ルックアップテーブルに、上記の算出Cγ値と算出CM値を当てはめてその時点のマッハ数Mを割出す手段と、迎角αを求める迎角圧力係数Cαについての高次近似式と横滑り角βを求める横滑り角圧力係数Cβについての高次近似式に、上記の算出Cα値と算出Cβ値と上記記憶手段に予め求め蓄積している圧力校正係数とを当てはめて迎角αと横滑り角βを求める演算手段とを含む第2演算処理部と、第1演算処理部から総圧PH値と第2演算処理部からマッハ数M値をえて静圧pと動圧qを算出する第3演算処理部とからなり、算出したデータを表示装置と飛行制御装置に送る広速度域飛行速度ベクトル計測システムにおける演算処理方式。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2000049666thum.jpg
出願権利状態 登録
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