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壁面衝突式液体微粒化ノズル

国内特許コード P04A006931
整理番号 KN000524
掲載日 2005年3月18日
出願番号 特願2001-234152
公開番号 特開2003-047892
登録番号 特許第3498142号
出願日 平成13年8月1日(2001.8.1)
公開日 平成15年2月18日(2003.2.18)
登録日 平成15年12月5日(2003.12.5)
発明者
  • 林 茂
  • 山田 秀志
出願人
  • 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
発明の名称 壁面衝突式液体微粒化ノズル
発明の概要 【課題】 加圧した液体を微細な孔から高速で噴出し、その柱状の噴流を固体の衝突壁面に衝突させることによって液体を霧状に微粒化できることを利用して、噴出された液体を噴射ノズルから微粒化して噴射させる。
【解決手段】 壁面衝突式液体微粒化ノズル10は、内部に液体(燃料)11用の通路が形成されている円筒状の噴射器12と、その外側に同軸に組み立てられ且つ端部に周方向に連続な円錐面の一部をなす衝突壁面15を具えた円筒体16とを有する。噴射器12に形成された複数の噴射孔13から径方向に噴射された液噴流14は、円筒体16の衝突壁面15に衝突し、斜め外側に広がる液膜を形成し、微粒化する。壁面衝突式液体微粒化ノズル10は、低い噴射圧力でも燃料を高度に微粒化するので、例えば、ガスタービン燃焼器に用いることができる。
従来技術、競合技術の概要


従来、ガスタービンの燃焼器に適用される燃料噴射ノズルとして、図6に示すように、螺旋状の溝53等の構造によって燃料噴射ノズル50の先端に形成される燃料噴射孔51のすぐ上流の空間52内での燃料の流れに旋回を与える方式のノズル、即ち、スワールノズルが広く用いられてきた。簡易なディーゼルエンジンの燃料ノズルのように、燃料流れに旋回を与えることのない単純構造に形成された燃料噴射ノズルの場合には、噴射される燃料には100MPaを超える噴射圧を加える必要があるが、スワールノズルでは燃料はその旋回作用により分裂しやすい薄い液膜として噴出されるので、小容量のものでは0.5MPa程度の比較的低い噴射圧力でも燃料の微粒化を良好に行うことができる。
微粒化が良好なスワールノズルは、各種エンジンの燃料噴射ノズルのみならず、農薬噴霧器のノズルや小型ボイラの燃料ノズルとしても用いられている。スワールノズルは、最近では、自動車用筒内噴射式のガソリン機関の燃料噴射ノズルとしても使用されているが、この場合の燃料噴射圧は5MPaを超えている。スワールノズルから噴射される燃料噴霧は燃料粒子が小さいことに加え、その旋回作用のために円錐状に発達するので、一般に、燃料と空気との混合が良好である。そのため、噴霧の貫通距離は、ディーゼルエンジンの燃料ノズルの噴霧に比べて短い。
ところで、最近の高圧力比ガスタービンでは、図7に示されているような、燃焼器に流入する空気流により燃料を微粒化する気流微粒化(エアーブラスト)燃料ノズル60が使用される傾向にある。燃料はフィルマー(液膜形成器)61と呼ばれる環状の薄肉円筒内壁面上に供給され、円筒壁面上に形成される燃料液膜はフィルマー61の先端62から離れるときにそれに接する気流の剪断作用により微粒化される。多くの場合、空気流Fはフィルマーの内外両面に沿って流され、それらの空気流Fi,Foには旋回羽根63,64により旋回が与えられている。空気流の速度は、通常、100m/s程度である。
高圧力比のガスタービンに気流微粒化方式が使用されるようになった背景として、燃焼圧の上昇に従ってスワールノズルでの燃料と空気の混合ではスモークやNOxの抑制が次第に困難になってきたこと、最大・最小燃料流量比が広がり、小流量側で噴射圧を低くする必要が出てきたため良好な微粒化が困難になったこと、タービンの冷却空気量を増大する必要から燃焼器ライナーにそれまでよりも大きな圧力損失が許容され、ライナーに流入する気流の速度が上昇したため、気流微粒化方式でもスワールノズルと同程度あるいはそれ以上の微粒化が可能になったことが挙げられる。
NOxについては、大気汚染防止の観点からだけでなく地球温暖化防止やオゾン層保護の観点からも一層の排出削減が求められている。液体燃料を使用するガスタービンでは、燃料の予蒸発化予混合化がNOxの抑制に有効であることは基礎試験で明らかになっているが、空気温度が高くなると燃料を空気中に噴射してから着火するまでの時間遅れが急速に短くなるので、燃料が完全に蒸発する前に着火してしまうという、本質的な問題がある。この問題は高圧になるほど顕著である。そのため、燃料の予蒸発化予混合化は、まだ実用化に至っていない。燃料粒子が十分小さければ、蒸発時間が短くなり着火する前に蒸発を完了することができるので、この問題の解決には従来の燃料ノズルより格段に微細な噴霧を発生することができる燃料ノズルが不可欠である。
気流微粒化燃料ノズルの微粒化性能は、液膜の形成が適切であれば、ほぼ気流速度によって決まるといってもよい。即ち、細部の設計の改善による微粒化の改善効果はそれほど期待できないということである。これまでの多様な設計の気流微粒化燃料ノズルについての噴霧測定の結果、噴霧粒子の代表径(例えば体表面積平均径)は気流速度の1 ~1.2乗に逆比例して変化することが分かっている。気流速度は気流微粒化燃料ノズルが取り付けられている燃焼器ライナーの圧力差(差圧)のほぼ平方根に比例するので、代表粒径を1/2にしようとすると差圧は略4倍にする必要がある。この差圧の大部分は差圧エネルギーの損失(圧力損失)となり、差圧の増大は燃費の増大に直結するので、微粒化性能の向上のみの目的のために差圧を増大させることは論外である。

産業上の利用分野


本発明は、ガスタービン、ボイラ等に用いられる液体燃料、農薬や消毒薬等の液体を微粒化して噴射する新規なノズルに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
加圧液体を噴出する複数個の噴射孔を具えた筒状の噴射器と、前記噴射器の外側に前記噴射器と略同軸に配置され且つ前記噴射孔から噴射された液噴流が衝突する衝突壁面を具えた円筒体とから成り、前記衝突壁面は前記噴射孔から噴射された液噴流の方向に対して傾斜していることを特徴とする壁面衝突式液体微粒化ノズル。

【請求項2】
前記噴射器の前記噴射孔は径方向に貫通して形成されており、前記円筒体の前記衝突壁面は、前記円筒体の先端部に形成された周方向の連続面、又は前記円筒体の先端部に周方向に切込みを入れること若しくは前記円筒体の先端部に独立した柱状突起体を形成することで前記各噴射孔からの前記液噴流が個別に衝突する不連続面であることから成る請求項1に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。

【請求項3】
前記円筒体に形成された前記衝突壁面は、前記円筒体の軸線に直交する平面との交線が2次曲線或いはその一部で表されることを特徴とする請求項1に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。

【請求項4】
前記衝突壁面は、ノズル先端方向に向かって外側に広がる円錐内壁面であることを特徴とする請求項3に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。

【請求項5】
前記円筒体の外周面は前記円錐内壁面とエッジで接続しており、前記円筒体の前記外周面に沿って前記エッジ側に向かう気流が流されていることを特徴とする請求項4に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。

【請求項6】
前記噴射器の前記噴射孔は軸方向に貫通して形成されており、前記衝突壁面は、前記円筒体の先端部に形成された貫通孔の孔壁面であることを特徴とする請求項1に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。

【請求項7】
前記円筒体の前記先端部には、前記貫通孔に近接又はエッジによって接続する状態で開口する気流通路が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。

【請求項8】
前記液噴流が衝突する前記衝突壁面において、前記衝突壁面の法線方向と前記液噴流の噴出方向とのなす角が110度から160度の範囲にあることから成る請求項1~7のいずれか1項に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。

【請求項9】
前記円筒体の円筒壁には、前記円筒体の内部に向けて気流が流入する連通孔が形成されていることから成る請求項1~8のいずれか1項に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。

【請求項10】
前記開口の中心軸が前記噴射器の軸とねじれの位置の関係にあることから成る請求項9に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2001234152thum.jpg
出願権利状態 登録
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