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液体微粒化ノズル

国内特許コード P04A006934
整理番号 KN000539
掲載日 2005年3月18日
出願番号 特願2002-011546
公開番号 特開2003-214604
登録番号 特許第3584289号
出願日 平成14年1月21日(2002.1.21)
公開日 平成15年7月30日(2003.7.30)
登録日 平成16年8月13日(2004.8.13)
発明者
  • 林 茂
出願人
  • 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
発明の名称 液体微粒化ノズル
発明の概要 【課題】 気体旋回流を利用して、液膜を周方向に可及的に一様な厚さに形成して、詰まりが生じにくく、飛散する液滴の大きさを一層小さくして微粒化を促進することができる液体微粒化ノズルを提供する。
【解決手段】 外筒2に径方向に傾斜して形成された液体通路14を通って環状空間7に流入する液体は、周方向に旋回する成分を有して環状空間7内に噴出する。外筒2に液体通路と同じ方向に傾斜して形成されている空気通路10を通って環状空間7に流入する空気は、環状空間7内で旋回流Acを発生し、液体噴流を外筒2の内壁5上に伸展させる作用をし、液膜の厚さを周方向により均一化する。液膜状の液体が外筒2の先端縁16から飛散するときの微粒化が促進され、液滴の大きさを一層小さくすることができる。
従来技術、競合技術の概要


液体を微粒化する手段の一つとして、最近のジェットエンジンや液体燃料焚きガスタービンに使用されるようになった、気流によって液体燃料を微粒化する気流式液体燃料微粒化ノズルがある。気流式液体燃料微粒化ノズルは燃焼室内に流入する気流によって液体燃料を微粒化するもので、液体燃料は、液膜状の形態で供給され、その薄い液膜が数十メートル/秒の速さの気流と接触することによってノズルの先端縁から自由空間に飛散することで微粒化される。液体燃料を液膜状に供給することにより、微粒化が促進される。



図4は、代表的な液膜方式の気流式液体燃料微粒化ノズルの構造の一例を示す図であり、図4(a)はその縦断面図、同(b)は(a)のB4-B4断面図、同(c)は(a)のC4-C4断面図、同(d)は(a)のD4-D4断面図である。図4に示す気流式液体燃料微粒化ノズル(以下、「微粒化ノズル」と略す)30においては、先端部が次第に薄肉に形成された先細の外筒32と、外筒32内に同軸に延びる状態に配置された内筒33とを備え、外筒32の内壁面35と内筒33の外壁面36の間には、先端側に向かって開口する環状空間37が形成されている。環状空間37は、先端側ほど小径の円錐形状に形成されている。外筒32と内筒33とは、後端において筒状のノズル基部34に繋がっている。



ノズル基部34の後端部には、微粒化すべき液体燃料LFの供給を受けるための配管40が接続されており、配管40を通じて供給された液体燃料LFは、ノズル基部34の内部に形成されている通路41を通って、同じくノズル基部34の内部に形成されている環状の液体溜まり42に流入する。液体溜まり42と環状空間37とは、特に図4(d)に示すように、互いに平行に形成された複数の螺旋通路43によって繋がっている。螺旋通路43から環状空間37に流入した液体燃料LFは、外筒32の内壁面35に沿って液膜FFを形成して流れ、外筒32の薄肉になった先端縁44から微粒化されて自由空間に流出する。



液体燃料LFには螺旋通路43を通過させることによって旋回が与えられ、その旋回は外筒32の内壁面35上での液膜FFの伸展を促したり安定にする等の作用を奏する。微粒化ノズル30の液膜FFを形成する部分は、プレフィルマー(液膜形成部)45と呼ばれる。プレフィルマー45の外壁面(外筒32の外壁面)46及び内壁面(内筒33の内壁面)47に沿って、燃焼室に流入する空気が流れている(気流Ao,Ai)。プレフイルマー45の内外の通路を流れる気流Ao,Aiには、通常、微粒化された燃料粒子と空気との混合促進や燃焼室内の火炎の安定化のために旋回羽根48,49により旋回が与えられている。液膜FFは主としてそれと接触する気流、即ち内壁面47に沿って流れる気流Aiによって微粒化されるが、この内側の気流Aiの旋回は、液膜FFをプレフィルマー45上で安定化するのにも有効となっている。プレフィルマー45の外壁面46に沿って流れる気流Aoも、液が先端縁44から外壁面46に回り込むのを防ぎ、先端縁44から飛散する液体燃料粒子の粗大化を防ぐ作用を奏している。



ところで、気流式の液体燃料微粒化ノズルでは、微粒化された燃料粒子による噴霧の性状をノズルの軸線周りに一様にすることが重要である。ノズルの軸線の周方向に燃料濃度の偏りがあると、燃料と空気との比率(空燃比)がノズルの軸線周りの位置に応じて異なることになるため、エンジン火炎の安定性が損なわれたり、燃焼室内の温度分布に偏りが生じ、その結果、局所的な不完全燃焼や高温燃焼が生じて、未燃焼成分や有害成分の発生が増加するという問題が生じる。



図4に示すような微粒化ノズル30では、螺旋通路43あるいはそれに相当する液体通路が周方向に隔置して設けられているのために、プレフィルマー45上においても液膜FFの厚さは、螺旋通路43や液体通路に対応した周方向位置で厚くなりやすい傾向がある。螺旋通路43の数が少ないときやプレフィルマー45の軸方向長さが短い場合には、その傾向は特に顕著である。液体燃料が通過する環状空間37を非常に狭い環状とすることによってこの問題を緩和することが考えられるが、そうした対応を採る場合には、液体燃料に旋回を与えることができないという問題がある。また、螺旋通路43の断面積を小さくし、その代わりに螺旋通路43の数を増やすことによってこの問題を解決しようとすると、液体燃料中の固形析出物による通路の詰まりが生じやすいという別の問題が生じる。



更に、燃料流量が少ないときには、重力により液体溜まり42の上下の圧力差のために下側に位置する螺旋通路43を通じての燃料の通過量が多くなる傾向があり、これに起因して微粒化ノズル30の燃料吐出量が周方向に偏るという問題も生じる。螺旋通路43の断面積を減らし、液体溜まり42内の燃料に重力によって生じる圧力差が無視できるような十分高い圧力をかけることで、こうした偏りを緩和できる場合もあるが、燃料圧力の高圧化は、上述の固形析出物による詰まりの問題や、燃料流量のターンダウン比(エンジンの最大燃料流量/最小燃料流量)の問題のために制約される場合が多い。



微粒化によって形成される液滴の大きさを最も強く支配する因子は液膜の厚さであり、気流式の液体微粒化ノズルの開発においては、いかにして液膜を薄く且つ周方向に均一に形成するかに努力が傾注されてきた。局所的であっても液膜が厚くなるとそこで生成される液滴が粗大化し、液体燃料の場合には不完全燃焼や煙の発生に繋がることがある。このように、燃料濃度の偏りに起因したエンジン燃焼上のこうした不都合を回避するためには、液体燃料をノズル軸線について周方向にできるだけ一様に分散することが不可欠である。

産業上の利用分野


この発明は、液体を微粒化する液体微粒化ノズルに関するもので、特に空気等に気流によってジェットエンジン、ガスタービン等のエンジンに用いられる液体燃料の微粒化ノズルに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
外側部材と、前記外側部材の内部に配置されると共に前記外側部材との間に先端側に向かって開口する環状空間を形成する内側部材とを備え、前記環状空間に噴出された液体が前記外側部材の先端から微粒化される液体微粒化ノズルにおいて、前記外側部材には径方向に対して傾斜し且つ前記環状空間に前記液体を噴出するための液体通路が形成されており、前記外側部材及び前記内側部材の少なくとも一方には噴出された前記液体の前記環状空間での流れ方向と同じ方向に気体を旋回させるため径方向に対して傾斜し且つ前記環状空間に開口する気体通路が形成されていることを特徴とする液体微粒化ノズル。

【請求項2】
前記気体通路は、前記外側部材の内壁面において周方向に接する状態に開口していることを特徴とする請求項1に記載の液体微粒化ノズル。

【請求項3】
前記液体通路は、前記外側部材の内壁面において周方向に接する状態に開口していることを特徴とする請求項1に記載の液体微粒化ノズル。

【請求項4】
前記液体通路と前記気体通路とは、前記環状空間に周方向に交互に開口していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の液体微粒化ノズル。

【請求項5】
前記気体通路は、前記液体微粒化ノズルの軸線方向で見て、前記液体通路が前記環状空間内に開口する位置と実質的に同じ位置かそれよりも基端側の位置において、前記環状空間内に開口していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液体微粒化ノズル。

【請求項6】
前記外側部材は先端部が薄肉となった先細の外筒であり、前記内側部材は前記外筒と同軸に配置されると共に基端側で繋がっており前記環状空間の先端において前記液体を微粒化する気流が内部を流れる内筒であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の液体微粒化ノズル。

【請求項7】
前記外筒の外周部及び前記内筒の内周部の少なくとも一方に、前記外周部又は前記内周部に沿って流れる気流に旋回を与える旋回器が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の液体微粒化ノズル。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002011546thum.jpg
出願権利状態 登録
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