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滞留型飛翔体を用いた測位システム

国内特許コード P04A006937
整理番号 KN000561
掲載日 2005年3月18日
出願番号 特願2002-196471
公開番号 特開2004-037323
登録番号 特許第3595834号
出願日 平成14年7月4日(2002.7.4)
公開日 平成16年2月5日(2004.2.5)
登録日 平成16年9月17日(2004.9.17)
発明者
  • 辻井 利昭
  • 張替 正敏
出願人
  • 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
発明の名称 滞留型飛翔体を用いた測位システム
発明の概要 【課題】飛行船等の滞留型飛翔体に搭載した測距信号発信装置から発信される測距信号を用いることにより、高精度な測位ステムを提供する。
【解決手段】滞留型飛翔体1に搭載された測距信号発信装置2が発信した測距信号17は、5局以上の複数の固定観測局6で受信され、高速通信回線9を通して基地局10にデータ送信される。基地局10のデータ処理装置11は、測距信号発信装置2の位置を精密に推定し、精度向上のための補助データと共に、補助データ信号18として飛翔体1に送信する。飛翔体1は、航法フィルタにより飛翔体の位置姿勢等の推定値を出力し、航法データ信号19をユーザ端末13に送信する。ユーザ端末13のデータ処理装置16は、測距信号17と航法データ信号19とを用いてユーザの位置を高精度で推定して出力する。
【選択図】   図1
従来技術、競合技術の概要


従来、カーナビゲーションに代表されるように、地上、海上又は航空機等における自己の位置を測定する手段として、人工衛星であるGPS(Global
Positioning System)衛星からの時刻信号と位置信号とを利用することが広く行われている。GPS信号を利用した測位システムでは、車両のような移動体に搭載した測位器が、GPS衛星に搭載され発信時刻を記した電波(時刻信号)を発信している位置基準局を観測することにより、測位器がGPS衛星からの信号を受信した時刻から、GPS衛星の位置基準局と移動体の測位器との間の距離が算出される。また、測位器は、GPS衛星からの位置信号を受信することにより、GPS衛星の位置を知ることができる。測位器は、複数(多くの場合、4つ)の位置の判っているGPS衛星からの距離を知ることにより、移動体の位置を知ることができる。移動体の位置情報を、移動体に搭載した通信機から、通信衛星等に搭載した中継局を介して通信相手に情報を送信したり、或いはその逆方向の情報通信も可能である。



上記のように、従来の人工衛星であるGPS衛星を利用した測位及び通信システムでは、位置基準局を搭載したプラットフォームとしてGPS衛星を利用しているので、衛星開発の費用、打上げ費用、維持費用等の各費用が膨大である。打ち上げ後の搭載機器の更新は事実上不可能であり、軌道変更等の運用法の変更も難しい。このように、従来実用化されてきた人工衛星による測位システムには、コスト、運用性の面で問題がある。また、通信状態が、大気圏外の電波状況に依存しているとう問題もある。そして、人工衛星以外の飛翔体に測距信号発信器を搭載して航法測地に利用する技術は、現在のところ実用化されていない。



GPS衛星以外の飛翔体をプラットフォームとして利用することは、例えば、特開平10-307179号公報、特開平10-253741号公報に提案されている。これらの提案によれば、測位の基準となる位置基準局と通信の中継となる中継局とが同一の静止飛行船に配置されている。多数のプラットホームに関する処理を行う必要がなく、大気圏外の衛星との電波伝播の運用条件を緩和することが可能であるとされ、また、飛行船の位置や配置数も、自国の開発・運用として行うことができると共に、衛星と比較して変更容易であるとされている。



特開2000-241523には、既知の位置に設置された地上局と滞空する飛翔体からの送信及び中継電波を用いて、移動体端末の位置を割り出す移動体電波測位システムが開示されている。この移動体電波測位システムでは、滞空する飛翔体に搭載された送信局から移動体に直接に送信される測位信号と、中継局としての複数の地上局を経由して移動体に送信される中継測位信号との到達時間差から、移動体の位置を決定することが提案されている。



また、特開2000-357986には、地上の1局の管制局で、成層圏の定点に停留する複数の飛行船の管制と観測衛星の情報収集とを可能にした飛行無線システムが開示されている。この飛行無線システムでは、複数の飛行船に自機位置を測定するGPS受信装置と位置信号を補正するDGPS受信装置とを搭載し、管制局と飛行船との間での信号通信による位置測定機能を省略し、管制局、観測衛星及び飛行船間に設定された通信回線並びに飛行船間の通信回線を利用して、管制局、観測衛星と飛行船との間で管制情報の授受とデータ伝送とを行うことが提案されている。



更に、特開2001-311769には、地上のどの位置でも、建物の影響を比較的に受けることがないリアルタイム且つ高精度な位置情報を得ることができる位置測定システムが開示されている。この位置測定システムでは、3つ以上の上空に存在する飛行体は、既知位置にある4つ以上の地上固定局から送信される位置・時刻情報を受信して、リアルタイムで自己の位置を測定し、その測定結果を時刻と共に地上に送信し、地上の移動局は、飛行体の自己位置・時刻情報を基に、自身の位置をリアルタイムで測定することが提案されている。



ユーザが測位を行うためには、発信器からの距離情報と共に発信器の位置情報が必要である。GPS衛星等の人工衛星の運動は軌道運動であるので、衛星位置については高精度に予測可能であり、1時間に1度程度の頻度での更新で充分である。そのため、衛星の位置情報の伝達は搬送波を変調するのみで充分である(GPSの場合、50bpsのチップレート)。ところが、飛行船や飛行機等の飛翔体の場合、風や推進力によって軌道(位置)予測精度は低下するので、高い頻度でユーザに高精度な飛翔体の位置情報を送信する必要がある。従って、GPSのような方式ではなく、別途、高速なデータ送信の手法を用いる必要がある。

産業上の利用分野


この発明は、滞留型飛翔体を利用し、滞留型飛翔体が発信する測距信号を利用して、単独で又は他の測位システムと協働してユーザの位置を精密に測定可能にする滞留型飛翔体を用いた測位システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】測距信号及び航法データ信号を発信する発信装置を備えた1機以上の滞留型飛翔体、前記滞留型飛翔体からの前記測距信号を受信する測距信号受信装置を備えた5局以上の固定観測局、前記各固定観測局から送信された前記測距信号に基づいて前記滞留型飛翔体の発信装置位置を推定し且つ前記発信装置位置に関するデータを含み前記航法データ信号の生成のための補助データ信号を前記滞留型飛翔体に向けて発信する基地局、並びに前記滞留型飛翔体からの前記測距信号と前記航法データ信号とをそれぞれ受信する受信装置及び受信した前記測距信号と前記航法データ信号とに基づいて自己の位置を推定するデータ処理装置を備えたユーザ端末から成る滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項2】前記滞留型飛翔体は前記滞留型飛翔体の位置姿勢を推定する航法フィルタを備え、前記航法フィルタの出力は前記航法データ信号に含まれることから成る請求項1に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項3】前記補助データ信号は、前記発信装置位置に加えて測位衛星に関するデータを含んでいることから成る請求項1に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項4】前記各固定観測局は、インターネット等の高速通信回線を通じて前記基地局と接続されていることから成る請求項1に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項5】前記固定観測局の前記測距信号受信装置及び前記ユーザ端末の前記測距信号受信装置は、GPS衛星からのGPS測距信号を受信可能であることから成る請求項1に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項6】測距信号を発信する発信装置を備えた1機以上の滞留型飛翔体、前記滞留型飛翔体からの前記測距信号を受信する測距信号受信装置を備えた5局以上の固定観測局、前記各固定観測局から送信された前記測距信号に基づいて前記滞留型飛翔体の発信装置位置を推定し、前記発信装置位置に関するデータを含む航法データ信号を生成し、前記航法データ信号をユーザに向けて発信する基地局、並びに前記滞留型飛翔体からの前記測距信号と前記基地局からの前記航法データ信号とをそれぞれ受信する受信装置及び受信した前記測距信号と前記航法データ信号とに基づいて自己の位置を推定するデータ処理装置を備えたユーザ端末から成る滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項7】前記基地局は前記滞留型飛翔体の位置姿勢を推定する航法フィルタを備え、前記航法フィルタの出力は前記航法データ信号に含まれることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項8】前記滞留型飛翔体は航法センサを備えており、前記航法センサが検出した航法センサデータは、前記航法フィルタによる前記滞留型飛翔体の位置姿勢の推定のため、前記基地局に送信されることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項9】前記航法データ信号は、無線インターネット等の高速通信回線を通じて前記ユーザに送信されることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項10】前記各固定観測局は、インターネット等の高速通信回線を通じて前記基地局と接続されていることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項11】前記固定観測局の前記測距信号受信装置及び前記ユーザ端末の前記測距信号受信装置は、GPS衛星からのGPS測距信号を受信可能であることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002196471thum.jpg
出願権利状態 登録
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