TOP > 国内特許検索 > レーザー増幅装置

レーザー増幅装置 コモンズ

国内特許コード P04P001710
整理番号 Y2003-P092
掲載日 2005年3月18日
出願番号 特願2003-273971
公開番号 特開2005-039031
登録番号 特許第4149326号
出願日 平成15年7月14日(2003.7.14)
公開日 平成17年2月10日(2005.2.10)
登録日 平成20年7月4日(2008.7.4)
発明者
  • 金邉 忠
  • 中塚 正大
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 レーザー増幅装置 コモンズ
発明の概要 【課題】小型化を図るとともに、効率を高めた、大出力レーザー増幅装置を提供する。
【解決手段】 レーザー光L1を第1の偏光子41から入射させ、そのレーザー光を、偏光制御素子42、第2の偏光子43を通して第1の鏡44で曲げて、レーザー増幅器45で第1回目の増幅通過を行い、第2の鏡46で反射させて、レーザー増幅器45で第2回目の増幅通過を行い、その増幅されたレーザー光を第1の鏡44で曲げて、第2の偏光子43を通して偏光が90度回転され、第1の偏光子41を通してカセグレン副鏡47で反射させ、第1の偏光子41、偏光制御素子42、第2の偏光子43を通過し、第1の鏡44で増幅器光路に導入され、レーザー増幅器45で第3回目の増幅通過を行い、その増幅通過されたレーザー光をカセグレン主鏡48によりビーム径を広げて方向が変えられ、レーザー増幅器45で第4回目の増幅通過を行い、出力光L2を得る。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


近年、溶接・切断等のレーザー加工、レーザーアブレーションや描画加工において、レーザー装置の大出力化の要望は益々高くなっている。



(1)まず、従来の一般多数回通過増幅を行うレーザー増幅装置の構成について説明する。



図7はかかる従来の多数回通過レーザー増幅装置の模式図である。



この図において、1は偏光によって反射と透過を行う偏光子、2は偏光を電圧のON・OFFによって変化させる偏光制御素子、3はレーザー増幅器、4は光路の折り返し用の第1の鏡、5は光路の折り返し用の第2の鏡である。



次に、この多数回通過レーザー増幅装置の動作について説明する。



入射レーザー光L1の偏光は、偏光子1の反射条件を満たす偏光方向であるため偏光子1で反射され、偏光制御素子2、レーザー増幅器3を通過する。このとき、レーザー増幅器3を通過する際に増幅されるため、レーザー光の強度は増大する。そのレーザー光は第1の鏡4で反射され、進行方向が折り返される。そのため、再び、レーザー増幅器3を通過し増幅される。また、偏光制御素子2を2度目に通過する際に、レーザー光の偏光は90度回転され、これにより偏光子1の透過条件を満たし、偏光子1を透過する。そして、第2の鏡5で反射され、進行方向が折り返される。さらに、偏光子1、偏光制御素子2、レーザー増幅器3を通過して、第1の鏡4により再度、方向が折り返される。この時点で、偏光制御素子2に偏光を変化させる動作をさせなければ、レーザー光は第1の鏡4と第2の鏡5の間を、多数回往復する。また、偏光制御素子2に偏光を変化させる動作をさせれば、入射時と逆の動作が可能となる。すなわち、偏光子1の反射条件を満たすように偏光方向を変えることにより、偏光子1で反射させ、十分増幅されたレーザー出力光L2を取り出すことができる。



かかる多数回通過レーザー増幅装置は、下記の特許文献1~2、非特許文献1に開示されている。



(2)図8は従来の3回通過レーザー増幅装置の模式図である。



この図において、L1は入射レーザー光、11はホール12を有する凹面型主鏡、13はレーザー増幅器、14は凸面型副鏡、15,16は対向したレンズ(空間フィルタ)、L2はレーザー出力光である。



ここでは、入射レーザー光L1は凹面型主鏡11のホール12から入射され、レーザー増幅器13で第1回目の増幅通過が行われ、凸面型副鏡14で反射される。このときレーザー光のビームは広げられて、レーザー増幅器13で第2回目の増幅通過が行われる。その広げられたレーザー光は、凹面型主鏡11で反射されコリメートされるが、この凹面型主鏡11のホール12の存在によってホールの空いたビームが凸面型副鏡14を通過し、空間フィルタ15,16を通過してレーザー出力光L2が出力される。



かかる3回通過レーザー増幅装置は下記の非特許文献2に開示されている。



このように、従来では、大出力化には、偏光制御素子(ポッケルスセル等)、偏光子、鏡を用いて、レーザー光がレーザー増幅器を多重往復する方式が用いられている。



(3)従来の角度ずらし4回通過レーザー増幅装置について説明する。



図9は従来の角度ずらし4回通過レーザー増幅装置の構成図である。



この図において、21は入射用の第1のレンズ、22は入射レーザー光L1を増幅器へ向かう光路に導入する第1の鏡、23は入射レーザー光L1をコリメートする第2のレンズ、24はレーザー増幅器、25は光路の折り返し用の第2の鏡、26はアイソレート用偏光制御素子の光路に導く第3の鏡、27は偏光制御素子へ向かう光路のレーザー光をコリメートする第3のレンズ、28と30は第1と第2の偏光子、29はアイソレート用偏光制御素子、31は偏光制御素子へ向かう光路の折り返し用の第4の鏡、32はレーザー出力光L2をコリメートする第4のレンズである。



図10はかかる角度ずらし4回通過レーザー増幅装置の動作の詳細説明図である。



ここで、第1のレンズ21の焦点距離はf1、第2のレンズ23の焦点距離はf2、第3のレンズ27の焦点距離はf3、第4のレンズ32の焦点距離はf4である。



はじめに、角度ずらしのない場合〔図10(b)に示す焦点距離が1点に集光される場合〕のレンズ位置を示すと、第1のレンズ21と第2のレンズ23はf1+f2の距離に設置されている。第2のレンズ23と第3のレンズ27はf2+f3の距離に設置されている。また、第2のレンズ23と第4のレンズ32は、f2+f4の距離に設置されている。なお、dは焦点位置A面でのレーザービームの分離量(焦点シフト)を示している。



このとき、レンズ光軸中心にレーザービームを通すと、図10(b)に示すように、レーザービームは、焦点位置A面で1点に集光される。そこで、レーザービームを光軸中心から(d/2)はずした位置から入射させると焦点位置A面では、パスごとに焦点を分離できる。すなわち、図10(c)に示すように、1回目、2回目、3回目、4回目に通過するときのそれぞれの焦点を4つの異なった位置に配置できる。この焦点位置A面の前後での距離X1(X1=d・f2・D1:ただしD1は第2のレンズ23出射後のビーム口径)ならびに距離Y1(Y1=d・f2・D1)には、それぞれのビームが重ならないエリアができる。この部分に第1の鏡22及び、第3の鏡26を設置すれば、増幅器へ向かう光路への入射用、また偏光制御素子へ向かう光路への導出用として機能させることができる。よってこの構成で4回増幅通過のレーザー増幅装置が構成できる。



ただし、4つのビームの焦点位置A面での分離量dを大きくすると、光軸中心からのビーム角度が大きくなり、第2のレンズ23およびそれを出射後にレーザー増幅器24に入射するビームの光軸中心からのずれが大きくなる。そのため第2のレンズ23および、レーザー増幅器24の開口制限以内にビームを保つため分離量d(焦点シフト)は制限される。また、この例での第1の鏡22と第3の鏡26で反射するビームの口径は最大で約dである。



次に、かかる4回通過レーザー増幅装置の動作について説明する。



入射レーザー光L1は、第1のレンズ21を通過し、第1の鏡22で反射され、増幅器へ向かう光路に入射する。第2のレンズ23までビームは拡大され、第2のレンズ23によりコリメートされ、レーザー増幅器24を通過する。これが第1回目の増幅通過である。増幅されたレーザー光は、平面の第2の鏡25により反射され、進行方向が反転し、再度、レーザー増幅器24を通過する。これが第2回目の増幅通過である。そして、第2のレンズ23を通過し、ビームが縮小され第3の鏡26によって増幅器へ向かう光路から外部に出され、増幅器へ向かう光路から偏光制御素子へ向かう光路に光路を変更する。第1の偏光子28と第2の偏光子30は、偏光透過方向が直交するように配置されている。レーザー光は第3のレンズ27、第1の偏光子28を通過し、偏光が偏光制御素子29により90度回転され、第2の偏光子30を通過する。第2の偏光子30を通過したレーザー光は、第4の鏡31で反射され、進行方向が折り返され、再び第2の偏光子30、偏光制御素子29、第1の偏光子28、第3のレンズ27を通過し、第3の鏡26により増幅器へ向かう光路に導入される。増幅器へ向かう光路に導入されたレーザー光は、再度第2のレンズ23とレーザー増幅器24を通過する。これが第3回目の増幅通過である。そして、再度、第2の鏡25でビームの進行方向が折り返され、レーザー増幅器24を通過する。これが第4回目の増幅通過である。さらに、第2レンズ23を通過し、その後光軸のずれから第3の鏡26にあたらずに第4のレンズ32を通過し、コリメートされたレーザー出力光L2が得られる。



かかる従来の角度ずらし4回通過レーザー増幅装置は、非特許文献2として開示されている。
【特許文献1】
特許第3251873号公報(第3-4頁 図1)
【特許文献2】
特開平9-181378号公報(第4-5頁 図3)
【非特許文献1】
Bruno M.Van Wonterghem,John R.Murray,Jack H.Campbell,D.Ralph Speck,Charles E.Barker,Ian C.Smith,Donald F.Browning,and William C.Behrendt,“Performance of a prototype for a large-aperture multipass Nd:glass laser for inertial confinement fusion”,APPLIED OPTICS,Vol.36,No.21,20 July 1997
【非特許文献2】
Taku Saiki,Thierry Bontoux,Tadashi Kanabe,Hisanori Fujita,Masahiro Nakatsuka,Sadao Nakai,“Optimization of Cassegrain type 3-pass amplifier with ASE”,Fusion Engineering and Design,44(1999),393-399
【非特許文献3】
Michel L.Andre* ,“Solid State Lasers for Application to Inertial Confinement Fusion”,SPIE,Vol.3047〔なお、e* にはアクサン・テギュが付く〕。

産業上の利用分野


本発明は、レーザー加工、レーザー核融合等に使用する大出力レーザーを得るためのレーザー増幅装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
(a)凸面を有するカセグレン副鏡と、
(b)該カセグレン副鏡に対応して配置される第1の偏光子と、
(c)該第1の偏光子に対応して配置される偏光制御素子と、
(d)該偏光制御素子に対応して配置される第2の偏光子と、
(e)該第2の偏光子からの光を増幅する光路に導入する第1の鏡と、
(f)該第1の鏡からの反射光が入射されるレーザー増幅器と、
(g)該レーザー増幅器からの通過光を折り返すように配置される第2の鏡と、
(h)該第2の鏡を中央に形成されるホールに配置するとともに、該第2の鏡と同軸状に配置される凹面を有するカセグレン主鏡とを備え、
(i)レーザー光を前記第1の偏光子から入射させ、そのレーザー光を、前記偏光制御素子、前記第2の偏光子を通して前記第1の鏡で曲げて、前記レーザー増幅器で第1回目の増幅通過を行い、前記第2の鏡で反射させて進行方向を折り返し、前記レーザー増幅器で第2回目の増幅通過を行い、その増幅されたレーザー光を前記第1の鏡で曲げて、前記第2の偏光子を通して前記偏光制御素子で偏光90度回転、前記第1の偏光子を通して前記凸面を有するカセグレン副鏡で反射させて進行方向を折り返し、前記第1の偏光子、前記偏光制御素子、前記第2の偏光子を通過させ、前記第1の鏡で前記レーザー増幅器へ向かう光路に導入、前記レーザー増幅器で第3回目の増幅通過を行い、その増幅通過されたレーザー光を前記凹面を有するカセグレン主鏡によりビーム径を広げて方向え、前記レーザー増幅器で第4回目の増幅通過を行い、前記カセグレン主鏡のホールによってホールが空いたビームを前記第1の鏡を通過させてレーザー出力光を得ることを特徴とするレーザー増幅装置。

【請求項2】
請求項1記載のレーザー増幅装置において、前記偏光制御素子が150mm未満の小口径であることを特徴とするレーザー増幅装置。

【請求項3】
(a)レーザー光の入射用の第1のレンズと、
(b)該第1のレンズからのレーザー光を増幅する光路に導入する第1の鏡と、
(c)入射光を受ける第2のレンズと、
(d)該第2のレンズからのレーザー光が入射されるレーザー増幅器と、
(e)該レーザー増幅器からの通過光を同光軸方向に折り返すように配置される第2の鏡と、
(f)アイソレート用偏光制御素子の光路に導く第3の鏡と、
(g)前記偏光制御素子へ向かう光路に導入されたレーザー光をコリメートする第3のレンズと、
(h)該第3のレンズに対応して配置される第1の偏光子と、
(i)該第1の偏光子に対応して配置されるアイソレート用偏光制御素子と、
(j)該アイソレート用偏光制御素子に対応して配置される第2の偏光子と、
(k)該第2の偏光子の通過光を折り返す第4の鏡と、
(l)レーザー出力光を得る第4のレンズとを備え、
(m)入射レーザー光は、前記第1のレンズを通過し、前記第1の鏡で反射され、拡大されて前記レーザー増幅器へ向かう光路に入射し、前記第2のレンズを通過し、このとき第2のレンズにより完全にコリメートされずに発散角を持つ条件となるように、予め前記第1のレンズと前記第2のレンズを配置するとともに、前記入射レーザー光の入射角も調整し、前記第2のレンズ通過後、前記レーザー増幅器で第1回目の増幅通過を行い、前記平面の第2の鏡で反射させて、進行方向を反転させ、前記レーザー増幅器により第2回目の増幅通過を行い、次いで、前記第2のレンズを通過し、ビームが縮小され前記第3の鏡によって前記レーザー増幅器へ向かう光路から外部に外され、前記偏光制御素子へ向かう光路に光路を変更し、前記第1の偏光子と前記第2の偏光子は、偏光透過方向が直交するように配置されており、前記第1の偏光子を通過し、偏光が前記偏光制御素子により90度回転し、前記第2の偏光子を通過し、前記第4の鏡で反射され、進行方向が折り返されて、再び前記第2の偏光子、前記偏光制御素子、前記第1の偏光子を通過し、前記第3の鏡により前記レーザー増幅器へ向かう光路に導入され、再度前記第2のレンズを介して前記レーザー増幅器により、第3回目の増幅通過を行い、再度、前記第2の鏡で、ビームの進行方向が折り返され、前記レーザー増幅器により、第4回目の増幅通過を行い、前記第2のレンズを通過し、その後光軸のずれから前記第4のレンズを通過し、コリメートされたレーザー出力光を得ることを特徴とするレーザー増幅装置。

【請求項4】
請求項3記載のレーザー増幅装置において、前記入射レーザー光に発散角を付けて、前記第1の鏡および第3の鏡の焦点位置を前記レーザー増幅器へ向かう光路の垂直方向にずらすと共に、前記レーザー増幅器へ向かう光路の前後方向にもずらして、前記第3の鏡でのビーム面積を大きくしてレーザービームの大出力化を図ることを特徴とするレーザー増幅装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2003273971thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close