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人工骨に好適な酸化チタン-有機高分子複合体 実績あり

国内特許コード P04P001766
整理番号 Y2003-P071
掲載日 2005年3月18日
出願番号 特願2003-293611
公開番号 特開2005-028081
登録番号 特許第4737925号
出願日 平成15年7月11日(2003.7.11)
公開日 平成17年2月3日(2005.2.3)
登録日 平成23年5月13日(2011.5.13)
発明者
  • 小久保 正
  • 川下 将一
  • 中村 孝志
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 人工骨に好適な酸化チタン-有機高分子複合体 実績あり
発明の概要

【目的】 改善された人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料の提供
【構成】
ポリオレフィン、ポリエステルおよびナイロンからなる群から選択される高分子化合物からなる基材に、チタンテトラアルコキシドのアルコール溶液に酸性のアルコールと水からなる溶液を加えて得られた温度0℃~50℃溶液に数秒間~1週間浸漬するチタニア溶液処理を施し前記基材表面にチタニアゲルを形成し、該チタニアゲルを形成した基材を50℃~95℃の温水または酸を加えた室温~95℃溶液に浸漬処理して、アパタイトに対して過飽和な水溶液中あるいは哺乳動物の体液から哺乳動物の骨のアパタイトと同じCa/P原子比のアパタイトを形成する酸化チタン膜に変性することにより得られる人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料。
【選択図】 図3

従来技術、競合技術の概要


骨としての強度を有し、擬似体液(SBF)中でのアパタイトの形成能の高い、換言すれば、生体活性の高い層の形成になじみがあるエステル基および/または水酸基を含有する有機ポリマー、例えばエチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、EVOH)を基材形成材料として用いて、該ポリマーからなる基材の表面に、SBFからアパタイト層を形成できる無機材料の層を形成した人工骨用の複合材料の研究が盛んに行われている。
この様な中で、基体材料の表面に生体活性の高い層が形成され易くするための研究もされてきた。特に前記生体活性の層の形成に有利な官能性の基を持たない有機ポリマーを使用する場合にはこのような中間層の形成は必須のものと考えられていた。また前記中間層の形成に3-イソシアナートプロピルトリエトキシシラン〔OCN(CHSi(OC〕(以下、IPTS)およびシリカ溶液を反応させて変性した基板材料が提案され、更に、前記表面に珪酸カルシウム(calcium silicate)溶液で処理することが提案されていた。




【非特許文献1】M.Uchida,H.-M.Kim,T.Kokubo,S.Fujibayashi,T.Nakamura J.Biomed.Mater.Res.,64A(2003)164-170.

【特許文献1】特開2002-325834、特許請求の範囲、〔0012〕、〔0013〕



前記技術に対し、非特許文献1には、アナターゼのような特定の構造を持つチタニアゲル中のTi-OH基がSBF中において短期間内にアパタイト核の形成を引き起こすことを報告している。前記基材表面をIPTS処理した上に、更に珪酸カルシウ厶(calciumsilicate)溶液で処理した試料はSBF中で2日以内でもその表面にアパタイトを形成するが、前記珪酸カルシウムゲル層は急速にSBF中に溶解すので試料の表面でのアパタイトの形成を制御するのが困難であったのに対し、チタニアゲルのSBFへの溶解度は前記珪酸カルシウムゲル層に比べて格段に小さいから、Ti-OH基を持つチタニアゲル層は生体活性層として優れている。



前記特許文献1には、有機ポリマーから実質的になる基材表面にチタニアゲルを形成後、該チタニアグルを温水あるいは酸水溶液処理することにより、哺乳動物の体液から哺乳動物の骨のアパタイトと同じCa/P原子比のアパタイトを形成できる酸化チタン膜に変性して得られた人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料の発明が報告されているが、アパタイトを形成する酸化チタン膜を、中間層の形成を要することなく、形成できる基材を構成するポリマーとしては、水酸基および/またはその誘導体、チオール基、アルデヒド基、アミノ基を含有するものを使用することが必須であることを報告している〔0013〕。
従って、前記人工骨の複合材料は、基材を構成するポリマーとして活性な基を持つものを使用するか、生体活性層の形成を可能にする中間処理を必要とするものであった。

産業上の利用分野


本発明は、支持体材料としてポリオレフィン、ポリエステルまたはポリアミドを用い、前記支持体表面に直接チタニア溶液処理およびこれに続けて温水または酸を加えた室温~95℃溶液に浸漬する処理して、アパタイトに対して過飽和な水溶液あるいは哺乳動物の体液から哺乳動物の骨のアパタイトと同じCa/P原子比のアパタイトを形成する酸化チタン膜を形成した人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及び6-ナイロンからなる群から選択される高分子化合物からなる基材中間層を形成することなく、チタンテトラアルコキシドのアルコール溶液に酸性のアルコールと水からなる溶液を加えて得られた溶液に温度0℃~50℃、数秒~1週間浸漬するチタニア溶液処理を施し、前記基材表面に直接チタニアゲルを形成し、該チタニアゲルを形成した基材を50℃~95℃の温水または酸を加えた室温~95℃溶液に浸漬処理して、アパタイトに対して過飽和な水溶液中あるいは哺乳動物の体液から哺乳動物の骨のアパタイトと同じCa/P原子比のアパタイトを形成する酸化チタン膜に変性することを特徴とする人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料の製造方法

【請求項2】
チタンテトラアルコキシドがチタン酸テトライソプロピルであり、アルコールがエタノールであり、酸が無機酸である請求項1に記載の人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料の製造方法

【請求項3】
チタニア処理溶液がチタンテトラアルコキシドとアルコールの溶液を温度0℃~10℃に保持しながら酸性のアルコールと水からなる溶液を滴下して調製したものである請求項1または2に記載の人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料の製造方法。


【請求項4】
低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及び6-ナイロンからなる群から選択される高分子化合物からなる基材に、中間層を設けることなくチタンテトラアルコキシドのアルコール溶液に酸性のアルコールと水からなる溶液を加えて得られた温度0℃~50℃の溶液に数秒~1週間浸漬するチタニア溶液処理を施し、前記基材表面に直接チタニアゲルを形成し、該チタニアゲルを形成した基材を50℃~95℃の温水または酸を加えた室温~95℃の溶液に浸漬処理して、アパタイトに対して過飽和な水溶液中あるいは哺乳動物の体液から哺乳動物の骨のアパタイトと同じCa/P原子比のアパタイトを形成する酸化チタン膜に変性し人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料を得、前記複合材料をアパタイトに対して過飽和な水溶液に浸漬してアパタイトを形成した人工骨用複合体の製造方法

【請求項5】
人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料がチタンテトラアルコキシドとしてチタン酸テトライソプロピルを、アルコールとしてエタノールをそして酸として無機酸を用いて得られたものである請求項に記載のアパタイトを形成した人工骨用複合体の製造方法

【請求項6】
人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料が低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及び6-ナイロンからなる群から選択される高分子化合物を用いて得られたものである請求項4または5に記載のアパタイトを形成した人工骨用複合体の製造方法

【請求項7】
人工骨用酸化チタン-有機ポリマー複合材料がチタンテトラアルコキシドとアルコールの溶液を温度0℃~10℃に保持しながら酸性のアルコールと水からなる溶液を滴下して調製したチタニア処理溶液を用いて得られたものである請求項4,5または6に記載のアパタイトを形成した人工骨用複合体の製造方法
産業区分
  • 治療衛生
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003293611thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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