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コア・シェル構造体の調製方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P05P002068
整理番号 K055P10
掲載日 2005年4月8日
出願番号 特願2003-096796
公開番号 特開2004-299011
登録番号 特許第3951181号
出願日 平成15年3月31日(2003.3.31)
公開日 平成16年10月28日(2004.10.28)
登録日 平成19年5月11日(2007.5.11)
発明者
  • 鳥本 司
  • 大谷 文章
  • ボナマリ・パル
出願人
  • 科学技術振興機構
発明の名称 コア・シェル構造体の調製方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】ナノ粒子複合体をコアとしたコア・シェル構造体、及びそれを構成要素とする構造体並びにそれらとそれらから調製される構造体の調製方法を提供する。
【解決手段】2つ以上の異なるナノ粒子が直接接合してなるナノ粒子複合体からなるコア6と、コア6を覆うシェル7とから成る。第1のナノ粒子と第2のナノ粒子とが接合してなるコアである場合には、第1のナノ粒子は、光溶解する半導体、金属、または高分子からなり、第2のナノ粒子3は、光溶解しない固体である金属、金属酸化物、半導体、または高分子から形成することができる。光溶解する半導体ナノ粒子2を形成し、このナノ粒子2にシェルを被覆して内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体を形成し、この制御された空隙中に光溶解しないナノ粒子3を析出させて調製できる。
従来技術、競合技術の概要 多孔質材料は、触媒、吸着剤、界面活性剤等に広く利用されている。多孔質材料は、一定形状の細孔を有した物質であり、細孔の径が2nm以下の多孔質材料はミクロ多孔体と呼ばれ、細孔の径が2~50nmの多孔質材料はメソ多孔体と呼ばれている。ミクロ多孔体は、例えば、ゼオライトが良く知られている。ゼオライトは、SiあるいはAl等の金属原子が酸素を介して結合した結晶体で一定形状の細孔を有しており、この細孔を利用して、例えば、重質油をガソリンに分解する接触分解触媒として、また、分岐アルカンは通さずに直鎖アルカンのみを通す分子ふるい吸着剤として利用されている。さらに近年、より大きな空隙を有する多孔体、すなわち、メソ多孔体が、触媒機能の向上と、新しい機能実現のために提案され、シリカなどの金属酸化物からなるメソ多孔体の調製が盛んに研究されている。メソポーラスシリカに代表されるメソ多孔体は、これまで、界面活性剤のミセルや、無機あるいは有機ナノ粒子などの自己組織化有機分子集合体を鋳型として、このまわりに金属酸化物薄膜を形成させた後、鋳型を除去することにより調製されている。鋳型として用いる材料の大きさ、及び、その配列構造を制御することによってメソ多孔体の細孔構造を制御することができ、細孔がランダムに分散したメソ多孔体、細孔が規則的に配列したメソ多孔体、あるいは球状細孔が3次元規則配列したメソ多孔体など、数多く実現されている。メソ多孔体は、原子レベルの規則性はないものの、メソスケールの空隙が規則的に配列したこれまでにみられない新しいタイプの結晶であり、今後、吸着・分離材(特定の分子を空隙に吸着し、分離する働きを持つ材料)や、触媒、界面活性剤などの工業材料として活用が期待される。また、空隙にさまざまな原子や分子の集合体を導入するなどして、新しいエレクトロニクスデバイス材料としての利用も可能にするなど、さまざまな分野での利用が大いに期待されている。メソ多孔体の内部ナノ空間に粒子を生成させる手法としては、これまでに、メソ多孔体に原料となる化合物を導入し反応させ、細孔内に金属あるいは半導体を生成させる方法が一般的に用いられる。しかしながら、この方法で作製したナノ粒子-メソ多孔体複合体では、内部の金属あるいは半導体ナノ粒子サイズが多孔体内部の細孔サイズによって決まる(例えば、非特許文献1、2参照)。一方、コア・シェル構造体のコア部分にナノ粒子をあらかじめ取り込ませておき、化学的溶解あるいは焼成によってコア部分のみを選択的に除去することにより、シェル内部にナノ粒子を取り込んだ中空粒子の作製が報告されている((例えば、非特許文献3~7参照)。最近、本発明者らにより、内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体が実現された(例えば、非特許文献8参照)。この内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造は、コア内部のCdSの光エッチングによりナノオーダーで精度よくエッチングすることで、コア内部の空隙を制御している。
【非特許文献1】A. Fukuoka 他8名 ”Novel Templating Synthesis of Necklace- Shaped Mono- and Bimetallic manowires in Hybrid Organic-Inorganic Mesoporus Material”, J. AM. CHEM. Soc., 2001, Vol.123, No.14, pp.3373-3374
【非特許文献2】S. Besson 他4名 ”3D Quantum Dot Lattice Inside MesoporousSilica Films”, Nano Lett., 2002, Vol.2, No.4, pp.409-414
【非特許文献3】Y. Yin 他3名 ”Synthesis and Characterization of MesoscopicHollow Spheres of Ceramic Materials with Functionalized InteriorSurfaces”, Chem. Matter., 2001, Vol.13, No.4, pp.1146-1148
【非特許文献4】K. Kamata他2名 ”Synthesis and Characterization of Monodispersed Core-Shell Spherical Colloids with Movable Cores”, J. AM. CHEM. Soc., 2003, Vol.125, No.9, pp.2384-2385
【非特許文献5】P. Mulvaney他3名 ”Silica encapsulation of quantum dots andmetal clusters”, J. Mater. Chem., 2000, Vol.10, pp.1259-1270
【非特許文献6】Y. Sun 他2名 ”Template-Enlarged Replacement Reaction: A One-Step Approach to the Large-Scale Synthesis of Metal Nanostructures with Hollow Interiors”, Nano Lett., 2002, Vol.2, No.5, pp.481-485
【非特許文献7】M. Kim 他3名 ”Synthesis of Nanorattles Composed of Gold Nanoparticles with Encapsulated in Mesoporous Carbon and Polymer Shells”, Nano Lett., 2002, Vol.2, No.12, pp.1383-1387
【非特許文献8】T. Torimoto他7名 ”Preparation of Novel Silica-Cadmium Sulfide Composite Nanoparticles Having Adjustable Void Space by Size-SelectivePhotoetching”, J. AM. CHEM. Soc., Vol.125, No.2, 2003, pp.316-317
産業上の利用分野 この発明は、触媒、電子デバイス材料等に用いるナノ粒子複合体、それをコアとしたコア・シェル構造体、及びそれらを構成要素とする構造体並びにそれらとそれらから調製される構造体の調製方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 光溶解する固体で成る第1のナノ粒子を粒径を制御して形成し、 上記第1のナノ粒子表面と結合する元素と光溶解しない酸化物の成分元素を含む基とを有する化学物質で上記第1のナノ粒子表面を化学修飾することでこの表面に上記基を導入し、 この基を加水分解して上記酸化物からなる被膜を形成し、上記第1のナノ粒子をコア、上記被膜をシェルとするコア・シェル構造体を形成し、 このコア・シェル構造体に光溶解液中で波長を制御して光照射して上記第1のナノ粒子の粒径を制御するエッチングを行なうことでコア・シェル構造体内部に制御された空隙を形成し、 第2のナノ粒子の構成元素を含む固体析出用溶液中で上記内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体のシェル内に金属、金属酸化物、半導体または高分子からなる第2のナノ粒子を析出させて上記粒径の制御された第1のナノ粒子と直接接合させることにより、 上記光溶解する第1のナノ粒子と第2のナノ粒子とを直接接合したナノ粒子複合体で成るコアと、該コアを空隙を介して覆う数ナノメーターから数十ナノメーターの径のシェルと、上記第1のナノ粒子の粒径制御により所望の大きさに制御された空隙と、を有するコア・シェル構造体を得て、 上記光溶解する第1のナノ粒子をエッチングにより除去し、第2のナノ粒子と上記シェルとの間に制御された空隙を形成させ、第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体を得ることを特徴とする、第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項2】 前記第2のナノ粒子が、光溶解しないナノ微粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項3】 前記第2のナノ粒子が光溶解するナノ微粒子であり、前記第1のナノ粒子は、上記第2のナノ粒子が光エッチングされない条件で光エッチングにより除去されることを特徴とする、請求項2に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項4】 前記第2のナノ粒子は、光照射により析出することを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項5】 前記固体析出用溶液は金属析出用溶液であり、金属または金属酸化物を析出させることを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項6】 前記金属析出用溶液は、第2のナノ粒子を構成する金属元素と電子または正孔の捕捉剤とを含む混合溶液であることを特徴とする、請求項5に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項7】 前記加水分解した後に、親水基または疎水基を有する化学物質を添加してさらに化学修飾することにより、水に可溶または有機溶媒に可溶に形成することを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項8】 前記第1のナノ粒子はCdS(硫化カドミウム)であり、 前記第1のナノ粒子表面と結合する元素はS(イオウ)元素であり、 前記光溶解しない酸化物の成分元素はSi(シリコン)であり、前記基はSiを含む(CH3 O)3 Si(トリメトキシシリル)基であり、 前記化学物質は(CH3 O)3 Si(CH2 3 SH(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)であり、 前記被膜はSiOx (シリコン酸化物,0<x)であり、 さらに、前記第2のナノ粒子は金属、金属酸化物、半導体または高分子の固体からなることを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項9】 前記第1のナノ粒子はCdSであり、 前記第1のナノ粒子表面と結合する元素はS元素であり、 前記光溶解しない酸化物の成分元素はSiであり、前記基はSiを含む(CH3 O)3 Si基であり、 前記化学物質は(CH3 O)3 Si(CH2 3 SHであり、 前記親水基を有する化学物質は、カルボシキル基、4級アンモニウム基、アミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基等を有するアルキルシランであり、 前記疎水基を有する化学物質は、n-オクタデシルトリメトキシシランであり、 さらに、前記第2のナノ粒子は金属、金属酸化物、半導体または高分子の固体からなることを特徴とする、請求項1に記載の第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項10】 前記第1のナノ粒子を、所望の粒径に対応する吸収端波長の光で光溶解することにより所望の粒径とすることを特徴とする、請求項1,8,9のいずれかに記載の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体の調製方法。
【請求項11】 請求項1~10に記載のいずれかの方法で調製した複数の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を溶媒に分散し、この溶媒を徐々に蒸発させて自己組織化させることで、上記第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体を得ることを特徴とする、第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体の調製方法。
【請求項12】 請求項1~10に記載のいずれかの方法で調製した複数の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を気・液界面に展開し、該第2のナノ粒子をコアとするコア・シェル構造体からなる2次元膜を圧縮して組織化することを特徴とする、第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体の調製方法。
【請求項13】 請求項1~10に記載のいずれかの方法で調製した複数の第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を、DNAをテンプレートとして配列することを特徴とする、第2のナノ粒子をコアとしたコア・シェル構造体を構成要素とする構造体の調製方法。
産業区分
  • その他機械要素
  • 処理操作
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 光と制御 領域
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