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中性子線量当量測定器

国内特許コード P05A006959
整理番号 NIRS-161
掲載日 2005年4月8日
出願番号 特願2003-083542
公開番号 特開2004-294115
登録番号 特許第4092399号
出願日 平成15年3月25日(2003.3.25)
公開日 平成16年10月21日(2004.10.21)
登録日 平成20年3月14日(2008.3.14)
発明者
  • 隈元 芳一
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 中性子線量当量測定器
発明の概要 【課題】自然放射線レベルの低エネルギーから高エネルギーまでの広い範囲での中性子線の線量当量を測定することが可能な中性子線量当量測定器を提供する。
【解決手段】中性子との核反応によりα線を放出するリチウム6またはホウ素10を含有するα線放出体部材と、α線放出体部材から放出するα線を衝突させて飛跡を生成することによって中性子線量当量を測定する中性子測定用ポリカーボネイトフィルムとを対向し、さらにノイズ飛跡を測定するノイズ測定用ポリカーボネイトフィルムがα線放出体部材と対向しないで配設されている固体飛跡検出セット(7)が、気密容器(15)内に1個もしくは複数個配設された状態で収納されていることを特徴とする中性子線量当量測定器(19)とする。
【選択図】 図7
従来技術、競合技術の概要


従来より、放射線安全管理を目的とする中性子線量当量測定の目的には、ヘリウム3比例計数管またはホウ素10比例計数管を減速材の中心に配置した測定器が利用されている。この減速材は、中性子の単位個数当たりの人体への影響が低エネルギー中性子では小さく、高エネルギー中性子では大きいことを考慮した線量当量を測定できるように設計されたものであり、低エネルギー中性子をある程度吸収し、高エネルギー中性子を減速してホウ素10などとの核反応断面積の大きい熱中性子に変える。この方法で得られる計数値は中性子線量当量に比例する。



減速材には、熱中性子から20MeV程度までと熱中性子から1000MeV程度までの中性子の線量当量を測定できるものがあり、前者を汎用型、後者を高領域型と称している。この減速材の中心に比例計数管を配置した測定器は連続して測定結果を得ることができるが、短時間に出射した中性子線量を数え落とす可能性があり、また停電中の線量が記録されないといった問題も有している。



上記の方法以外の中性子線量当量を測定する方法として、固体飛跡検出法が知られている。固体飛跡検出法とは、α粒子などの荷電粒子がポリカーボネイト、ガラス、雲母などの物質に衝突して生成された飛跡による傷を、KOHを含む溶液でエッチングして拡大して光学顕微鏡で見えるようにしたものであり、生成した飛跡は常温ではエッチング前でもガンマ線などの光子の影響を受けずフェーディング(退行)が起こらない。このような長所を有することから固体飛跡検出法は現在個人の被曝線量計に利用されている(特許文献1、特許文献2)。なお、固体飛跡による線量測定において線量が大きくなるとエッチピット数が多くなり最終的には重畳するようになるが、1cm×1cm当たり10000個までは線量とエッチピット数が比例することが知られている。



しかしながら、固体飛跡検出方法においても以下のような問題を有していた。



電子管式でない環境モニタリングのための中性子線量当量測定にはCR-39ポリカーボネイトフィルムを用いた固体飛跡検出法による個人モニターを使用しているが、その最小検出感度は0.1mSvであり、0.1mSv以下の自然放射線中の中性子線量当量を測定するには十分ではなかった。



また固体飛跡検出器は空気中のラドンからのα線がポリカーボネイトフィルム表面に衝突して生成した飛跡からラドン濃度を測定するために利用されており(特許文献3)、さらにα線放出体部材とポリカーボネイトフィルムを用いた検出セットも見出され、ポリエチレン球を減速材とし、ノイズ飛跡測定のためにポリカーボネイトフィルムの一部を覆ったものに配置した測定がなされたが、中性子のエネルギーによっては飛跡数が中性子線量当量に比例しなかった(非特許文献1)。



上記のように、これまでの固体飛跡検出法では自然放射線レベルの低エネルギーから高エネルギーの広い範囲での中性子線の線量当量を測定することは不可能であった。



【特許文献1】
特開2001-42038
【特許文献2】
米国特許第4381454号明細書
【特許文献3】
特開平8-201523
【非特許文献1】
Kumamoto Y, Maruyama T, "Measurement of natural neutron background using electrochemically etched polycarbonate foils and boron-10 radiator" Health Phys 43巻 p.719-726, 1982年



この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、自然放射線レベルの低エネルギーから高エネルギーの広い範囲での中性子線の線量当量を固体飛跡検出法により測定することのできる中性子線量当量測定器を提供することを課題としている。

産業上の利用分野


この出願の発明は、中性子線量当量測定器に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、自然放射線レベルの低エネルギーから高エネルギーまでの広い範囲での中性子線の線量当量を測定することが可能な中性子線量当量測定器に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
中性子との核反応によりα線を放出するリチウム6またはホウ素10を含有するα線放出体部材と、α線放出体部材から放出するα線を衝突させて飛跡を生成することによって中性子線量当量を測定する中性子測定用ポリカーボネイトフィルムとが対向して配設されており、さらにノイズ飛跡を測定するノイズ測定用ポリカーボネイトフィルムがα線放出体部材と対向しないで配設されている固体飛跡検出セットが、気密容器内に1個もしくは複数個配設された状態で収納されていることを特徴とする中性子線量当量測定器。

【請求項2】
請求項1記載の中性子線量当量測定器の固体飛跡検出セットにおいて、保持枠によってα線放出体部材、中性子測定用ポリカーボネイトフィルムおよびノイズ測定用ポリカーボネイトフィルムが固定されていることを特徴とする中性子線量当量測定器。

【請求項3】
中性子との核反応によりα線を放出するリチウム6またはホウ素10を含有するα線放出体部材と、α線放出体部材から放出するα線を衝突させて飛跡を生成することによって中性子線量当量を測定する中性子測定用ポリカーボネイトフィルムとが対向して配設されており、中性子測定用ポリカーボネイトフィルムのα線放出体部材と対向した面に到達するα線の放射路の一部を覆うようにα線を停止させるのに十分な厚さの遮蔽部材が配設されている固体飛跡検出セットが、気密容器内に1個もしくは複数個配設された状態で収納されていることを特徴とする中性子線量当量測定器。

【請求項4】
請求項3記載の中性子線量当量測定器の固体飛跡検出セットにおいて、保持枠によってα線放出体部材、中性子測定用ポリカーボネイトフィルムおよび遮蔽部材が固定されていることを特徴とする中性子線量当量測定器。

【請求項5】
熱中性子から20MeVまでの中性子の線量当量を測定可能な汎用型または熱中性子から1000MeVまでの中性子の線量当量を測定可能な広領域型中性子線量当量測定用減速材内に、前記気密容器が配置されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の中性子線量当量測定器。

【請求項6】
既知の中性子線量を照射したポリカーボネイトフィルムがα線放出体部材と対向しないように配設されていることを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載の中性子線量当量測定器。

【請求項7】
イズ測定用ポリカーボネイトフィルムまたは中性子測定用ポリカーボネイトフィルムの裏面を測定することを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の中性子線量当量測定器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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