TOP > 国内特許検索 > 高周波加速空胴

高周波加速空胴

国内特許コード P05A006964
整理番号 NIRS-170
掲載日 2005年4月8日
出願番号 特願2003-089775
公開番号 特開2004-296362
登録番号 特許第4590624号
出願日 平成15年3月28日(2003.3.28)
公開日 平成16年10月21日(2004.10.21)
登録日 平成22年9月24日(2010.9.24)
発明者
  • 三須 敏幸
  • 北條 悟
  • 杉浦 彰則
  • 金澤 光隆
  • 宮原 信幸
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 高周波加速空胴
発明の概要 【課題】高透磁率磁性体コアを本体内に装荷した高周波加速空胴において、冷却効率を向上させた構造を備えた高周波加速空胴を提供する。
【解決手段】電子やイオン等の荷電粒子を加速蓄積する加速器に用いられ、該荷電粒子を高周波電場により加速するとともに、高透磁率磁性体コア16と該高透磁率磁性体コア16を冷却する金属冷却板18とを本体12内に装荷した高周波加速空胴10において、高透磁率磁性体コア16の一方の側面に、金属冷却板18を直接接触させ、或いは、近接して取り付けるようにした高透磁率磁性体コア16の冷却構造を備えた構成とした。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


電子やイオン等の荷電粒子を高エネルギーに加速するサイクロトロン、シンクロトロン、シンクロサイクロトロン等の円形加速器、或いは、線形加速器等の加速器が、医療用、又は産業用等の実用に供されている。
このような、加速器のビームパイプ途中には、荷電粒子を加速するために必要な高周波電場を発生させる高周波加速空胴が配置されている。
この高周波加速空胴は、荷電粒子が周回中にロスしたエネルギーを補完したり、或いは、より高エネルギーに加速する役割を担う(特許文献1参照)。



高周波加速空胴とは、その原理を簡単に説明すると、高周波電力を投入し、荷電粒子がが高周波加速空胴の加速ギャップに差し掛かった際に、丁度加速されるように高周波加速空胴に発生する高周波電圧の位相と荷電粒子の位置とをうまく同期させて、荷電粒子にエネルギーを供給するようにした装置である。
また、高周波加速空胴は、高透磁率磁性体コアを空胴内に装着することで高加速勾配を得ることができ、空胴全体の長さも小型化している。



この従来の高周波加速空胴の構成について、図15及び図16を用い、図17を参照して具体的に説明する。
図15は、従来の高周波加速空胴の構成を示す縦断側面図である。
図16は、従来の高周波加速空胴の構成を示す縦断正面図である。
図17は、従来の高周波加速空胴の高透磁率磁性体コア近辺の一部を拡大して示した縦断側面図である。



従来の高周波加速空胴100の主要構成は、図15及び図16に示すように、高周波加速空胴本体102、荷電粒子を蓄積するとともに内部が高真空に保たれているビームパイプ104、高透磁率磁性体コア106、この高透磁率磁性体コア106を冷却する金属冷却板108、高透磁率磁性体コア106と金属冷却板108を電気的に絶縁する絶縁材118、加速電極も兼ねるビームパイプ104に高周波電力を供給する高周波直結フィーダ110である。
また、112は、加速電極も兼ねるビームパイプ104同士を絶縁するとともに、ビームパイプ104内部を高真空に保つための絶縁パイプである。



次に、図15を用いて、従来の高周波加速空胴100の基本動作を説明する。
図示しない電源から、高周波電力が高周波直結フィーダ110を介して、ビームパイプ104に供給されると、絶縁パイプ112により絶縁されている、ビームパイプ104間の加速ギャップ114に高周波電場が発生する。



上述した通り、荷電粒子がが高周波加速空胴100の加速ギャップ114に差し掛かった際に、丁度加速されるように高周波加速空胴100に発生する高周波電圧の位相と荷電粒子の位置とをうまく同期させることにより、荷電粒子にエネルギーを供給して加速することができる。



高周波加速空胴100は、高透磁率磁性体コア106を空胴本体102内に装荷することで高加速勾配を得ることは上記したが、最近の高透磁率磁性体コア106は、透磁率を高くし、コア損失を低減するために、図17に示すように薄膜テープ状のリボン合金120を絶縁層を挟んで半径方向に多数回巻き回した構造を採用しており、その外形は中空円盤状をしている。



このリボン合金120の材質はファインメット(基本成分Fe(-Si)-Bに微量のCuとNb、Ta、Mo、Zr等の元素を添加した合金を、熱処理などによって製造されたナノ結晶組織)が代表的である。



このような高透磁率磁性体コア106は、高周波加速空胴100内で発熱するため、高透磁率磁性体コア106の表面積の大部分を占めるその両側の側面を冷却流体で、直接又は間接冷却することが従来から行われていた。
その冷却流体には、設備が容易で比熱の高い点で水等が使用されている。



なお、図15では、高透磁率磁性体コア106に対して、絶縁材118を介してこの高透磁率磁性体コア106を金属冷却板108により両側から冷却する構造のものが4つ図示されているが、特性を落とさないために、金属冷却板-絶縁材-高透磁率磁性体コア-絶縁材-金属冷却板-絶縁材-高透磁率磁性体コア-絶縁材-・・・のように多層挟み込む構造になっているものもある。



【特許文献1】
特開2000-286096

産業上の利用分野


本発明は、サイクロトロン、シンクロトロン、シンクロサイクロトロン等の円形加速器、或いは、線形加速器等の加速器一般に用いられ、電子やイオン等の荷電粒子を高周波電場により加速する高周波加速空胴に係り、特に、高透磁率磁性体コアと該高透磁率磁性体コアを冷却する金属冷却板とを本体内に装荷した高周波加速空胴の冷却構造の改良に関するものである。
なお、本発明の一部は、文部科学省委託事業の「小型加速器実証制作・普及事業」により支援された研究によるものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
電子やイオン等の荷電粒子を加速し、或いは蓄積する加速器に用いられ、前記荷電粒子を高周波電場により加速するとともに、薄膜テープ状のリボン合金を絶縁層を挟んで多数回巻回した構造の高透磁率磁性体コアと該高透磁率磁性体コアを冷却する金属冷却板とを本体内に装荷した高周波加速空胴において、
前記高透磁率磁性体コアの一方の側面のみに、前記金属冷却板を直接接触させた前記高透磁率磁性体コアの冷却構造を備えたことを特徴とする高周波加速空胴。

【請求項2】
電子やイオン等の荷電粒子を加速し、或いは蓄積する加速器に用いられ、前記荷電粒子を高周波電場により加速するとともに、薄膜テープ状のリボン合金を絶縁層を挟んで多数回巻回した構造の高透磁率磁性体コアと該高透磁率磁性体コアを冷却する金属冷却板とを本体内に装荷した高周波加速空胴において、
前記高透磁率磁性体コアの一方の側面のみに、電気伝導材を介して前記金属冷却板を配置して前記高透磁率磁性体コアを冷却する冷却構造を備えたことを特徴とする高周波加速空胴。

【請求項3】
前記高透磁率磁性体コアを複数備え、前記金属製冷却板の両方の側面に、前記高透磁率磁性体コアを直接接触させたことを特徴とする請求項1に記載の高周波加速空胴。

【請求項4】
前記高透磁率磁性体コアを複数備え、前記金属製冷却板の両方の側面に、前記電気伝導材を介して前記高透磁率磁性体コアを配置したことを特徴とする請求項2に記載の高周波加速空胴。

【請求項5】
電子やイオン等の荷電粒子を加速し、或いは蓄積する加速器に用いられ、前記荷電粒子を高周波電場により加速するとともに、薄膜テープ状のリボン合金を絶縁層を挟んで多数回巻回した構造の高透磁率磁性体コアと該高透磁率磁性体コアを冷却する金属冷却板とを本体内に装荷した高周波加速空胴において、
前記高透磁率磁性体コアの一方の側面に、前記金属冷却板を直接接触させ、他方の側面に、絶縁材を介して前記金属冷却板を取り付け、前記高透磁率磁性体コアを両面から冷却する冷却構造を備えたことを特徴とする高周波加速空胴。

【請求項6】
電子やイオン等の荷電粒子を加速し、或いは蓄積する加速器に用いられ、前記荷電粒子を高周波電場により加速するとともに、薄膜テープ状のリボン合金を絶縁層を挟んで多数回巻回した構造の高透磁率磁性体コアと該高透磁率磁性体コアを冷却する金属冷却板とを本体内に装荷した高周波加速空胴において、
前記高透磁率磁性体コアの一方の側面に、電気伝導材を介して前記金属冷却板を配置し、他方の側面に、絶縁材を介して前記金属冷却板を取り付け、前記高透磁率磁性体コアを両面から冷却する冷却構造を備えたことを特徴とする高周波加速空胴。

【請求項7】
前記金属冷却板の素材に、銅を用いるようにしたことを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の高周波加速空胴。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2003089775thum.jpg
出願権利状態 登録
放医研が保有する特許に、ご関心のある企業等はお問合せ下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close