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Fe基軟磁性バルク非晶質・ナノ結晶二相合金の製造方法 コモンズ

国内特許コード P05P001804
整理番号 B37P02
掲載日 2005年4月15日
出願番号 特願2003-209153
公開番号 特開2005-068451
登録番号 特許第3983207号
出願日 平成15年8月27日(2003.8.27)
公開日 平成17年3月17日(2005.3.17)
登録日 平成19年7月13日(2007.7.13)
発明者
  • 井上 明久
  • 沈 宝龍
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 Fe基軟磁性バルク非晶質・ナノ結晶二相合金の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】優れた軟磁気特性を有し、バルク試料の作製が可能であるFe基微結晶軟磁性合金を提供する。
【解決手段】(Fe1-a100-x-y-z-wSiCu(ただし、MはCo,Niのいずれか、又は、両方であり、かつ0.05≦a≦0.36、TはNb, Zr, Ta, W, Mo, Hf及びTiの中から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ2≦w≦8(原子%)、5≦x≦15(原子%)、5≦y≦15(原子%)、0.01≦z≦4(原子%)である)で示され、過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上で、換算ガラス化温度Tg/Tlが0.59以上であるバルク金属ガラス合金を結晶化させて、平均結晶粒径30nm以下、体積分率で40~85%がナノ結晶であることを特徴とするFe基軟磁性バルク非晶質・ナノ結晶二相合金。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


一般に、磁気ヘッドのコア若しくはパルスモータの磁心又はトランスやチョークコイルなどに用いられている軟磁性合金に要求される特性は、飽和磁束密度が高いこと、透磁率が高いこと、低保磁力であること、薄い形状が得やすいことなどである。したがって、軟磁性合金の開発においては、これらの観点から種々の合金系において材料研究がなされている。従来、前述の用途に対する材料として、センダスト、パーマロイ、けい素鋼等の結晶質合金が用いられてきた。



前記のセンダストは、低保磁力、高透磁力などの軟磁気特性には優れるものの、飽和磁束密度が約1.1T程度と低い欠点があり、パーマロイも同様に、軟磁気特性に優れる合金組成においては飽和磁束密度が約0.8Tと低い欠点があり、けい素鋼は飽和磁束密度は高いものの、軟磁気特性に劣る欠点がある。



最近では、Fe系やCo系の非晶質合金も使用されるようになってきている。
Co基の非晶質合金は、軟磁気特性には優れるものの、飽和磁束密度が1T程度と不十分である。また、液体急冷法で製造したFe-B-M(M=Ti,Zr,Hf,Nb,V,Ta,Mo,W)系等の非晶質合金は、飽和磁束密度が高く、1.5T又はそれ以上のものが得られるが、軟磁気特性が不十分な傾向がある。更に、非晶質合金の熱安定性は十分ではなく、未解決の面がある。以上のことから、従来の材料では、高飽和磁束密度と優れた軟磁気特性を兼備することは難しい。



そこで、Fe系合金に非晶質化元素とCuを添加して非晶質薄帯を製造し、これを熱処理して一部結晶化させる軟磁性薄帯の製造方法が知られている(特許文献1~8)。これらの特許出願に係る発明の合金は、非晶質相と微細な結晶相を混在させたものであり、優秀な軟磁気特性と高い飽和磁束密度と高硬度を兼ね備えるものであった。



これらのFe基軟磁性ナノ結晶合金は、液体急冷法により作製されたアモルファス合金を結晶化させることにより実現したものである。したがって、試料の大きさは液体急冷により作製されたアモルファス合金の寸法に左右される。すなわち、従来のFe基アモルファス合金は、アモルファス形成能が低いため、得られる試料の形状は薄帯、薄膜、粉末、線材に限定され、バルク状試料の作製はできなかった。このため、このような材料を用いた電磁変換機器は高価であまり普及していない。



本発明者らは、1995年に初めて銅鋳型鋳造法によりFe-Al-Ga-P-C-Bからなる組成のFe基軟磁性バルクガラス合金を開発した。その後引き続き、Fe-(Nb,Cr,Mo)-(Al,Ga)-(P,C,B)、Fe-(Nb,Cr,Mo)-(P,C,B) 、Fe-Co-Ga-(P,C,B)、Fe-Ga-(P,C,B)、Fe-(Nb,Cr,Mo)-Ga-(P,C,B)、Fe-(Zr,Hf,Nb)-B、Fe-(Cr,Mo)-C-B、Fe-B-Si-Nb等のFe基軟磁性バルクガラス合金を開発した(例えば、特許文献9~19、非特許文献1)。



【特許文献1】
特願昭62-317189号(特公平4-4393号公報)
【特許文献2】
特願平4-335524号(特開平7-11396号公報)
【特許文献3】
特願平3-42051号(特開平4-280949号公報)
【特許文献4】
特願平3-360321号(特開平6-17204号、特許第3357386号公報)
【特許文献5】
特願平3-22791号(特開平5-93249号、特許第2857257号公報)
【特許文献6】
特願平9-124803号(特開平10-60607号、特許第33159936号公報)
【特許文献7】
特願平7-18291号(特開平7-258728号公報)
【特許文献8】
特願平7-166579号(特開平9-20965号公報)
【特許文献9】
特願平8-243756号(特開平9-320827号公報)
【特許文献10】
特願平9-35342号(特開平10-226856号公報)
【特許文献11】
特願平9-235277号(特開平11-71647号公報)
【特許文献12】
特願平10-11798号(特開平11-131199号公報)
【特許文献13】
特願平11-60912号(特開2000-256812号公報)
【特許文献14】
特願平11-330699号(特開2001-152301号公報)
【特許文献15】
特願2000-79055号(特開2001-262292号公報)
【特許文献16】
特願2000-289491号(特開2001-316782号公報)
【特許文献17】
特願2000-293576号(特開2002-105607号公報)
【特許文献18】
特願2000-391567号(特開2002-194514号公報)
【特許文献19】
特願2001-197157号(特開2002-226956号公報)
【非特許文献1】
A.Inoue and B.L.Shen,Mater.Trans.43,766(2002)

産業上の利用分野


本発明は、磁気ヘッド、トランス、チョークコイル等のコア材に使用できる軟磁気特性に優れたFe基軟磁性バルク非晶質・ナノ結晶二相合金の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Fe100-a-x-y-z-wCoSiCuNb(5≦a≦32(原子%)、2≦w≦8(原子%)、5≦x≦15(原子%)、5≦y≦15(原子%)、0.01≦z≦4(原子%)である)で示される組成になるように合金原料を混合して溶解し合金溶湯を得た後、
銅鋳型鋳造法によって径又は厚みが0.75mm以上で、ガラス相の体積分率が100%の鋳造塊からなり、ΔTx=Tx-Tg(ただし、Txは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上で、換算ガラス化温度Tg/Tl(Tgはガラス遷移温度、Tlは液相線温度(いずれも絶対温度))が0.59以上であるバルク金属ガラス合金を製造し、
これを550~670℃の温度範囲で加熱した後、急冷することによりバルク金属ガラス合金を結晶化させて、Fe、Coの固溶体である平均結晶粒径が30nm以下、体積分率で40~85%のbcc結晶粒からなるナノ結晶相と、bcc結晶粒の粒界に存在する粒界非晶質相の二相を形成させる
ことを特徴とするFe基軟磁性バルク非晶質・ナノ結晶二相合金の製造方法。

【請求項2】
前記二相合金は、飽和磁束密度(Bs)が1T以上、1.8T以下、保磁力(Hc)が10A/m以下、0.5A/m以上、1KHzでの透磁率(μe)が、10,000以上、60,000以下、であることを特徴とする請求項1記載のFe基軟磁性バルク非晶質・ナノ結晶二相合金の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003209153thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成14年度採択課題
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