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2つのTcを有するCu-1234超伝導体の比熱測定

研究報告コード R000000525
掲載日 2002年9月30日
研究者
  • 田中 康資
  • 伊豫 彰
  • 徳本 圓
  • 伊原 英雄
研究者所属機関
  • 経済産業省 産業技術総合研究所(旧電子技術総合研究所)
  • 経済産業省 産業技術総合研究所(旧電子技術総合研究所)
  • 独立行政法人 産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門
  • 経済産業省 産業技術総合研究所(旧電子技術総合研究所)
研究機関
  • 産業技術総合研究所 産業技術総合研究所(旧電子技術総合研究所)
報告名称 2つのTcを有するCu-1234超伝導体の比熱測定
報告概要 多層型銅酸化物高温超伝導体 Cu-1234 における二つの超伝導転移温度の熱力学的性質を調べた。電子比熱における異常を引き出すために,磁場下と磁場がない場合の比熱の差を測定した。図1に示すように(CH=0-CH=14T/T は118Kで最初の超伝導転移温度(TC)に相当する鋭い山をもっている。このTCはマイスナー信号とゼロ抵抗により決定されたTcに一致する。また80K以下に幅の広い異常が観測された。この異常はNMRの研究によって提案されたTc2のためであると考えられる。図2はフェルミ面が二つあるマルチバンドの比熱についてモデル計算の結果である。フェルミ面間の相互作用が弱いときに二つ目の異常がTcより低い温度(Tc2)で現れることをモデル計算は示している。二つのフェルミ面で異なる対称性をもつギャップが発達するとき、バンド間の相互作用が極めて弱くなることが予想され,Cu-1234の比熱の異常はこのような状況を示唆しているものと考えられる。比熱の結果はCu-1234が極めて典型的なマルチバンド超伝導体であることを示している。マルチバンドに起因するTc2が比熱に現れた具体例はこれまで無かった。マルチバンド超伝導体では,単一バンドの超伝導体には期待できない,バンド間の相互作用に起源をもつ新現象や新応用があり,ここ40年間理論的な研究が活発に行われてきた。Cu-1234は理論の検証を可能にするはじめてのマルチバンド超伝導体である。
画像

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研究分野
  • 電磁気学一般
  • 金属の比熱・熱伝導
  • 超伝導材料
関連発表論文 (1)Y.Tanaka,Phase Instability in Multi-Band Superconductor,J.Phys.Soc.Jpn.J.Phys.Soc.Jpn.70(2001)No.10 in print.
(2)Y.Tanaka,A.Iyo,N.Shirakawa,M.Ariyama,M.Tokumoto,S.I.Ikeda and H.Ihara,Specific Heat Study on CuxBa2Ca3Cu4Oy,.J.Phys.Soc.Jpn.70(2001)329.
(3)Y.Tanaka,A.Iyo,N.Shirakawa,M.Ariyama,M.Tokumoto,S.I.Ikeda and H.Ihara,Specific heat study on CuxBa2Ca3Cu4OyPhysica C357(2001)222.
研究制度
  • 戦略的基礎研究推進事業、研究領域「電子・光子等の機能制御」研究代表者 伊原 英雄(経済産業省 産業技術総合研究所電子技術総合研究所)/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 田中 康資,伊豫 彰,徳本 圓,伊原 英雄. Specific heat measurement of the Cu-1234 superconductor with two Tc's. 戦略的基礎研究推進事業「電子・光子等の機能制御」The First CREST Symposium on ''Function Evolution of Materials and Devices based on Electron/Photon Related Phenomena'',2000. p.34 - 34.

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