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光励起三重項電子スピンの利用による動的核偏極-NMR量子コンピュータの初期化を目指して

研究報告コード R000000559
掲載日 2002年9月30日
研究者
  • 武田 和行
  • 竹腰 清乃理
  • 寺尾 武彦
研究者所属機関
  • 科学技術振興事業団 戦略的基礎研究推進事業
  • 京都大学大学院理学研究科化学専攻
  • 京都大学大学院理学研究科化学専攻
研究機関
  • 京都大学大学院理学研究科化学専攻
報告名称 光励起三重項電子スピンの利用による動的核偏極-NMR量子コンピュータの初期化を目指して
報告概要 電子スピン偏極を核スピンに移動させる動的核偏極(Dynamic Nuclear Polarization:DNP)によって,NMRの感度を飛躍的に増大させることができる。とりわけ,スピン偏極の源として光励起三重項状態の電子スピンを利用するのは以下の2点で有利である。(a)分子によっては光励起三重項状態の電子スピン偏極が熱平衡よりはるかに大きいものがあり,より大きな核スピン偏極を得ることが期待できる。(b)光励起三重項状態は有限の寿命で基底状態に戻るため,NMR信号は常磁性電子スピンの影響を受けない。われわれは,ペンタセンをドープしたナフタレンを試料に用いてペンタセンの光励起三重項状態を利用したDNPを行い,磁場0.319Tおよび温度100Kで約0.7のプロトンスピン偏極を達成した。これはおよそ22万倍のプロトンスピン偏極増大に相当する。また,光励起三重項状態を用いた動的核偏極は従来単結晶試料でしか行われていなかったが,われわれは粉末試料中でも核スピン偏極が増大できることを示した。NMR量子コンピューティングでは,信号強度はキュービット数の増加とともに指数関数的に減少し観測が困難になる。したがって,光励起三重項状態を用いたDNPによる核スピン偏極の飛躍的増大化に関するこの研究は,多キュービットのNMR量子コンピュータの実現へ向けて重要な役割を果たすと期待される。
研究分野
  • 原子核エネルギー準位
  • 原子と光子の相互作用
  • 磁気共鳴・磁気緩和一般
  • 電子スピン共鳴一般
  • 有機化合物のNMR
  • ディジタル計算機ハードウェア一般
関連発表論文 (1)K.Takeda,K.Takegoshi,T.Terao,Chemical Physics Letters 345(2001)166-170
研究制度
  • 戦略的基礎研究推進事業、研究領域「電子・光子等の機能制御」研究代表者 北川 勝浩(大阪大学大学院基礎工学研究科)/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 武田 和行,竹腰 清乃理,寺尾 武彦. Dynamic nuclear polarization by photo-excited electronic spins—towards the initialization of an NMR quantum computer—. 戦略的基礎研究推進事業「電子・光子等の機能制御」The First CREST Symposium on ''Function Evolution of Materials and Devices based on Electron/Photon Related Phenomena'',2000. p.103 - 103.

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