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記憶を活かすための神経細胞ネットワーク

研究報告コード R993100861
掲載日 2002年9月30日
研究者
  • 櫻井 芳雄
研究者所属機関
  • 京都大学大学院文学研究科
研究機関
  • 富山医科薬科大学心理学研究室
  • 京都大学霊長類研究所
報告名称 記憶を活かすための神経細胞ネットワーク
報告概要 神経細胞(ニューロン)がいくつもつながった機能的かつ動的な神経回路、つまりセル・アセンブリが記憶情報を表現(コード)しているのか否か、また表現しているとしたら情報の違いでその表現様式がどのように異なるのかについて、実験的に解明することを目指した。そのため、実際に様々な記憶課題を行っているラットから複数のニューロン活動を記録し解析した。その結果、視覚刺激、聴覚刺激、視聴覚複合刺激それぞれを用いた3種の記憶課題を比較した場合、それらのうち1つの課題にのみ関わるニューロン、2つの課題に関わるニューロン、3つ全てに関わるニューロンが、海馬体と側頭皮質共に20数%ずつ存在し(図1)、互いに重複したセル・アセンブリそれぞれが、記憶課題つまり記憶情報処理の種類をコードしている可能性を示唆した(図2)。そしてその可能性は、同時記録した2つのニューロン活動間の相関解析により裏付けられた(図3)。また、2種類の音と2種類の提示時間を組み合わせた刺激課題を用いた記憶課題を比較した際は、刺激情報を弁別する課題をコードするセル・アセンブリを内包している可能性を示唆した。これらの成果から、記憶情報をコードするセル・アセンブリの汎用的なモデルを作成した。
画像

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研究分野
  • 個生態学
  • 中枢神経系
  • 視覚
  • 聴覚
  • 脳・神経系モデル
関連発表論文 (1)Sakurai, Y. (1996) Hippocampal and neocortical cell assemblies encode memory procesess of different types of stimuli in the rat. Journal of Neuroscience, 16, 2809-2819.
(2)Sakurai, Y. (1996) Population coding by cell assemblies - what it really is in the brain. Neuroscience Research, 2, 1-16.
(3)Sakurai, Y. (1996) Hippocampus in multiple memory processing. In K. Ishikawa, J. L. McGaugh and H. Sakata (Eds.), Brain Processes and Memory, Elsevier, pp.331-337.
(4)Sakurai, Y. (1998) The search for cell assemblies in the working brain. Behavioural Brain Research, 91, 1-13.
(5)Sakurai, Y. (1998) Cell-assembly coding in several memory processes. Neurobiology of Learning and Memory, 70, 212-225.
(6)櫻井芳雄(1996)海馬の可塑性と記憶.医学のあゆみ,177,440-441.
(7)櫻井芳雄(1996)脳の記憶情報処理を担う動的神経回路.ヒューマンエレクトロニクスに関する調査報告書II,10-22.
(8)櫻井芳雄(1996)ニューロン集団の相関活動をみる.科学,66,784-792.
(9)櫻井芳雄(1997)記憶情報処理と海馬体ニューロン活動.臨床科学,33,1626-1635.
(10)櫻井芳雄(1997)記憶情報処理と動的ニューロン回路.物性研究,68,549-558.
(11)櫻井芳雄(1997)記憶情報処理とダイナミックな神経回路.電子情報通信学会技術研究報告,96,123-130.
(12)櫻井芳雄(1998)スパイク相関解析法.医学のあゆみ,184,607-612.
(13)櫻井芳雄(1998)心理学を生かした真の学際研究が進んでいた.心理学評論,41,118-120.
研究制度
  • さきがけ研究21、「知と構成」領域/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 櫻井 芳雄. 記憶を活かすための神経細胞ネットワーク. 「さきがけ研究21」研究報告会「知と構成」領域 講演要旨集(研究期間1995-1998),1998. p.49 - 54.

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