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父親、母親に由来するゲノムの機能的差異

研究報告コード R993100864
掲載日 2002年9月30日
研究者
  • 石野 史敏
研究者所属機関
  • 東京工業大学遺伝子実験施設
研究機関
  • 東京工業大学遺伝子実験施設
報告名称 父親、母親に由来するゲノムの機能的差異
報告概要 父親または母親ゲノムのみ由来遺伝子群(Peg)および(Meg)を分離し,ゲノムインプリンティング(IP)を解析した。マウス雌性単為発生胚(A)または雄性単為発生胚と正常受精胚間で遺伝子サブトラクションを行い,13個のIP遺伝子を分離した(図2)。IP遺伝子はすべてIP領域にあり(図1),遺伝学的実験と同じ結果を得,父親,母親ゲノム由来の機能的差異はPeg,Megによることを実証した。次にPeg,Megの発現調節機構を検討した。未成熟卵子および成熟卵子による特殊単為発生胚は(A)よりも後段階まで発生し,未成熟卵子由来核からの遺伝子発現は精子によく似てPegの大部分が発現し,Megは発現しなかった(表1)。遺伝子発現部位については,IP遺伝子の全部が胎盤で発現していたことから,IP遺伝子は胎盤で発現するように制御された遺伝子群であるとした。また,IP遺伝子と母性行動,ヒト遺伝病との関連に言及した。
画像

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研究分野
  • 遺伝学一般
  • 遺伝子発現
  • 遺伝子操作
  • 生殖器官
  • 発生と分化
関連発表論文 (1)Kobayashi, S., Kohda, T., Miyoshi, N., Kuroiwa, Y., Aisaka, K., Tsutsumi, O., Kaneko-Ishino, T., and Ishino, F., Human PEG1/MEST, an imprinted gene on chromosome 7. Hum. Mol. Genet., 6 (5), 781-786 (1997)
(2)Kagitani, F., Kuroiwa, Y., Wakana, S., Shiroishi, T., Kobayashi, S., Kohda, T., Kaneko-Ishino, T., and Ishino, F., Peg5/Neuronatin is an imprinted gene located on sub-distal chromosome 2 in the mouse. Nucl. Acids Res., 25(17), 3428-3432 (1997)
(3)Kaneko-Ishino, T., Kuroiwa, Y., Kohda, T., Surani, A., and Ishino, F., Systematic approaches for the identification of imprinted genes. In Frontiers in Molecular Biology: Genomic Imprinting (eds. W. Reik and M.A. Surani) IRL press, Oxford, pp.146-164 (1997)
(4)石野(金児)知子、石野 史敏、インプリントされた遺伝子 特集 性分化に関連する遺伝子の最近の話題、ホルモンと臨床45(1)、93-99(1997)
(5)Miyoshi, N., Kuroiwa, Y., Kohda, T., Shitara, H., Yonekawa, H., Kawabe, T., Hasegawa, H., Barton, S.C., Surani, M.A., Kaneko-Ishino, T., and Ishino, F., Identification of the Meg1/Grb10 imprinted gene on mouse proximal chromosome 11, a candidate for the Silver-Russell syndrome gene. Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 95(3), 1102-1107 (1998)
(6)Obata, Y., Kaneko-Ishino, T., Koide, T., Takai, Y., Ueda, T., Domeki, I., Shiroishi, T., Ishino, F., and Kono, T., Disruption of primary imprinting during oocyte growth leads to the modified expression of imprinted genes during embryogenesis. Development, 125(8), 1553-1560 (1998)
(7)金児-石野 知子、石野 史敏、インプリンティング遺伝子の分離法 特集ゲノム・インプリンティングと疾患、Molecular Medicine 35(7)、866-878(1998)
(8)石野(金児)知子、石野 史敏、極微量の生物材料からのcDNAライブラリー作製とサブトラクション法、生物物理38(4)、170-173(1998)
研究制度
  • さきがけ研究21、「遺伝と変化」領域/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 石野 史敏. 父親、母親に由来するゲノムの機能的差異. 「さきがけ研究21」研究報告会「遺伝と変化」領域 講演要旨集(研究期間1995-1998),1998. p.13 - 24.

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