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免疫系の多様性を産み出す分子基盤

研究報告コード R993100867
掲載日 2007年5月11日
研究者
  • 後飯塚 僚
研究者所属機関
  • 東京理科大学生命科学研究所
研究機関
  • 東京理科大学生命科学研究所
報告名称 免疫系の多様性を産み出す分子基盤
報告概要 ニワトリファブリシウス嚢B細胞に特異的に発現する新規シグナル分子であるBASHをサブトラクション法を持ち置いて単離した。BASHはT細胞に発現しているアダプター分子であるSLP-76と最も高い相同性を示し、B細胞抗原レセプター(BCR)刺激によりチロシンリン酸化され、BCRからのシグナル伝達に関与するアダプター分子であることが示唆された。BASH欠損マウスを作製し、リンパ球系細胞の分化・活性化におけるBASHの役割について解析した結果、B細胞の分化およびBCR刺激による活性化に著しい障害が認められBASHは、preBCR/BCRからのシグナル伝達に必須のアダプター分子であることが明らかになった。さらに、高親和性のIgEレセプターを発現するマスト細胞に、BASHと構造的に類似した新規のシグナル分子であるMISTが発現していることが判明した(図1)。MISTはマスト細胞のIgEレセプターの下流に位置するシグナル分子であり、マスト細胞の脱顆粒反応に関与することが明らかになった(図2)。 以上の研究結果から、免疫系を構成する細胞はこれらBASHやMISTという免疫レセプターに特異的なシグナル伝達分子を介してレセプターからの情報をそれぞれの細胞機能へと変換しており、これらの免疫レセプター特異的シグナル伝達分子群が免疫系細胞の多様な機能発現に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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研究分野
  • 遺伝子の構造と化学
  • 遺伝子発現
  • 生体防御と免疫系一般
  • 細胞生理一般
  • 動物の生化学
関連発表論文 (1)B cells in the bursa of Fabricius express a novel C-type lectine gene.J. Immunol., 159, 3126-3132 (1997)
(2)BASH, a novel signaling molecule preferentially expressed in B cells of the bursa of Fabricius. J. Immunol., 161, 5804-5808 (1998)
(3)The B cell-restricted adaptor BASH is required for normal development and antigen receptor-mediated activation of B cells. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97, 2755-2760 (2000)
(4)A BASH/SLP-76-related adaptor protein MIST/Clnk involved in IgE receptor-mediated mast cell degranulation, Int. Immunol., 12, 573-580 (2000)
研究制度
  • さきがけ研究21、「遺伝と変化」領域/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 後飯塚 僚. 免疫系の多様性を産み出す分子基盤. 「さきがけ研究21」研究報告会「遺伝と変化」領域 講演要旨集(研究期間1995-1998),1998. p.47 - 53.

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