TOP > 研究報告検索 > 筋ジストロフィーを起こす分子メカニズム

筋ジストロフィーを起こす分子メカニズム

研究報告コード R993100880
掲載日 2007年5月11日
研究者
  • 野口 悟
研究者所属機関
  • 科学技術振興事業団 さきがけ研究21
研究機関
  • 科学技術振興事業団 さきがけ研究21
報告名称 筋ジストロフィーを起こす分子メカニズム
報告概要 サルコグリカン(SG)複合体は、全ての成分が常染色体劣性型筋ジストロフィーの責任蛋白質である。この筋ジストロフィーは骨格筋に壊死がみられる進行性の疾患である。1つの成分の遺伝子異常により患者筋から全ての成分が消失する。しかしなぜこのような複合体すべての消失が起こるのかは分かっていない。本研究では遺伝子ターゲッティング法を用いてSG遺伝子が欠失したマウスを作成すると共に、培養細胞を用いた筋分化におけるSG複合体の発現制御と生合成過程を解析した。その結果、SG欠損マウスは進行性の筋ジストロフィー症状を呈した。骨格筋に仮性肥大がみられ、広範な壊死・再生像が観察された。SG蛋白質は筋分化に伴い発現がみられた。その発現には2成分の転写の活性化を必要とした。SG複合体は小胞体内で決まった順序で形成され、さらに膜までの途中で大きな複合体を形成した。これらの結果は患者筋における複合体の消失メカニズムを説明しうると共に、上記マウスは筋ジストロフィーのモデルマウスとして発症機序の解析、治療法への応用に有用であると思われる。
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

R993100880_01SUM.gif R993100880_02SUM.gif R993100880_03SUM.gif
研究分野
  • 生物学的機能
  • 遺伝子操作
  • 筋肉
  • 運動器系の疾患
関連発表論文 (1)Yoshida, M., Noguchi, S., Wakabayashi, E., Piluso, G., Belsito, A., Nigro, V., and Ozawa, E. The fourth component of the sarcoglycan complex. FEBS Lett., 403, 143-148.(1997)
(2)Noguchi, S., Wakabayashi, E., Imamura, M., Yoshida, M., and Ozawa, E. Developmental expression of sarcoglycan gene products in cultured myocytes. Biochem. Biophys. Res. Commun., 262, 88-93.(1999)
(3)Araishi, K., Sasaoka, T., Imamura, M., Noguchi, S., Hama, H., Wakabayashi, E., Yoshida, M., Hori, T., and Ozawa, E. Loss of the sarcoglycan complex and sarcospan leads to muscular dystrophy in b-sarcoglycan-deficient mice. Hum. Mol. Genet., 8, 1589-1598.(1999)
(4)Ozawa, E., Noguchi, S., Mizuno, Y., Hagiwara, Y., and Yoshida, M. From dystrophinopathy to sarcoglycanopathy: Evolution of a concept of muscular dystrophy. Muscle & Nerve, 21, 421-438(1998).
研究制度
  • さきがけ研究21、「遺伝と変化」領域/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 野口 悟. 筋ジストロフィーを起こす分子メカニズム. 「さきがけ研究21」研究報告会「遺伝と変化」領域 講演要旨集(研究期間1996-1999),2000. p.77 - 86.

PAGE TOP