TOP > 研究報告検索 > 昆虫の微小な脳にひそむ知を探る

昆虫の微小な脳にひそむ知を探る

研究報告コード R993100970
掲載日 2002年9月30日
研究者
  • 神崎 亮平
研究者所属機関
  • 筑波大学生物科学系
研究機関
  • 筑波大学生物科学系
報告名称 昆虫の微小な脳にひそむ知を探る
報告概要 カイコガ雄の雌フェロモン源探索行動を解析し,一過性刺激ごとに起動される歩行パターンから構成されることを明らかにした(図1)。無風状態で片側触角に0.1秒のフェロモン刺激(A)を一回与えると刺激方向に直進し,ジグザグに数回方向転換し,続いて回転歩行に移行した。両側同時刺激では,体軸方向に同様歩行を示した。視覚遮断個体,頚固定個体でも同結果を得た。連続刺激あるいは高頻度刺激ではほぼ直線的にフェロモン源に向かい,低頻度ではジグザグ歩行や回転歩行を示した。これはAごとのプログラムリセット機構で説明できる。下行性介在神経ニューロンは高頻度発射(I)状態で刺激を受けると低頻度発射(II)に,IIで刺激を受けるとIに転換するフリップフロップ応答(B)を示した(図2)。ターン同期頚同側回転行動で,頚運動神経は同側Bと同期発火し,対側は相反的で,Bがジグザグ歩行,回転歩行を指令すると示唆した。頚運動神経はA後一過性の興奮,続いてBを示し,組織額的検討から2種の下行性神経による支配がわかった。従ってフェロモン源探索行動も同様に制御されていると考えた。
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

R993100970_01SUM.gif R993100970_02SUM.gif
研究分野
  • 無脊椎動物ホルモン
  • 個生態学
  • 動物に対する影響
  • 神経系一般
  • 感覚
関連発表論文 (1)Kanzaki R (1998) Coordination of wing motion and walking suggests common control of zigzag motor program in a male silkworm moth. J Comp Physiol A 182: 267-276
(2)Mishima T and Kanzaki R (1998) Coordination of flipflopping neural signals and head turning during pheromone-mediated walking in a male silkworm moth Bombyx mori. J Comp Physiol A 183: 273-282
(3)Kanzaki R, Mishima T, Takasaki T, Nagasawa S, and Shimoyama I (1998) Motor control by sex pheromone in Bombyx mori. Biochemist 20(4): 34-36
(4)Ai H, Okada K. Hill ES, and Kanzaki R (1998) Spatio-temporal activities in the antennal lobe analyzed by an optical recording method in the male silkworm moth Bombyx mori. Neurosci Lett 258: 135-138
(5)Mishima T and Kanzaki R (1999) Physiology and morphology of olfactory descending interneurons of the male silkworm moth, Bombyx mori. J Comp Physiol A 184: 143-160
(6)藍浩之、岡田公太郎、神崎亮平(1998)光学的計測法による昆虫の中大脳における匂い情報処理の時空間的解析。日本味と匂学会誌5(3):549-552
(7)神崎亮平・藍浩之・岡田公太郎・熊谷恒子(1999)昆虫の脳における匂い情報処理と行動発現。日本味と匂学会誌6(2):121-137
研究制度
  • さきがけ研究21、「知と構成」領域/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 神崎 亮平. 昆虫の微小な脳にひそむ知を探る. 「さきがけ研究21」研究報告会「知と構成」領域 講演要旨集(研究期間1996-1999),1999. p.19 - 24.

PAGE TOP