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脳内での細胞間の協調による高次脳機能発現 ミクログリアによる記憶・学習の制御

研究報告コード R993100972
掲載日 2007年5月11日
研究者
  • 澤田 誠
研究者所属機関
  • 藤田保健衛生大学総合医科学研究所
研究機関
  • 藤田保健衛生大学総合医科学研究所
報告名称 脳内での細胞間の協調による高次脳機能発現 ミクログリアによる記憶・学習の制御
報告概要 LTP形成におけるミクログリア(A)の役割検討を目的に,ラット新生児視覚野切片を微小多電極を埋設したコラーゲンゲル上で培養し,多点同時記録により検討した(図1)。切片は3週間程度培養でき,ほぼ正常な層構造を保持し,神経細胞の大きさも正常であった。培養2週間目に蛍光標識Aを添加すると,Aは速やかに切片内部に侵入し,内在性Aの特徴的形態である分岐を示した(図2)。侵入したAの形態は,Aが周囲の細胞と相互作用を持つことを示唆した。5日目では電極近傍の短潜時反応だけであったが10日以後はより広範囲,より長潜時の応答を観測した。ここでテタヌス刺激を加えると180-200%程度のLTPを観測し,十分成熟後にAを添加するとテタヌス刺激なしに400-500%のLTPが約15時間継続した(図3)。この現象はA特有でAの機能高進が神経可塑性発現に役割を持つ可能性を示した。ラット及びマウスの株化Aは増殖因子非存在時には分岐形態をとり,生体移植でも癌化の危険はないと考えた。株化Aを末梢血管に注入すると脳特異的に侵入し,標的送達に応用可能と考え,マウスについて実験中である。
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研究分野
  • 生物物理的研究法
  • 細胞・組織培養法
  • 細胞生理一般
  • 中枢神経系
  • 生物薬剤学(基礎)
関連発表論文 (1)Sawada, M., Suzumura, A., Hosoya, H., Marunouchi, T., Nagatsu, T.: IL-10 inhibits both production of cytokines and expression of cytokine receptors in microglia. J. Neurochem., 72: 1466-1471, 1999.
(2)Ono, K, Takii, T, Onozaki, K, Ikawa, M, Okabe, M, Sawada, M: Migration of Exogenous Immature Hematopoietic Cells into Adult Mouse Brain Parenchyma under GFP-Expressing Bone Marrow Chimera. Biochem Biophys Res Commun, 262: 610-614, 1999.
(3)Imai, F., Sawada, M., Suzuki, H., et al.: Exogenous microglia enter the brain and migrate into ischaemic hippocampal lesions. Neurosci. Lett., 272: 127-130, 1999.
(4)Inoue, H., Sawada, M., Ryo, A., Tanahashi, H., Wakatsuki, T., Hada, A., Kondoh, N., Nakagaki, K., Takahashi, K., Suzumura, A., Yamamoto, M., Tabira, T.: Serial analysis of gene expression in a microglial cell line. Glia, in press, 1999.
(5)Sawada, M., Imai, F., Suzuki, H., Hayakawa, M., Kanno, T., Nagatsu, T.: Brain-specific gene expression by immortalized microglial cell-mediated gene transfer in the mammalian brain. FEBS Lett., 433: 37-40, 1998.
(6)Imai, F., Sawada, M., Suzuki, H., Kiya, N., Hayakawa, M., Nagatsu, T., Marunouchi, T., Kanno, T.: Migration activity of microglia and macrophages into rat brain. Neurosci. Lett., 237: 49-52, 1997.
(7)澤田誠:ミクログリアの新規な性質と脳での役割 —ミクログリアは脳で何をしているか—.細胞工学,18 550-558,1999.
(8)澤田誠:ミクログリア細胞とアポトーシス、日本薬理学雑誌、112:15-19,1998.
研究制度
  • さきがけ研究21、「知と構成」領域/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 澤田 誠. 脳内での細胞間の協調による高次脳機能発現 ミクログリアによる記憶・学習の制御. 「さきがけ研究21」研究報告会「知と構成」領域 講演要旨集(研究期間1996-1999),1999. p.33 - 37.

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