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細胞死から見る線虫の発生メカニズム

研究報告コード R013000018
掲載日 2003年10月1日
研究者
  • 杉本 亜砂子
研究者所属機関
  • 東京大学大学院理学系研究科生物化学
研究機関
  • 東京大学大学院理学系研究科生物化学
報告名称 細胞死から見る線虫の発生メカニズム
報告概要 線虫Caenorhabditis elegansの胚発生過程においてプログラム細胞死に異常を示す突然変異体を複製分離・解析し,そのうち2つについて原因遺伝子を同定した。tDf6染色体欠失変異体では異常に大きな死細胞が生じる。この表現型はRhoファミリーに対するGTPase activating protein(GAP)であるCYK-4の機能欠損によるもので,巨大な細胞死は細胞質分裂不全によって生じた多核細胞に由来することを明らかにした(図1)。また,細胞死の起こるタイミングが遅れ(図2),形態形成にも異常を示すcdl-1変異体の原因遺伝子は,ヒストンmRNA の3' 非翻訳領域に特異的に結合するStem-loop binding protein(SLBP)をコードする遺伝子の相同遺伝子であることを見いだした。cdl-1遺伝子産物はヒストン発現制御を介して染色体の高次構造に影響を与えることから,cdl-1変異体における細胞死の遅れは染色体凝縮の異常に依存している可能性が示唆された(図3)。
画像

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研究分野
  • 生体の顕微鏡観察法
  • 遺伝子の構造と化学
  • 遺伝子発現
  • 細胞生理一般
  • 細胞分裂・増殖
関連発表論文 (1)Ohmachi, M., Sugimoto, A., Iino, Y., and Yamamoto, M. (1999). kel-1, a novel Kelch-related gene in Caenorhabditis elegans, is expressed in pharyngeal gland cells and is required for the feeding process. Genes Cells 4, 325-337.
(2)Karashima, T., Sugimoto, A., and Yamamoto, M. (2000). Caenorhabditis elegans homologue of the human azoospermia factor DAZ is required for oogenesis but not for spermatogenesis. Development 127, 1069-1079.
(3)Sugimoto, A., Kusano, A., Hozak, R. R., Derry, W. B., Zhu, J., and Rothman, J.H. (2001). Many genomic regions are required for normal embryonic progtammed cell death in Caenorhabditis elegans. Genetics 158, 237-252.
(4)Kodama, Y., Rothman, J. H., Sugimoto, A., and Yamamoto, M.(2002). The stemloop binding protein CDL-1 is required for chromosome condensation, progression of cell death and morphogenesis in Caenorhabditis elegans. Development 129,187-196.
研究制度
  • さきがけ研究21、「素過程と連携」領域/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 杉本 亜砂子. 細胞死から見る線虫の発生メカニズム. 「さきがけ研究21」「素過程と連携」領域 講演要旨集(研究期間1997-2000),2000. p.39 - 49.

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