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固液界面の原子レベル反応制御 金属電極のアノード溶解過程

研究報告コード R990003940
掲載日 2001年2月6日
研究者
  • 安藤 聡
  • 鈴木 威
  • 大柿 克彦
  • 手島 卓也
  • M.P. Soriaga
  • 指方 研二
研究者所属機関
  • 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業
  • 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業
  • 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業
  • 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業
  • 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業
  • 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業
研究機関
  • 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業
報告名称 固液界面の原子レベル反応制御 金属電極のアノード溶解過程
報告概要 ニッケル,パラジウム,銀,コバルト,銅などの金属の陽極溶解反応を,原子レベルでその場観察し,吸着種を保持させた(100)面の非等方エッチングなどの興味深い現象を見いだした。使用した金属はすべて単結晶を用い,特定の方位を機械研磨して露出させた。ニッケル,銅については,電解研磨も行った。金属表面によう素,硫黄などを強吸着させる場合には,それぞれよう素,硫黄を含む溶液中に浸漬,あるいはH2Sガスを用いた気相吸着により処理した。図1にNi(100)電極及びそれを硫黄修飾した電極のNa2SO4溶液中でのサイクリックボルタングラムを示す。硫黄修飾により電極の溶解が促進されることがわかる。同様の現象はよう素修飾したPdにおいても観察される。ハロゲンを含まない硫酸水溶液中ではほとんど陽極溶解しないPdが,吸着よう素の存在により溶解が大きく促進されるとが分かった。陽極溶解過程での現象は,その逆の反応である電析過程にも共通点が多い。今後本研究の成果が,電析反応における原子レベルの構造制御に発展にもつながるものと期待する。
ニッケル,パラジウム,銀,コバルト,銅の単結晶金属の陽極溶解反応を,STMを用いて原子レベルでその場観察した。その結果以下に示すような原子レベルでの非常に興味深い現象が明らかとなった。
1)(100)面上で硫黄,よう素などの特異吸着アニオンがc(2x2)の規則構造を有した状態で存在する(図2,図3)。
2)溶解過程においても,これら規則構造が保持され,常に吸着種が表面を覆い続ける。
3) 緩やかな溶解条件下ではテラス上にピットなどが生じず,ステップエッジより溶解が進行する。
4)溶解過程で観察されるステップ方向は吸着種の原子列に平行であり,下地の最密原子列をは異なる。
5)直行する2方向のステップにおいて溶解が非等方に進行する。
これらのうち5)の現象は,fcc金属と,その(100)面上にc(2x2)規則構造を有する吸着種の組み合わせの系で同様に観察されていることから吸着原子と下地金属の構造的な特徴がこの現象に生じる主たる因子であると考え,原子配列の非等方性からの考察を行った。本研究で得られた知見は,陽極溶解の様な電気化学反応を用いることにより,原子レベルで金属の構造を制御することが可能であることを示すものである。
画像

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研究分野
  • 電気化学反応
  • 固-液界面
  • 金属組織観察法
関連発表論文 (1)T. Suzuki, T. Yamada, K. Itaya, J. Phys. Chem., 100 (1996) 8954
(2)S. Ando, T. Suzuki, K. Itaya, J. Electroanal. Chem., 412 (1996) 139
(3)M.P. Soriaga, J.A. Schimpf, A. Carrasquillo, Jr., J.B. Abreu, W. Temesghen, R.J. Barriga, J.-J. Jeng, K. Sashikata, K. Itaya, Surf. Sci., 335 (1995) 273
(4)K. Sashikata, Y. Matsui, K. Itaya. J. Phys. Chem., 100 (1996) 20027
(5)T. Teshima, K. Ogaki, K. Itaya, J. Phys. Chem., (in press)
研究制度
  • 創造科学技術推進事業、板谷固液界面プロジェクト/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 安藤 聡,鈴木 威,大柿 克彦,手島 卓也,M.P. Soriaga,指方 研二. 固液界面の原子レベル反応制御 金属電極のアノード溶解過程. 創造科学技術推進事業 板谷固液界面プロジェクト 最終シンポジウム要旨集(研究期間:1992-1997),1997. p.21 - 22.

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