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ダイオキシンの生体毒性発現におけるアリルハイドロカーボン受容体の役割

研究報告コード R013000252
掲載日 2003年10月1日
研究者
  • 藤井 義明
研究者所属機関
  • 東北大学大学院生命科学研究科
研究機関
  • 東北大学大学院生命科学研究科
報告名称 ダイオキシンの生体毒性発現におけるアリルハイドロカーボン受容体の役割
報告概要 ダイオキシンなどの多環性芳香族化合物は,細胞内因子アリルハイドロカーボン受容体(AhR)によって仲介され多岐にわたる生物現象を引き起こす。我々は薬物代謝酵素の誘導機構の研究から,誘導的発現に必要なDNAエレメントに結合する因子にAhRが含まれていることを証明した。さらにcDNAクローニングを行い,AhRの一次構造を決定した。TCDDなどに対して薬物代謝酵素の誘導性や発癌感受性の異なるマウス系統各々のAhRのcDNAを解析した結果,感受性の差はアミノ酸置換によるTCDDに対するAhRの結合性の違いによることが明らかになった。さらに,AhR遺伝子欠損マウスを作製してその機能の解析を行った結果,AhRはTCDDなどによる生物作用の発現に関与していること,肝臓の異常や雌マウスの不妊などが観察され正常な組織の発達にも関与していることが示された。今後AhR抑制因子の発現メカニズムや抑制メカニズムを詳細に検討することはAhRの本来の機能を考える上で重要であると考えられる。
研究分野
  • 細胞膜の受容体
  • 内分泌系の生理と解剖学
  • 生殖生理一般
  • 汚染原因物質
関連発表論文 (1)Baba, T., Mimura, J., Gradin K., Kuroiwa, A., Watanabe, T., Matsuda, Y., Inazawa, J., Sogawa, K. & Fujii-Kuriyama, Y. Structure and expression of the Ah receptor repressor gene. J. Biol. Chem. In press (2001)
(2)Shimizu, Y., Nakatsuru, Y., Ichinose, M., Takahashi, Y., Kume, H., Mimura, J., Fujii-Kuriyama, Y. & Ishikawa, T. Benzo[a] pyrene carcinogenicity is lost in mice lacking the aryl hydrocarbon receptor. Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 97, 779-782 (2000)
(3)Mimura, J., Ema, M., Sogawa, K. & Fujii-Kuriyama, Y. Identification of a novel mechanism of regulation of Ah (dioxin) receptor function. Genes Dev., 13, 20-25 (1999)
(4)Mimura, J., Yamashita, K., Nakamura, K., Morita, M., Takagi, T.N., Nakano, K., Ema, M., Sogawa, K., Yasuda, M., Katsuki, M. & Fujii-Kuriyama, Y. Loss of teratogenic response to 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD) in mice lacking the Ah (dioxin) receptor. Genes to Cells, 2, 645-654 (1997)
(5)Ema, M., Ohe, N., Suzuki, M., Mimura, J., Sogawa, K., Ikawa, S. & Fujii-Kuriyama, Y. Dioxin binding activities of polymorphic forms of mouse and human arylhydrocarbon receptors. J. Biol. Chem., 269, 27337-27343 (1994)
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 CRESTタイプ、内分泌かく乱物質/研究代表者 藤井 義明(東北大学大学院生命科学研究科)/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 藤井 義明. ダイオキシンの生体毒性発現におけるアリルハイドロカーボン受容体(ダイオキシン受容体)の役割. 戦略的基礎研究推進事業 内分泌かく乱物質 第1回領域シンポジウム 講演要旨集 ,2001. p.67 - 70.

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