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炭素ラジカル生成触媒の開発と合成反応への応用

研究報告コード R013000459
掲載日 2003年10月1日
研究者
  • 石井 康敬
研究者所属機関
  • 関西大学工学部応用化学科
研究機関
  • 関西大学工学部応用化学科
報告名称 炭素ラジカル生成触媒の開発と合成反応への応用
報告概要 N-ヒドロシキフタルイミド(NHPI)を用いることによって,アルキルラジカルの触媒的な生成に初めて成功した。この方法は,アルコール,アセタール,アルデヒドなどの含酸素化合物の炭素-水素結合からも水素原子を引き抜いて相当する炭素ラジカルを与えるし,ヒドロシランからはシリルラジカルを生成する。NHPIは炭化水素やアルコールなどの炭素-水素をホモリティックに切断して炭素ラジカルを生成させる「炭素ラジカル生成触媒」と言える。NHPIのような働きをもつ化合物はこれまで知られていなかった。炭素ラジカルはいろいろな分子と容易に反応するので,酸素雰囲気のもとでは酸素と付加してヒドロペルオキシドを生成し,アルコール,ケトン,カルボン酸などの含酸素化合物に変換される(図1,2)。またラジカル的な性質を持つCO,NO,NO2,SO2などの分子とも容易に反応し,カルボン酸,ニトロ化合物,スルホン酸などがアルカンから穏和な条件で触媒的に誘導することが可能となり,化学工業に大きなインパクトを与える革新的な反応となった。
画像

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研究分野
  • 光化学反応,ラジカル反応
  • アルカン
  • 脂肪族カルボン酸・ペルオキシカルボン酸・チオカルボン酸
  • 芳香族単環カルボン酸の窒素誘導体
関連発表論文 (1)総説:(a)Y.Ishii,S.Sakaguchi,and T.Iwahama,Adv.Synth.Catal.343,393(2001).(b)石井康敬,有合化,59,1(2000).(c)石井康敬,坂口聡,岩浜隆裕,有合化,57,24(1999).
(2)T. Iwahama, K. Shoujo, S. Sakaguchi, and Y. Ishii, Org. Proc. Res. Dev., 2, 255 (1998).
(3)N. Sawatari, T. Yokota, S. Sakaguchi, and Y. Ishii, J. Org. Chem., 66, in press (2001).
(4)Y. Tashiro, T. Iwahama, S. Sakaguchi, and Y. Ishii, Adv. Synth. Catal. 343, 220 (2001).
(5)T. Iwahama, S. Sakaguchi, and Y. Ishii, Org. Proc. Dev., 4, 94 (2000).
(6)O. Fukuda, T. Iwahama, S. Sakaguchi, and Y. Ishii, Tetrahedron Lett., 42, 3479 (2001).
(7)S. Sakaguchi, Y. Nishiwaki, T. Kitamura, and Y. Ishii, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 40, 222 (2001).
(8)S. Isozaki, Y. Nishiwaki, S. Sakaguchi, and Y. Ishii, Chem. Commun., 2001, 1352.
(9)Y. Ishii, K. Matsunaka, and S. Sakaguchi, J. Am. Chem. Soc., 122, 7390 (2000).
(10)S. Sakaguchi, M. Eikawa, and Y. Ishii, Tetrahedron Lett., 38, 7075 (1997).
(11)T. Hara, T. Iwahama, S. Sakaguchi, and Y. Ishii, J. Org. Chem., 66, in press (2001).
(12)K. Hirao, T. Iwahama, S. Sakaguchi, and Y. Ishii, Chem. Commun., 2000, 2457.
(13)T. Iwahama, S. Sakaguchi, and Y. Ishii, Chem. Commun., 2000, 613.
研究制度
  • 戦略的基礎研究推進事業、単一分子・原子レベルの反応制御/研究代表者 石井 康敬(関西大学工学部応用化学科)/科学技術振興事業団
研究報告資料
  • 石井 康敬. 炭素ラジカル生成触媒の開発と合成反応への応用. 戦略的基礎研究推進事業 単一分子・原子レベルの反応制御 テーマ別シンポジウム(I)—錯体から『触媒』へ—講演要旨集,2001. p.41 - 44.

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