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ナノ構造変形における量子化された材料力学の実験

研究報告コード R030000199
掲載日 2005年2月22日
研究者
  • 木塚 徳志
研究者所属機関
  • 名古屋大学難処理人工物研究センター
研究機関
  • 名古屋大学
報告名称 ナノ構造変形における量子化された材料力学の実験
報告概要 かつて病気は目に見えない悪魔が乗り移って罹ると信じられていた。顕微鏡によって、細菌やウィルスが発見されなければ、近代医学が芽生えることはなかった。現在の最先端ナノデバイス研究でも事情は同じである。原子を操ってナノデバイスを作ろうという時代に、その過程を観察しなければ、不良品の原因は不明のまま悪魔のせいになってしまう。どこのナノデバイス研究室にも潜むこうした悪魔の正体を見極めるために、顕微鏡をヴァージョンアップした「アトムラボラトリー」を開発することが本研究のねらいであった。構造のダイナミックスを原子レベルで直視して生中継し、更に構造を操って、出来あがった構造の物性をその場で評価できる原子世界の実験室が実現した。新しく開発された手法は、実際に応用されて、その真価が分かる。本研究では、手法開発と共に、題目のナノメートルサイズの固体表面が接触してできる点接触境界(固体ポイントコンタクト)の応用研究も並行して進めた。点接触境界は、量子効果が現れる1 次元バリスティック系であると予想され、電子輸送現象の基礎を解明するために、また電子デバイスやナノ構造材料要素への応用を図るために研究が進められてきた。半導体界面に形成される2 次元電子ガスの量子ポイントコンタクトとは異なり、点接触境界は、固体の針の接触と変形によって作製され、その伝導領域は3 次元的である。従って、形状だけでなく原子配列も伝導に関わる因子となる。この形状と原子配列は、点接触境界に印加するときの応力値に応じて刻々と変化し、その構造ダイナミックスは、従来用いられてきた走査プローブ顕微鏡法や機械的制御破壊法では解析することが出来ない。このように、力学的作用によって、構造と電気伝導が変化する点接触境界は、原子配列、応力、および電気伝導のミリ秒ダイナミックスを同時に観察する本手法アトムラボラトリーを適用するには、正に好適な題材である。
画像

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研究分野
  • 電子顕微鏡,イオン顕微鏡
  • 金属-絶縁体転移
  • 金属材料一般
関連発表論文 (1) T. Kizuka, Phys. Rev. Lett. 81, 4448 (1998).
(2) T. Kizuka, Phys. Rev. B57, 11158 (1998).
(3) T. Kizuka, Phys. Rev. B59, 4646 (1999).
(4) T. Kizuka and K. Hosoki, Appl. Phys. Lett. 75, 2743 (1999).
(5) T. Kizuka and T. Yanaka, Jpn. J. Appl. Phys. 38, 1595 (1999).
(6) T. Kizuka, Phys. Rev. B63, 033309 (2001).
(7) T. Kizuka, H. Ohmi, T. Sumi, K. Kumazawa, S. Deguchi, M. Naruse, S. Fujisawa, S. Sasaki, A. Yabe and Y. Enomoto, Jpn. J. Appl. Phys. 40, L170 (2001).
(8) T. Kizuka, S. Umehara and S. Fujisawa, Jpn. J. Appl. Phys. 40, L71 (2001).
(9) 木塚徳志,電子顕微鏡 33巻2号 (1998) p.87.
(10) 木塚徳志,日本結晶学会誌 41巻 (1999) p.188.
(11) 木塚徳志,固体物理 6巻 (2000) p.383.
(12) 木塚徳志,日本溶接学会誌 69巻 (2000) p.58.
研究制度
  • さきがけ研究21 「状態と変革」領域
研究報告資料
  • 木塚 徳志. ナノ構造変形における量子化された材料力学の実験. 「さきがけ研究21」研究報告会 「状態と変革」領域 第2期研究者 講演要旨集(研究期間:1998-2001),2001. p.22 - 23.

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