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脳のセグメント構造に見られるパラレルプロセッシング

研究報告コード R030000251
掲載日 2005年2月22日
研究者
  • 小田 洋一
研究者所属機関
  • 科学技術振興事業団 さきがけ研究21
研究機関
  • 科学技術振興事業団
報告名称 脳のセグメント構造に見られるパラレルプロセッシング
報告概要 生物が進化の過程で脳(集中神経系)を獲得したときから,脳は分節(セグメント)構造をなしている.最も原始的なホヤ幼生の単体節神経系からナメクジウオの多体節神経系になったときに起こった基本構造の重複と変異こそが,脳の進化の出発点であり,このプロセスは哺乳動物まで保存される.脳が分節構造をとったことが,脳の機能原理にも重要な方向を与えたのではないだろうか?硬骨魚の後脳にある網様体脊髄路(RS)ニューロン群は明確な分節構造を保ち,ゼブラフィッシュやキンギョでは約30種のRSニューロンが総数約200個存在する.さらに,形態学的によく似た相同RSニューロンが隣接する分節に繰り返されるという,興味深い配列を示す.最大の大きさをもつマウスナー(M)細胞が魚の逃避運動をトリガーすることが古くから知られていた.本研究では,M細胞と相同RSニューロンが互いにどのような電気生理学的特性を持つか,どのような入力投射を受けるか,相互にどのような結合をつくっているか,つくられた後脳RSニューロン回路は魚の逃避運動の制御にどのような役割を果たすかを調べて,脳の分節構造が脳の機能獲得に果たす役割を理解しようとした.
画像

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研究分野
  • 細胞生理一般
  • 動物生理一般
  • 中枢神経系
  • 神経の基礎医学
関連発表論文 (1) Effects of enflurane on the long-term potentiation in the hippocampus. Komatsu H., Murayama Y., Iwaki T., Tsukamoto I., Ogli K. and Oda Y. Prog. Anesth. Mech., 6 : 515-518, 2000
(2) In vivo imaging of functional inhibitory networks on the Mauthner cell of larval zebra-fish. Takahashi M., Narushima M. and Oda Y. J. Neurosci. 22 : 3929-3939, 2002
(3) Functional organization of segmentally homologous reticulospinal neurons in goldfish hindbrain. Nakayama, H. and Oda, Y. (submitted)
(4) LTP. Oda, Y. Clinical Neuroscience, 17 (7) : 107, 1999
(5) LTP解析法(シリーズ:論文理解のためのニューロサイエンス研究法) 小田洋一 脳の科学,21(7):743-749, 1999
(6) 日本の脳研究者たち「塚原仲晃」 小田洋一 Brain Medical,11:102-105, 1999
(7) 学習を担うシナプス伝達の長期増強 小田洋一 「蛋白質 核酸 酵素」増刊号「神経回路形成と機能発達」 464-473, 2000
(8) 記憶のメカニズム 小田洋一 脳21,3(2):258-264, 2000
(9) 脳の可塑性のメカニズム 小田洋一 認知科学の新展開(乾敏郎・安西祐一郎編)第1巻「認知発達と進化」 pp.144-163,岩波書店, 2001
(10) 学習・記憶を担うシナプス長期増強 小田洋一 生物物理 41:80-85, 2001
(11) 逃避運動の制御と可塑性のメカニズム 小田洋一,中山寿子 「魚のニューロサイエンス」(植松一眞・岡良隆・伊藤博信編) pp.22-37,恒星社厚生閣, 2002
(12) 聴覚 小田洋一,中山寿子 脳・神経科学入門講座(渡辺雅彦編) pp.117-130,羊土社, 2002
(13) Inhibitory long-term potentiation underlies auditory conditioning of goldfish escape behavior. Oda, Y. Interface between System Brain Science and Neuroethology September 23-26, 1999, Sendai
(14) Functional organization of segmentally homologous reticulospinal neurons in teleost hindbrain. Oda, Y., Nakayama, H., Matsui, H. and Murakami, Y. 29th Annual Meeting of the Society for Neuroscience October 23-28, 1999, Miami (U.S.A.)
(15) Inhibitory Networks of the Mauthner Cell in Goldfish and Zebrafish. Oda, Y. Interface between System Brain Science and Neuroethology. October 30-November 1, 2001, Okazaki
研究制度
  • さきがけ研究21 「形とはたらき」領域
研究報告資料
  • 小田 洋一. 脳のセグメント構造に見られるパラレルプロセッシング. 「さきがけ研究21」研究報告会 「形とはたらき」領域 講演要旨集(研究期間:1999-2002),2002. p.15 - 23.

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