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スピン-軌道偏極固体材料の物性と相制御

研究報告コード R030000258
掲載日 2005年2月22日
研究者
  • 朝光 敦
研究者所属機関
  • 東京大学低温センター
研究機関
  • 東京大学
報告名称 スピン-軌道偏極固体材料の物性と相制御
報告概要 スピン-軌道偏極固体材料とは、固体中の伝導電子系のスピンあるいは軌道状態(軌道疑スピン)が偏極している物質を指す。さらに、輸送現象を担うフェルミ面上の電子が100%スピン偏極している物資をハーフメタルと呼ぶが、ペロブスカイト型マンガン酸化物R3+1-xA2+xMnO3(R:希土類イオン、A:アルカリ金属イオン)やルチル酸化物CrO2 などは、強磁性ハーフメタルとして多彩な物性を示すことは知られている。一方、反強磁性ハーフメタル(antiferromagnetic half metal、以下AFHM)は、バンド計算などからはその存在を示唆されているものの、現在までにそのような物質が得られたという報告例はない。本研究は、上記性質を持つAFHM 材料や軌道偏極した物質を創製し、その物性を制御することによって、スピン-軌道偏極材料における新規物理現象を探索するとともに、将来的にスピントロニクス材料のひとつとして利用しようとするものである。AFHM 材料は、スピン偏極電流固体素子として利用できることはいうまでもないが、反強磁性であるがゆえにマクロな磁化を示さないという特徴を有し、したがって、外部磁場に対して容易に影響を受けない、という性質が特徴的である。そこで、この物質をスピンバルブ素子の中に組み込むと、磁場に対する非反転のスピン偏極電流源として利用することができる。つまり、従来の磁気抵抗素子やスピンバルブ素子と組み合わせることにより高感度磁気記録読取などが可能になる。また、スピン偏極方向は結晶方位、あるいは反強磁性容易化軸に対して固定されていると期待できるので、スピン走査型トンネル電子顕微鏡の探針として用いれば、高感度にスピン偏極度・方向を原子スケールで測定することも可能であろう。さらに、現在までの固体素子応用の中ではほとんど注目されていなかった軌道の自由度を制御できれば、興味深い新規物理現象(たとえば、Single Spin Superconductivity; SSS)が発現する可能性が極めて高い。
画像

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研究分野
  • 磁性一般
  • 金属結晶の磁性
  • 酸化物結晶の磁性
  • 金属の磁気異方性・磁気機械効果
関連発表論文 C. Urano, A. Asamitsu, N. Takeshita N. Mori, M. Kosaka and Y. Uwatoko, “Universal Phase Diagram and Nontrivial Transport Phenomena around Quantum Critical Point in MagL□eli Phase VnO2n-1”, to be submitted.
研究制度
  • さきがけ研究21 「状態と変革」領域
研究報告資料
  • 朝光 敦. スピン-軌道偏極固体材料の物性と相制御. 「さきがけ研究21」「状態と変革」研究領域 第3回終了報告会 講演要旨集(研究期間:1999-2002),2002. p.2 - 3.

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