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E-CELL :ゲノム情報に基づく細胞の再構築

研究報告コード R030000346
掲載日 2005年2月22日
研究者
  • 冨田 勝
研究者所属機関
  • 慶應義塾大学環境情報学部
研究機関
  • 慶應義塾大学
報告名称 E-CELL :ゲノム情報に基づく細胞の再構築
報告概要 1996年に発足した電子化細胞(E-CELL)プロジェクトは、細胞内の全プロセスをシミュレーションすることを目的としており、本稿では、E-CELLシステムを用いたヒト赤血球細胞モデルを中心に報告した。まず、データが蓄積している主要な代謝経路である解糖系、ペントースリン酸経路、核酸代謝経路、簡単な膜輸送系の実験データを用いてE-CELLシステム上に赤血球シミュレーションモデルを構築した。また、赤血球モデルを用いてグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症の解析を行い、欠損症患者から分離された欠損酵素の反応速度パラメータを得ることが出来た。さらに、ヒト赤血球には還元型グルタチオンの生合成経路と酸化型グルタチオンの能動的排出機構が存在していることがわかった。この経路は還元型グルタチオンを直接生成し、また、酵素阻害の一因になっている酸化型グルタチオンを低下させる作用があると予想されたため、G6PD欠損による還元力低下に対するある程度の補償機能を持つのではないかと考え、これらの経路を組み込んだ。その結果、還元力の低下が組み込み前と比較してATP量から予想される赤血球の寿命は、ほぼ実際の細胞と変わらないまでに延長した。また、これらの経路がG6DP欠損症において変異赤血球の寿命を延長する機能を持っていることが示唆された。
画像

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研究分野
  • 代謝一般
  • 細胞生理一般
  • 赤血球
関連発表論文 (1) Tomita, M.; Hashimoto, K.; Takahashi, K.; Shimizu, T.S.; Matsuzaki, Y.; Miyoshi, F.; Saito, K.; Tanida, S.; Yugi, K.; Venter, J.C.; and Hutchison, C.A., E-CELL: Software environment for whole cell simulation, Bioinformatics 15: 72-84. (1999) http://www.e-cell.org/
(2) Tomita, M.; Hashimoto, K.; Takahashi, K.; Matsuzaki, Y.; Matsushima, R.; Saito, K.; Yugi, K.; Miyoshi, F.; Nakano. H.; Tanida, S.; Saito, Y.; Kawase, A.; Watanabe, N.; Shimizu, T.S.; and Nakayama, Y. The E-CELL Project; Towards Integrative Simulation of Cellular Processes. New Gener Comput 18, 1-12. (2000)
(3) Tomita, M.; Whole cell simulation: A grand challenge of the 21st century” Trends in Biotechnology, 19: 6, 205-210 (2001)
研究制度
  • 計算科学技術活用型特定研究開発推進事業 生命・生体分野
研究報告資料
  • 冨田 勝. E-CELL :ゲノム情報に基づく細胞の再構築. 計算科学技術活用型 特定研究開発推進事業 平成10年度採択基本型 研究開発成果報告会 予稿集 ~計算で、見る・知る・予測する~ 2001. p.31 - 34.

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