TOP > 研究報告検索 > 感覚情報と身体制御に関する発達過程

感覚情報と身体制御に関する発達過程

研究報告コード R040000085
掲載日 2007年5月18日
研究者
  • 高谷 理恵子
研究者所属機関
  • 福島大学教育学部
研究機関
  • 福島大学
報告名称 感覚情報と身体制御に関する発達過程
報告概要 乳児期の随意運動に関しては、視覚刺激へ腕を伸ばす到達運動の発達研究がある。到達運動は生後2週の乳児ですでに観察され得ることが報告されている(Bower, 1970)が、その後一時消失し、4~5ヶ月ごろから再び観察されるようになることが知られている(Hofsten, 1983)。2週間頃にみられる到達運動と5ヶ月頃にみられる到達運動は、それぞれ視覚起動型/視覚誘導型と表現され、異なった機序によって営まれていると考えられているが、視覚誘導型の到達運動が認められるまでのあいだ、乳児にどのような変化が生じているのか明らかではない。到達運動が一時的に消失する生後1~4ヶ月は、脳機能の発達過程が反映されていると言われる全身運動(General Movement, GM)が,質的に大きく変化する時期でもある。そこで本研究では運動制御に関する発達過程について、乳児の全身運動の発達的変化と、動きの制御に関係する脳内活動の両面から検討することを目標とした。本研究でこだわったのは、第1に、乳児の全身運動の解析を試みた点、第2に、動きに関係した脳内活動の変化を捉えようとした点である。乳児の全身の動きは臨床現場でもしばしば、乳児の状態を把握するための重要な指標として用いられるにもかかわらず、その判断は経験を積んだ医師や看護師が「なんとなく分かる」というような職人技に頼っているのが現状で、全身の動きの不自然さを明確に表現することは非常に困難であり、上肢や下肢のみを扱った研究が多く見られる中で、全身の動きを扱った研究は驚くほど少ない。本研究では、乳児の全身運動の変化を捉えることにこだわり、3次元動作解析装置による計測手法の確立を目指すとともに、定量的評価手法の開発も試みた。また乳児を対象にした脳研究では、方法論上の問題が多いため、受容課題や安静時における計測が一般的であるが、本研究では乳児の動いている場面における脳内活動の変化を計測することにこだわり、近赤外分光による簡便な計測手法の確立を目指した。
研究分野
  • 神経系一般
  • 感覚系一般
  • 神経の基礎医学
関連発表論文 (1) Rieko Takaya, Konishi Yukuo, Arend F. Bos, and Christa Einspieler, Preterm to Early Postterm Changes in the Development of Hand-Mouth contact and other Motor Patterns, Early Human Development, 2003 (accepted)
(2) 高谷理恵子,ジェネラルムーブメント~赤ちゃんの動きの不思議~,小児歯科診療,9:37-43, 2003.
(3) 高谷理恵子,多賀厳太郎,小西行郎,竹下秀子,水野友有,板倉昭二,乳児のジェネラルムーブメント,チンパンジーの認知と行動の発達,285-291, 2003.
(4) 緑川晶,高谷理恵子,齋藤美紀,乳児の到達運動場面における脳内ヘモグロビン動態の計測,日本心理学会第67回大会,2003年9月.
(5) 緑川晶,高谷理恵子,齋藤美紀,乳児を対象にした近赤外分光法の予備的研究,日本教育心理学会第45回大会,2003年8月.
(6) 高谷理恵子,緑川晶,齋藤美紀,視覚刺激提示場面における乳児の運動の3次元解析,日本赤ちゃん学会第3回学術集会 2003年5月.
(7) 緑川晶,高谷理恵子,齋藤美紀,能動的運動表出場面における近赤外分光法による脳内ヘモグロビン動態の縦断的変化,日本赤ちゃん学会第3回学術集会 2003年5月.
(8) Rieko Takaya, Hifumi Tsubokura, Yukuo Konishi, Gentaro Taga, Analysis of the complexity of General Movements using the trajectories of hands and feet, The 4th Graz Symposium on Developmental Neurology, May 2003
(9) 高谷理恵子,生後2年の発達的変化:ヒトとチンパンジーの比較認知発達,日本発達心理学会第14回大会,2003年3月
(10) 緑川晶,高谷理恵子,光トポグラフィを用いたリズム同期能力の検討,日本失語症学会,2002年11月.
(11) Rieko Takaya, U-shape changes in infant's behaviour, 新・赤ちゃん学国際シンポジウム,2002年11月.
(12) 高谷理恵子,小西行郎,多賀厳太郎,竹下秀子,水野友有,板倉昭二,友永雅己,松沢哲郎,ヒトとチンパンジー乳児の運動軌跡の複雑さの比較,日本赤ちゃん学会第2回学術集会,2002年4月.
(13) 高谷理恵子,小濱雅則,坪倉ひふみ,小西行郎,多賀厳太郎,乳児の General Movements の複雑さの解析,日本赤ちゃん学会第2回学術集会,2002年4月.
(14) Rieko Takaya, Gentaro Taga, Yukuo Konishi, Hideko Takeshita, Yuu Mizuno, Shoji Itakura, Masaki Tomonaga, Tetsuro, Matsuzawa, Comparative Study of Spontaneous Movement of Human and Chimpanzee Infants in the First Few Months of Age, International Society on Infant Studies, April 2002.
(15) 高谷理恵子,齋藤美紀,十河宏行,乳児期前期における運動発達過程,日本発達心理学会,2002年3月.
研究制度
  • さきがけタイプ 「協調と制御」領域
研究報告資料
  • 高谷 理恵子. 感覚情報・身体制御に関する発達過程. 「さきがけタイプ」「協調と制御」領域 研究報告会講演要旨集(研究期間2000-2003),2003. p.22 - 31.

PAGE TOP