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量子ビットを用いた知能デバイス

研究報告コード R040000094
掲載日 2007年5月18日
研究者
  • 佐藤 茂雄
研究者所属機関
  • 東北大学電気通信研究所
研究機関
  • 東北大学
報告名称 量子ビットを用いた知能デバイス
報告概要 量子ビットにより実現される量子力学的ダイナミクスを導入した新しい知能処理デバイスの実現を目的とする。従来の技術では不可能とされている各種情報処理を、量子重ね合わせ状態と量子相関を使った量子計算アルゴリズムによって実現する。研究はアルゴリズムの考案とデバイスの製作という2つの課題に分かれ、両者の結果を相互にフィードバックすることによってより実用的なデバイスの実現を図る。計算量が発散してしまうような問題に対しては並列処理が有効である。しかし、最急降下法などの古典的なダイナミクスではエラーが生ずることが知られている。この原因はダイナミクスが局所的なポテンシャルに依存しているためであり、量子ビットを導入することで非局所的なダイナミクスが実現可能である。このことに着目して、知能処理と呼ばれるような各種情報処理について量子計算アルゴリズムの提案を行う。デバイスの製作にあたっては、シリコンを材料とした各種製作技術の確立とその整合性が肝要である。固体デバイスによる量子ビット実現を目的として、ナノスケールもしくは原子オーダーにおける極微細加工基礎技術の確立とともに、量子計算特有の技術であるスピンの制御と読み出しに関する技術の開発を目指す。原子オーダーでの制御はまだまだ困難な点が多いため、基礎実験でのデータ蓄積が重要であると考えられる。以上から、生体の神経回路とは違った原理による知能処理デバイスの実現を目的とする。
研究分野
  • 量子力学一般
  • 計算理論
  • 人工知能
関連発表論文 (1) M. Kinjo, S. Sato, K. Nakajima: “Evaluation of the Quantum Adiabatic Evolution Algorithm”, Proc. Int. Symp. on Nonlinear Theory and Its Applications (NOLTA2001), pp.323-326, 2001.
(2) H. Akima, S. Sato, K. Nakajima: “A Neural Network with Single Electron Neurons”, Proc Int. Symp. on Nonlinear Theory and Its Applications (NOLTA2001), pp.625-628, 2001.
(3) M. Kinjo, S. Sato, K. Nakajima: “Advantage and Disadvantage of the Quantum Adiabatic Evolution Algorithm for Combinatorial Optimization Problems”, Int. Symp. on Quantum Computers (The 10th JST Int. Symp.), P-2, 2002.
(4) H. Akima, S. Sato, K. Nakajima: “Hardware Implementation of a Single Electron Neural Network”, Proc. Int. Symp. on Nonlinear Theory and Its Applications (NOLTA2002), 2002.
(5) M. Kinjo, S. Sato, K. Nakajima: “Quantum Adiabatic Evolution Algorithm for a Quantum Neural Network”, Artificial Neural Networks and Neural Information Processing ICANN/ICONIP 2003, Springer, pp.951-958, 2003.
(6) S. Sato, M. Kinjo, K. Nakajima: “An Approach for Quantum Computing Using Adiabatic Evolution Algorithm”, Japanese Journal of Applied Physics, vol.42, no.11, 2003 (掲載予定)
(7) K. Inomata, Y. Takano, T. Hatano, S. Sato, K, Nakajima, S. Kawakami, M. Nagao, T. Yamashita, M. Tachiki: “Intrinsic properties of cross-whisker junction”. Second East Asia Symposium on Superconductive Electronics (EASSE2003), 2003. (発表予定)
(8) K. Inomata, T. Kawae, S. J. Kim, K. Nakajima, T. Yamashita, S. Sato, K. Nakajima, T. Hatano: “Electrical transport characteristics of Bi2Sr2CaCu2O8+δ stacked junctions with control of carrier density”, Superconductor Science and Technology, vol.16, 2003. (掲載予定)
(9) H. Akima, S. Sato, K. Nakajima: “Single Electron Random Number Generator”, IEICE Transactions on Electronics. (投稿中)
(10) 佐藤茂雄,金城光永,中島康治:「断熱的変化を利用した量子計算アルゴリズムに関する考察」,電子情報通信学会非線形問題研究会 (信学技報 NLP2002-4), vol.102, pp.19-22, 2002.
(11) 佐藤茂雄,金城光永,中島康治:「量子ダイナミクス導入によるニューロチップの高性能化に関する考察」,電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会 (信学技法 NC2002-11), vol.102, pp.127-130, 2002.
(12) 金城光永,佐藤茂雄,中島康治:「ニューロ的手法を導入した量子計算アルゴリズムに関する考察」,2003年電子情報通信学会総合大会,2003.
(13) 秋間学尚,山田宰睦,佐藤茂雄,中島康治「単電子ニューラルネットワークの構成について」,2003年電子情報通信学会総合大会,2003.
(14) 金城光永,佐藤茂雄,中島康治:「核スピン量子コンピュータ実現に向けたSTMリソグラフィの基礎的実験」,第64回応用物理学会学術講演会講演予稿集,No.1, p.460, 2003.
(15) 佐藤茂雄,金城光永,中島康治:「断熱的変化量子計算アルゴリズムにおけるデコヒーレンスの影響」,第64回応用物理学会学術講演会講演予稿集,No.1, p.460, 2003.
(16) 猪股邦宏,河上真一,高野義彦,佐藤茂雄,中島康治,長尾雅則,羽多野毅,山下努:「ウィスカー十字接合の微細化と特性評価」,第64回応用物理学会学術講演会講演予稿集,No.1, p.182, 2003.
研究制度
  • さきがけタイプ 「協調と制御」領域
研究報告資料
  • 佐藤 茂雄. 量子ビットを用いた知能デバイス. 「さきがけタイプ」「協調と制御」領域 研究報告会講演要旨集(研究期間2000-2003),2003. p.118 - 128.

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