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非線形動力学的手法による群知能ロボット

研究報告コード R040000099
掲載日 2007年5月18日
研究者
  • 菅原 研
研究者所属機関
  • 電気通信大学大学院情報システム学研究科
研究機関
  • 電気通信大学
報告名称 非線形動力学的手法による群知能ロボット
報告概要 複雑な人間社会において、効率的に適応し機能するロボットシステムの開発には、単体の機能向上のみならず、集団として協調的に機能する技術の確立も必要不可欠な要素となる。個々のロボットの知能レベルは低いが、多数集団になることによって初めて高度な機能を発現するタイプの群知能システムに関する研究はまだ発展途上にあり、多くの研究が進められてきているものの、個体間の相互作用により高次な機能を発現させるための一般的な方法論はまだ確立されていない。一方、多数集団による協調行動発現の好例として生物システムがあげられる。本研究では生物システムが有する「個体が群れを形成して集団で行動する」特性に注目し「均質な要素の集団が簡素な相互作用により、効率的な機能や作業を自己組織的に発現する」群知能ロボットシステムの構築を行う。生物システムは階層構造を有し、細胞内分子レベルから人間の社会システムに至るまで様々なスケールで多様な協調現象が見られるが、本研究では「形態」と「機能」の側面から、特に「魚や鳥の群れをモチーフとした集団の行動と構造」と「社会性昆虫をモチーフとした集団の協調作業と作業効率」を対象として、そのモデル化ならびに実機による検証実験を行うものとした。具体的な研究項目として(1)多様な行動とフォーメーション形成、(2)協調行動と分化・分業アルゴリズムの探求の2点を設定する。研究項目(1)は幾何学的な群れフォーメーション形成についての方法論を探るものである。ここでは行進・迷走・蚊柱などの群行動を表現できる非線形動力学モデルをベースとし、それを拡張していくことで形状の設計を含めた行動の発現に関する方法を確立していく。特に個体間に設ける力学的相互作用に工夫を加えて群れの様々な形状を作り出すことを試み、任意のフォーメーションを形成するための法則もしくはルールとはいかなるものか詳細を検討していく。そしてシミュレーションで確認できた群れパターンを実環境下でのロボット実験により検証していくものとする。研究項目(2)は単純な相互作用を有する個体に何らかの作業を与えた時に適応的な協調行動を引き起こすための方法論について探求するものである。具体的には単一作業における協調の効果と分業における協調の効果を探求していくが、後者については特に最適比率の自律調整、つまり各作業に対する個体数比率を状況に合わせて安定に保つ機能、について研究を進める。何らかの原因により、ある作業に従事する個体数に変動が生じた場合、他の作業に従事している個体が作業を切り替えることで全体としての比率を調整し、かつ、その比率も環境の変化に応じて柔軟に変わるダイナミクスは分業を行う群ロボットシステムには欠かせない機能であると考えられる。このような側面を重視した分業モデルを確立すると共に、実際にそのダイナミクスを群ロボットシステムに組み込むことで、その有効性を分かりやすく示していく。
研究分野
  • ロボット工学一般
  • ロボットの運動・制御
  • 人工知能
関連発表論文 (1) K. Fujibayashi, S. Murata, K. Sugawara, and M. Yamamura, “Self-Organizing Formation Algorithm for Active Elements”. FORMA, Vol.18, No.2 (2003) pp.83-95
(2) K Sugawara, M. Sano and T. Watanabe, “A Study on a Foraging Behavior of Interacting Simple Robots”, Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics Vol.7 No.2 (2003) (in press)
(3) Ken Sugawara and Toshinori Watanabe “A Study on Foraging Behavior of Simple Multi-robot System”, Proc. of The 28th Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Society (IECON' 02) pp.3085-3090
(4) Ken Sugawara and Toshinori Watanabe “A Study on a Foraging Behavior of Interacting Simple Robots”, Proc. of Joint 1st International Conference on Soft Computing and Intelligent Systems (SCIS2002) (CD-ROM)
(5) Ken Sugawara, Masaki Sano and Toshinori Watanabe “A study on a collective behavior of interacting simple robots”, Proc. of 2002 International Conference on Control, Automation and Systems (ICCAS2002) pp.1707-1710
(6) Ken Sugawara and Toshinori Watanabe, “Swarming Robots - Foraging Behavior of Simple Multi- robot System”, Proc. of 2002 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS2002) pp.2702-2707
(7) K. Fujibayashi, S. Murata, K. Sugawara, and M. Yamamura, “Self-Organizing Formation Algorithm for Active Elements”, Int. Workshop on Self-Repairing and Self-Configurable Distributed Systems (2002) pp.416-421
(8) K. Sugawara and M. Sano, “Cooperative Behavior of Interacting Simple Robots in a Clockface Arranged Field”, Distributed Autonomous Robotic Systems 5 (2002) pp.331-339
(9) K. Sugawara. M. Sano, and T Watanabe, “Flocking Robots - Collective Behavior of Interacting Simple Robots”, Proc. of 2002 FIRA Robot World Congress (2002) pp.36-40
(10) K. Sugawara, M. Sano, and Y. Hayakawa, “Flocking Robots - Collective Behavior of Simple Robotic System”, Proc. of the 7th Int. Symp. on Artificial Life and Robotics (2002) pp.584-585
(11) K. Sugawara, R. Arai, M. Sano, Y. Hayakawa, T. Mizuguchi, and T. Watanabe, “Collective Motion of Interacting Simple Robots”, Proc. of the 27th Annual Conf. of the IEEE Industrial Electronics Society (IECON'01) (2001) pp.428-432
(12) K. Sugawara, Y. Hayakawa, M. Sano, and T. Watanabe, “Collective Motion of Interacting Robots”, 2001 Int. Symp. on Nonlinear Theory and its Applications (NOLTA2001) (2001) pp.569-572
(13) K. Sugawara, M. Sano, and T. Watanabe, “Collective motion of Interacting Simple Robot System”, Proc. Int' 1 Conf. On Control, Automation and Systems (2001) pp.51-54
(14) K. Sugawara, M. Sano, I. Yoshihara, K. Abe and T. Watanabe, “Cooperative Foraging Behavior of Multi Robot System with Simple Interaction”. Proc. Int' 1 Conf. On Control, Automation and Systems (2001) pp.1114-1117
(15) K. Sugawara, M. Sano, I. Yoshihara. K. Abe and T. Watanabe, “Cooperative Behavior of Multi Robot System with Simple Interaction”, Proc. Artificial Life and Robotics, (2001) pp.109-112
(16) 菅原 研,水口 毅,風間俊哉,渡辺俊典,簡素な相互作用を有する群ロボットの分業に関する一考察,平成15年電気学会産業応用部門大会講演論文集 (2003) 2-S12-5 (CD-ROM)
(17) 風間俊哉,菅原 研,渡辺俊典,場を介して情報授受するロボットシステムについて,第9回創発システムシンポジウム「創発夏の学校2003」講演資料,(2003) pp.112-113
(18) 菅原 研,風間俊哉,渡辺俊典,Cooperative Acceleration of Task Performance by Simple Interacting Robots, SICE2003 (2003)
(19) 菅原 研,渡辺俊典,佐野雅己,単純な相互作用を有する群ロボットによる協調的採餌行動について,SI2002 (2002) pp.1A91-05 (CD-ROM)
(20) 菅原 研,非線形動力学的手法による群知能ロボット,平成14年電気学会全国大会講演論文集 (4) (2001) pp.501-504
(21) 菅原 研,渡辺俊典,単純な相互作用を有する群れロボットの集餌行動,第19回日本ロボット学会学術講演会,(2001) pp.879-880
(22) 菅原 研,荒井 律,非線形動力学的手法による群知能ロボット,第40回計測自動制御学会学術講演会予稿集,(2001) 109A-3-1 (CD-ROM)
(23) 菅原 研,荒井 律,渡辺俊典,簡素な相互作用をもつアクティプエレメント集合体の振る舞いと機能,第13回自律分散システムシンポジウム,(2001) pp.179-182
研究制度
  • さきがけタイプ 「相互作用と賢さ」領域
研究報告資料
  • 菅原 研. 非線形動力学的手法による群知能ロボット. 「さきがけタイプ」「相互作用と賢さ」 研究報告会講演要旨集(2000-2003),2003. p.75 - 86.

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