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相対論的分子理論プログラムの開発

研究報告コード R070000005
整理番号 R070000005
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 中嶋 隆人
研究者所属機関
  • 東京大学大学院工学系研究科
研究機関
  • 東京大学大学院工学系研究科
報告名称 相対論的分子理論プログラムの開発
報告概要 相対論的分子理論
物質をナノレベルで制御することが求められる現在,新しい機能・特性の発現を目指して,科学者の取り扱う物質は周期表の幅広い種類の元素を含む分子系へと拡がりを見せている。例えば,それはナノテクノロジーの基盤となるナノマテリアルであり,あるいはバイオテクノロジーを担う生体分子等であって,現代あるいは次世代の産業や科学の基盤となる物質である。科学で取り扱う物質のこのような多様化に伴い,理論化学においても科学的に興味のある多様な系を視野に入れる必要が出てくる。この世の中に存在する物質は,100種類程度の元素から構成されているが、そのような幅広い種類の元素を含む分子系を同じ精度でかつ高精度に取り扱える分子理論が必要となる。非相対論的方程式に基づいた従来の理論は,重原子を含む系に対しては用いることができない。相対論的方程式に基づいた相対論的分子理論が必要不可欠になってくる。われわれが行ってきた一連の研究の目的は,相対論的分子理論に基づいて,幅広い種類の元素を含む分子系を取り扱うことのできる理論化学を構築することである。そして,周期表のあらゆる元素から構成される大規模な分子系を高精度に計算することのできる分子理論プログラムの完成を目指している。そのために,理論自体のブレークスルーを達成すると共に,近年のコンピュータ技術の進捗を有効に駆使することで実現する。そして,従来の理論やプログラムと比べて2桁以上の性能の向上を目指す。以下にこれまでのわれわれの研究の概要を紹介する。
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研究分野
  • 分子の電子構造
関連発表論文 (1) T. Nakajima and K. Hirao, "Accurate relativistic Gaussian basis sets determined by the third-order Douglas-Kroll approximation with a finite-nucleus model", J. Chem. Phys. 116, 8270-8275 (2002).
(2) T. Yanai, T. Nakajima, Y. Ishikawa, and K. Hirao, "A highly efficient algorithm for electron repulsion integrals over relativistic four-component Gaussian-type spinors" J. Chem. Phys. 116, 10122-10128 (2002).
(3) J. Paulovic, T. Nakajima, K. Hirao, R. Lindh, P. Å. Malmqvist, "Third-order Douglas-Kroll ab initio model potential based spin-orbit correlated calculations", J. Chem. Phys. 119, 798-805 (2003).
(4) T. Nakajima and K. Hirao, "Extended Douglas-Kroll transformations applied to the relativistic many-electron Hamiltonian", J. Chem. Phys. 119, 4105-4111 (2003).
(5) S. Hirata, T. Yanai, W. A. de Jong, T. Nakajima and K. Hirao, "Third-order Douglas-Kroll relativistic coupled-cluster theory through connected single, double, triple, and quadruple substitutions: Applications to diatomic and triatomic hydrides" J. Chem. Phys. 120, 3297-3310 (2004).
(6) M. Abe, T. Yanai, T. Nakajima, and K. Hirao, "A four-index transformation in Dirac's four-component relativistic theory", Chem. Phys. Lett. 388, 68-73 (2004).
(7) T. Nakajima and K. Hirao, "Pseudospectral approach to relativistic molecular theory", J. Chem. Phys. 121, 3438-3445 (2004).
(8) T. Nakajima, T. Yanai, and K. Hirao, "Relativistic Electronic Structure Theory", J. Comp. Chem. (Relativity Special Issue), 23, 847-860 (2002).
(9) 中嶋隆人,"相対論的分子理論プログラムの開発",化学工業,54,267-272(2003).
(10) T. Nakajima and K. Hirao, "Recent Development of Relativistic Molecular Theory", Monatshefte fur Chemie/Chemical Monthly, 136, 965-986 (2005).
(11) T. Nakajima, "Relativistic Molecular Theory", The 10-th Korea-Japan Joint Symposium on Theoretical/Physical Chemistry, Pohang, Korea, January, 2003.
(12) 中嶋隆人,"相対論的分子理論の最近の展開",第4回スーパーコンピュータワークショップ,岡崎コンファレンスセンター,岡崎,2004年3月.
(13) T. Nakajima, "Quantum Chemistry towards Large-Scale Calculations", 1st Asian Pacific Conference on Theoretical & Computational Chemistry, Okazaki, Japan, May, 2004.
(14) 中嶋隆人,平尾公彦,"次世代分子理論プログラムUTChemによる原子・分子の電子状態の解明",応用物理学会チュートリアル講演会,東北学院大学,2004年9月.
(15) 中嶋隆人,"UTChemの開発とその応用",第9回高分子計算機科学研究会講座,東京工業大学,2004年11月.
(16) T. Nakajima, "Relativistic Molecular Theory", 45th Sanibel Symposium, Georgia, March, 2005.
(17) 中嶋隆人,"次世代分子理論の展開とその応用"、早稲田大学化学科博士学位賞授与式記念講演会,早稲田大学,2005年3月.
(18) T. Nakajima, "Relativistic Molecular Theory", Recent Advance in Theoretical Chemistry, Univ. of Tokyo, April, 2005.
(19) 中嶋隆人,"相対論的分子理論の開発",東京大学21世紀COE(化学・材料系)第2回合同シンポジウム,東京大学,2005年6月.
(20) T. Nakajima, "Large-Scale Relativistic Molecular Theory", Pacifichem2005, Hawaii, Dec. 2005.
研究報告資料
  • 中嶋 隆人. 相対論的分子理論プログラムの開発. シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築 第1回 シンポジウム 講演要旨集, 2005. p.55 - 60.

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