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AIDS関連レンチウイルスの宿主域決定機構

研究報告コード R070000062
整理番号 R070000062
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 宮沢 孝幸
研究者所属機関
  • 帯広畜産大学畜産学部
研究機関
  • 帯広畜産大学畜産学部
報告名称 AIDS関連レンチウイルスの宿主域決定機構
報告概要 ヒトにAIDSを引き起こすヒト免疫不全ウイルス(HIV、レンチウイルス属に分類)と極めて良く似たウイルスはサルにも存在し、サル免疫不全ウイルス(SIV)と呼ばれている。HIVには1型と2型の2種類あるが、前者はチンパンジー由来SIVが、後者はスーティマンガベイザル由来のSIVが起源とされ、およそ70から100年前にヒトに感染したと考えられている。ウイルスの感染にはレセプター(受容体)が必要であり、異なる動物に感染する時には、本来の宿主のレセプターのオルソログを利用することが多い。HIVとSIVは、細胞への結合に必要なレセプター(プライマリーレセプター)としてCD4分子を、結合後の融合に必要なレセプター(コレセプター)としてケモカインレセプター(CXCR4やCCR5)を用いている。レセプター分子がヒト-サル間で類似していたため、SIVはヒトに感染できたのであろう(図4)。ところで、レンチウイルスは霊長類以外にもネコ、ライオン、ヒューマ、馬、牛、バリ島牛、羊、山羊などにも存在する。これらのウイルスのレセプターもHIVやSIVと同様なのだろうか?興味深いことに、ネコのレンチウイルスすなわちネコ免疫不全ウイルス(FIV)は感染にケモカインレセプター(主にCXCR4)を必要としている。しかもFIVはヒトのCXCR4を使うことも可能なのである。FIVはCD4陽性細胞に強い指向性を持ち、感染ネコではCD4陽性細胞が減少し、ヒトのAIDSと類似した臨床経過をとる。このことから、FIVは霊長類と同じく、コレセプターにケモンカインレセプターを、プライマリーレセプターにCD4を利用していると予想された。しかし、CD4はFIVのプライマリーレセプターではなかった。CXCR4発現細胞にネコのCD4を導入しても感染が成立しないのである。ではFIVのプライマリーレセプターは何なのか?この疑問を解明することは、レンチウイルスの起源や宿主特異性機構の解明に役に立つと考え、我々はFIVのプライマリーレセプターの同定を試みた。
画像

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研究分野
  • ウイルス感染の生理と病原性
関連発表論文 (1) Shimojima M. et al. (2004) Use of CD134 as a primary receptor by the feline immunodeficiency virus. Science 303: 1192-1195.
(2) Nishimura Y. et al. (2004) Downmodulation of CD3ε expression in CD8α+β- T cells of feline immunodeficiency virus-infected cats. J. Gen. Virol. 85: 2585-2589.
(3) Shimojima M. et al. (2004) T cell subpopulations mediating inhibition of feline immunodeficiency virus replication in mucosally infected cats. Microbes Infect. 6:265-271.
(4) Ericsson T.A. et al. (2003) Identification of receptors for pig endogenous retrovirus. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 100: 6759-6764.
(5) Shimojima M. et al (2003) Usage of myeloma and panning in retrovirus-mediated expression cloning. Anal. Biochem. 315:138-140.
(6) Kurihara T. et al. (2003) Sensivity to human serum of gammaretroviruses produced from pig endothelial cells transduced with glycosyltransferase genes. Xenotransplantation 10:562-568.
(7) Shimojima M. et al. (2003) Phenotypic changes in CD8+ peripheral blood lymphocytes in cats infected with feline immunodeficiency virus. Microbes Infect. 5: 1171-1176.
(8) Nakamura K. et al. (2003) Phylogenetic analysis of Vietnamese isolates of feline immunodeficiency virus: genetic diversity of subtype C. Arch. Virol. 148:783-791.
(9) Kohmoto M. et al (2003) Experimental mucosal infection with molecularly cloned feline immunodeficiency viruses. Clin. Diagn. Lab. Immunol. 10:185-188.
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/生体と制御研究領域
研究報告資料
  • 宮沢 孝幸. AIDS関連レンチウイルスの宿主域決定機構. 「生体と制御」研究領域 第一回研究報告会感染症と免疫疾患の発病メカニズムの解明へ新しいアプローチ 要旨集, 2004. p.4 - 6.

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