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赤痢菌による抗原提示細胞の細胞死誘導機構と新規ワクチンへの応用

研究報告コード R070000065
整理番号 R070000065
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 鈴木 敏彦
研究者所属機関
  • 東京大学医科学研究所
研究機関
  • 東京大学医科学研究所
報告名称 赤痢菌による抗原提示細胞の細胞死誘導機構と新規ワクチンへの応用
報告概要 細菌性赤痢は、現在でも発展途上国の乳幼児の下痢症による死亡原因の約5割を占めている重要な感染症である。実際の統計においても全世界で年間1億6500万人が罹患し、そのうち110万人が死亡している(WHO、1999年)。社会基盤が脆弱な開発途上国においては抗生物質による治療は経済的に困難を伴い、またその乱用により多剤耐性菌が蔓延しており、したがって効果的で安全なワクチンの開発が切望されている。これまで赤痢ワクチンの研究から現時点では生菌によるO-多糖抗原に対する免疫誘導が感染防御に最も有効であり、上皮細胞への侵入性を保持したまま細胞内での増殖と拡散を不能にした二重変異株が多く作成されてきた。しかしこのようなワクチン株は依然として発熱と軽度の下痢原性を有し、特に乳幼児に対する安全性が解決されていない。このような背景から、次世代の安全性に優れた赤痢弱毒ワクチン開発に必要な分子基盤を確立することを本研究の目標とした。特に赤痢菌から分泌され粘膜感染に必須な役割を果たすエフェクター蛋白機能および抗原提示細胞の細胞死誘導機構に焦点を当てその分子機構を解明することを目指し、さらに得られた知見をもとに弱毒でかつ高い防御免疫誘導能を有するワクチン株の試作を行った。
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研究分野
  • 免疫療法薬・血液製剤の基礎研究
  • 微生物生理一般
  • 細胞生理一般
関連発表論文 (1) Suzuki, T., Mimuro, H., Suetsugu, S,. Miki, H., Takenawa, T., and Sasakawa, C. 2002. Neural Wiskott-Aldrich syndrome protein (N-WASP) is the specific ligand for Shigella VirG among the WASP family and determines the host cell type allowing actin-based spreading. Cell. Microbiol. 4: 223-233.
(2) Yoshida, S., Katayama, E., Kuwae, A., Mimuro, H., Suzuki, T., and Sasakawa, C. 2002. Shigella deliver an effector proteins to trigger host microtubule destabilization, which promotes Rac1 activity and efficient bacterial internalization. EMBO J. 21: 2923-2935.
(3) Mimuro, H., Suzuki, T., Takaka, J., Asahi, M., Haas, R., and Sasakawa, C. 2002. Grb2 is a key mediator of Helicobacter pylori CagA protein activities. Mol Cell. 10: 745-755.
(4) Ogawa, M., Suzuki, T., Tatsuno, I., Abe, H., and Sasakawa, C. 2003. IesB, secreted via the type III secretion system, is chaperoned by IpgA and required at the post-invasion stage of shigella pathogenicity. Mol. Microbiol. 48: 913-931.
(5) Tanaka, J., Suzuki, T., Mimuro, H., and Sasakawa, C. 2003. Structural definition on the surface of Helicobacter pylori type IV secretion apparatus. Cell. Microbiol. 5: 395-404.
(6) Jang, M.H., Kweon, M.N., Iwatani, K., Yamamoto, M., Terahara, K., Sasakawa, C., Suzuki, T., Nochi, T., Yokota, Y., Pennert, P. D., Hiroi, T., Tamagawa, H., Iijima, H., Kunisawa, J., Yuki, Y., ad Kiyono, H. 2004. Intestinal villous M cells: An antigen entry site in the mucosal epithelium. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 101: 6110-6115
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/生体と制御研究領域
研究報告資料
  • 鈴木 敏彦. 赤痢菌による抗原提示細胞の細胞死誘導機構と新規ワクチンへの応用. 「生体と制御」研究領域 第一回研究報告会感染症と免疫疾患の発病メカニズムの解明へ新しいアプローチ 要旨集, 2004. p.16 - 18.

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