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細菌毒素の宿主内輸送の分子機構

研究報告コード R070000076
整理番号 R070000076
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 藤永 由佳子
研究者所属機関
  • 大阪大学微生物病研究所附属感染症国際研究センター
研究機関
  • 大阪大学微生物病研究所附属感染症国際研究センター
報告名称 細菌毒素の宿主内輸送の分子機構
報告概要 多くの細菌毒素は微量で宿主細胞の機能分子に特異的作用を及ぼし、結果的に宿主に致死など大きな影響を与える。ではどのようにして細菌毒素はこのように強力な作用を発揮できるのか?その理由の一つとして一般的に考えられているのは、多くの細菌毒素が微量でも宿主の機能に影響を与えることができる酵素であるということである。ここでもう一つ忘れてならない細菌毒素の特質として、作用する基質に効率よくターゲティングする機構すなわち巧妙な輸送機構をもつ場合が多いことが挙げられる。その輸送機構は、もともと細胞が基本的・生理的にもっている膜輸送系やオルガネラの機能をうまく利用している場合が多いと考えられる。従って細菌毒素の輸送経路の研究は、毒素による病態発現機構の解明という意義に加えて、従来知られていなかった宿主細胞の基本的で重要なしくみを明らかにできる可能性も秘めている。いずれにしてもこのような研究は外来病原因子の侵入に対する宿主の防御システムを理解し制御する上で重要である。このような魅力に惹かれて、我々は毒素の輸送機構の研究を行っている。我々は腸管上皮細胞を場として研究を展開しているが、この細胞は多くの細菌毒素がその毒性を発揮するための標的となり、あるいは宿主動物へ侵入する際の門戸となっている。本報告会では、前者の例として腸管上皮細胞に作用して細胞内cAMPを上昇させるコレラ毒素、後者の例として腸管上皮細胞バリアを通過してボツリヌス食中毒を引き起こすボツリヌス神経毒素複合体の輸送経路についての我々の研究成果を報告する。
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研究分野
  • 微生物の生化学
  • 微生物感染の生理と病原性
関連発表論文 (1) Fujinaga Y, Wolf AA, Rodighiero C, Wheeler H, Tsai B, Allen L, Jobling M, Rapoport T, Holmes RK, Lencer WI. Gangliosides that associate with lipid rafts mediate transport of cholera and related toxins from the plasma membrane to ER. Molecular Biology of the Cell. 14 (12): 4783-93 (2003).
(2) Fujinaga Y, Inoue K, Watarai S, Sakaguchi Y, Arimitsu H, Lee J, Jin Y, Matsumura T, Kabumoto Y, Watanabe T, Ohyama T, Nishikawa A, Oguma K, Molecular characterization of binding subcomponents of Clostridium botulinum type C progenitor toxin for intestinal epithelial cells and erythrocytes. Microbiology 150 (Pt 5): 1529-1538 (2004).
(3) Nishikawa A, Uotsu N, Miura Y, Fujinaga Y, Nakada H, Ohyama T, Sakano Y, Oguma K. The receptor and transporter for internalization of Clostridium Botulinum Type C Progenitor Toxin. Biochem Biophys Res Commun. 319 (2): 327-33 (2004).
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/生体と制御研究領域
研究報告資料
  • 藤永 由佳子. 細菌毒素の宿主内輸送の分子機構. 「生体と制御」研究領域 第二回研究報告会感染症と免疫疾患の発病メカニズムの解明へ新しいアプローチ 要旨集, 2006. p.20 - 22.

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