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命令レベル並列はダメなら,命令を減らせ!

研究報告コード R070000152
整理番号 R070000152
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 中島 康彦
研究者所属機関
報告名称 命令レベル並列はダメなら,命令を減らせ!
報告概要 一般ユーザにとって、プロセッサの性能向上は当然、かつ、バイナリ非互換は論外である。この厳しい制約条件の下で、演算および主記憶アクセスをいかに減らすかについて、様々な可能性を追求し、解決方法を提示する。関連研究には、値再利用と投機的マルチスレッド実行がある。しかし、1)既存オブジェクトを高速化できない;2)より大規模な再利用区間を認識できない;3)入力の単調変化に対応できない;4)主プロセッサの実行機構に投機的要素を残している;5)高速化機構を意識したプログラミングができない;など多くの問題点がある。これに対し、本研究は以下をねらう。【ABI(Application Binary Interface)を利用した再利用区間の大規模化】命令レベルではなく、関数やループを再利用区間とし、またABIを利用することにより、再利用区間における大量のレジスタ/主記憶参照から、局所的なレジスタ/主記憶参照を排除する。この結果、専用命令を追加することなく、より大規模な再利用区間を確保するとともに、再利用の可否検査に必要なレジスタ/主記憶参照を必要最小限(関数やループが意図する本質的な入出力)に抑える。【多重再利用機構による入れ子構造への対応】関数やループが入れ子になった構造において、各レベルに局所的ではないレジスタ/主記憶参照を上位レベルの入出力としても多重に登録することにより、各レベルの本質的入出力を把握し、入れ子構造を1度だけ実行した場合においても各レベルの再利用を可能にする。大規模な再利用が不可能であっても、より小規模な再利用によって補完できる。【主プロセッサから投機的要素を排除することによる見通しのよい事前実行】主プロセッサ(MP)とは別に設けた副プロセッサ(SP)に、再利用区間(関数やループ)の事前実行を行わせることにより、主プロセッサがはじめて遭遇する演算パターンについても、実行結果の検証を行うことなく、命令実行を完全に省略する。主プロセッサの命令実行機構に投機的要素が全く含まれない点が、既存研究とは大きく異なる。【既存のプログラミングスタイルから意識可能な高速ハードウェア機構】従来の命令レベル再利用機構では、粒度が小さすぎて、プログラマがその存在を意識したり明示的に利用することが困難である。これに対し、関数やループの挙動は、プログラミング時にある程度意識することができる。従来ハッシュなどを利用していた検索処理を関数呼出しの形に記述することにより、関数実行時における再利用表の高速検索を利用した直接的な高速化を図ることができる。従来のプログラミングの枠組みの一部がハードウェアにより高速処理されることは、従来のベクトル機構を意識したプログラミングと同様に、新たな刺激になると考える。
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研究分野
  • 制御方式
関連発表論文 (1) 鈴木郁真,池内康樹,津邑公暁,中島康彦,中島浩:"再利用によるGAの高速化手法",情報処理学会論文誌:コンピューティングシステム,ACS12,採録決定,Nov.(2005).
(2) 中島康彦ほか:"外部連想バッファを備えるSpMTモデルの分析",先進的計算基盤システムシンポジウムSACSIS2005論文集,pp.397-406,May.(2005).
(3)鈴木郁真,池内康樹,津邑公暁,中島康彦,中島浩:"GAにおける再利用の評価",先進的計算基盤システムシンポジウムSACSIS2005論文集,pp.133-141,May.(2005).
(4)津邑公暁,笠原寛壽,清水雄歩,中島康彦ほか:"大容量汎用3値CAMを用いた並列事前実行機構の効率的実現",先進的計算基盤システムシンポジウムSACSIS2004論文集,pp.251-259,May.(2004).
(5) 津邑公暁,中島康彦ほか:"並列事前実行機構における主記憶値テストの高速化",情報処理学会論文誌:コンピューティングシステム,ACS4,pp.31-42,Jan.(2004).
(6) 津邑公暁,清水雄歩,中島康彦ほか:"ステレオ画像処理を用いた曖昧再利用の評価",情報処理学会論文誌:コンピューティングシステム,ACS3,pp.246-256,Sep.(2003).
(7) 清水雄歩,津邑公暁,中島康彦ほか:"距離画像生成処理におけるメディアプロセッサの評価",情報処理学会論文誌:コンピューティングシステム,ACS3,pp.257-267,Sep.(2003).
(8) 中島康彦ほか:"動的命令解析に基づく多重再利用および並列事前実行",情報処理学会論文誌:コンピューティングシステム,ACS2,pp.1-16,Jul.(2003).
(9) 津邑公暁,清水雄歩,中島康彦ほか:"ステレオ画像処理を用いた曖昧再利用の評価",先進的計算基盤システムシンポジウムSACSIS2003論文集,pp.97-104,May.(2003).
(10) 中島康彦ほか:"関数値再利用および並列事前実行による高速化技術",情報処理学会論文誌:ハイパフォーマンスコンピューティングシステム,HPS5,pp.1-12,Sep.(2002).
(11) 中島康彦ほか:"関数値再利用および並列事前実行による高速化技術",並列処理シンポジウムJSPP2002論文集,pp.269-276,May.(2002).
(12) 李森,高洪波,中島康彦ほか:"区間再利用バッファの分割と高速化",平成17年度情報処理学会関西支部大会講演論文集,pp.181-182,Oct.(2005).(13) 高洪波,李森,中島康彦ほか:"並列事前実行における連想検索装置の設計",平成17年度情報処理学会関西支部大会講演論文集,pp.183-186,Oct.(2005).
(14) 鈴木郁真,池内康樹,津邑公暁,中島康彦,中島浩:"再利用を用いたGAの高速化",情処研報 2005-ARC-154/2005-HPC-101(HOKKE2005),Mar.(2005).
(15) 津邑公暁,中島康彦,中島浩:"並列事前実行機構におけるループカウンタ予測",情処研報 2004-ARC-160,pp.83-88,Dec.(2004).
(16) 清水雄歩,笠原寛壽,中島康彦ほか:"汎用CAMを用いた区間再利用プロセッサシミュレータの高速化",平成16年度情報処理学会関西支部大会講演論文集,pp.175-178,Oct.(2004).
(17) 清水雄歩,笠原寛壽,中島康彦ほか:"汎用CAMを用いた区間再利用プロセッサシミュレータの高速化",信学技報CPSY2004-16 SwoPP論文集,pp.43-48,Jul(2004).
(18) 笠原寛壽,清水雄歩,津邑公暁,中島康彦ほか:"2次キャッシュを用いた再利用および並列事前実行機構における高速化手法",情処研報 2004-ARC-157/2004-HPC-97(HOKKE2004),pp.133-138,Mar.(2004).
(19) 津邑公暁,中島康彦ほか:"汎用CAMを用いた既存プログラム高速化手法の提案",第1回リコンフィギャラブルシステム研究会論文集,pp.21-26,Sep.(2003).
(20) 竹村尚大,津邑公暁,中島康彦ほか:"曖昧再利用によるMP3エンコーダの高速化手法
",情報処理学会研究報告,ARC-152-25,pp.145-150,Mar.(2003).
(21) 津邑公暁,清水雄歩,中島康彦ほか:"曖昧再利用によるステレオ画像処理の高速化",情報処理学会研究報告,ARC-151-7,pp.37-42,Jan.(2003).
(22) 清水雄歩,中島康彦ほか:"VLIW型メディアプロセッサを用いたステレオ画像処理の評価",平成14年度情報処理学会関西支部大会,pp.119-120,Nov.(2002).
(23) 尼嵜央典,中島康彦ほか:"SPARCアーキテクチャにおける関数値再利用機構の改良",平成14年度情報処理学会関西支部大会,pp.115-116,Nov.(2002).
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/情報基盤と利用環境
研究報告資料
  • 中島 康彦. 命令レベル並列はダメなら,命令を減らせ!. さきがけ研究 研究報告会 「情報基盤と利用環境」領域 第2期研究者(研究期間2002-2005) 講演要旨集, 2005. p.21 - 30.
出願特許   特許 国際特許分類(IPC)
( 1 ) 科学技術振興機構, . 中島 康彦, . データ処理装置、データ処理プログラム、およびデータ処理プログラムを記録した記録媒体. 特開2004-258905. 2004-09-16
  • G06F   9/38     
( 2 ) 科学技術振興機構, . 中島 康彦, . データ処理装置、データ処理プログラム、およびデータ処理プログラムを記録した記録媒体. 特開2004-355397. 2004-12-16
  • G06F   9/38     
( 3 ) 学校法人京都大学, . 中島 康彦, . データ処理装置. 特開2006-079563. 2006-03-23
  • G06F   9/38     
  • G06F   9/40     
( 4 ) 学校法人京都大学, . 中島 康彦, . データ処理装置、データ処理プログラム、およびデータ処理プログラムを記録した記録媒体. 特開2006-134186. 2006-05-25
  • G06F   9/38     
  • G06F   9/40     
( 5 ) 学校法人京都大学, . 中島 康彦, . データ処理装置、データ処理プログラム、およびデータ処理プログラムを記録した記録媒体. 特開2006-155370. 2006-06-15
  • G06F   9/38     
  • G06F   9/40     
( 6 ) 学校法人京都大学, . 中島 康彦, . 連想メモリシステム、連想メモリシステムの制御方法、およびデータ処理装置. 特開2007-048411. 2007-02-22
  • G11C  15/04     
( 7 ) 国立研究開発法人科学技術振興機構, . 中島 康彦, . データ処理装置. 特開2005-284683. 2005-10-13
  • G06F   9/40     
  • G06F   9/38     

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