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1分子からの定量的解析によるシナプス活性化機構の解明

研究報告コード R070000162
整理番号 R070000162
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 芦高 恵美子
研究者所属機関
報告名称 1分子からの定量的解析によるシナプス活性化機構の解明
報告概要 痛みは、生体警告反応としての生理的機能を担う一方、がん末期の激痛や脊髄損傷に伴う神経因性疼痛などは、痛み自身が有害な病態をもたらす。我々は、同一前駆体蛋白質に隣り合わせに存在し、痛覚伝達において相反する作用を示す神経ペプチド、ノシセプチンとノシスタチンを見いだした。ノシセプチンは、オピオイド受容体類縁体の内因性リガンドで、オピオイドペプチドと相同性を有しているが、従来のオピオイドペプチドが鎮痛作用を示すのとは対照的に、触覚刺激などの非侵害性刺激による痛覚反応(アロディニア)や熱刺激による痛覚過敏反応を誘導することを明らかにしてきた。一方ノシスタチンは、同じ前駆体より切り出され、ノシセプチンによる痛覚反応を抑制するペプチドであることを発見した。同一前駆体に存在するペプチドが相反する作用を示すのは初めての報告であり、疼痛制御のみならず記憶、学習や食欲の制御においてもこれらのペプチドの相反する作用が認められている。この制御機構としては、シナプスにおけるペプチドの産出、遊離および受容体との結合が重要な鍵を担っていると考えられる。本研究においては、ノシセプチンとノシスタチンの生物活性をモデルとしたシナプスの活性化機構の解明を目的とする。
画像

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研究分野
  • 神経系一般
関連発表論文 (1) Muratani, T., Minami, T., Enomoto, U., Sakai, M., Okuda-Ashitaka, E., Kiyokane, K.,Mori, H. and Ito, S. : Characterization of nociceptin / orphanin FQ-induced pain responses by the novel receptor antagonist JTC-801. J. Pharmacol. Exp. Ther. 303: 424-430, 2002
(2) Mabuchi, T., Matsumura, S., Okuda-Ashitaka, E., Kitano, T., Kojima, H., Nagano, T., Minami, T. and Ito, S.: Attenuation of neuropathic pain by nociceptin/orphanin FQ antagonist is mediated by inhibition of nitric oxide production. Eur. J. Neurosci. 17: 1384-1392, 2003
(3) Zeilhofer, H. U., Reinscheid, R. K. and Okuda-Ashitaka, E.: Nociceptin, Nocistatin and Pain. Progress in Pain Research and Management. International Association for the Study of Pain, IASP press, 24: 469-480, 2003
(4) 芦高恵美子、伊藤誠二:痛み-基礎・診断・治療-(編集:花岡一雄)「ノシセプチン」37-40, 2003
(5) Okuda-Ashitaka, E., Minami, T., Matsumura, S., Takeshima,H., Reinscheid, R. K., Civelli, O. and Ito, S.: Mediation by the opioid peptide nociceptin/orphanin FQ of prostaglandin E2-induced allodynia, tactile pain associated with nerve injury. (発表準備中)
(6) Otsuji, T., Okuda-Ashitaka, E., Kojima, S., Akiyama, H., Ito, S, and Ohmiya, Y.: Monitoring for dynamic biological processing by intra-molecular bioluminescence resonance energy transfer system using secreted luciferase. Anal. Biochem. 329: 230-237, 2004
(7) 芦高恵美子、伊藤誠二:医学のあゆみ「痛みシグナルの制御機構と最新治療エビデンス、ノシセプチンの疼痛制御」211(No.5):375-379, 2004
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/情報と細胞機能
研究報告資料
  • 芦高 恵美子. 1分子からの定量的解析によるシナプス活性化機構の解明. さきがけライブ2004 個人型研究さきがけタイプ 「情報と細胞機能」領域 研究報告会 講演要旨集 第1期研究者(研究期間2001-2004), 2005. p.1 - 3.

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