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小脳失調症関連遺伝子の機能解明と治療に向けた標的遺伝子の導入技術開発

研究報告コード R070000182
整理番号 R070000182
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 平井 宏和
研究者所属機関
報告名称 小脳失調症関連遺伝子の機能解明と治療に向けた標的遺伝子の導入技術開発
報告概要 小脳は歩行などの複数の筋肉を使用する協調運動、スキーが上達するといった運動学習に重要な役割を果たしている。小脳に障害があるとスムーズな動作ができなくなり、平衡感覚も悪化するため日常生活にも大きな障害が生じる。小脳が障害される代表的な疾患として脊髄小脳変性症がある。小脳皮質には脳幹から2つの入力経路が存在し、最終的にプルキンエ細胞に情報が伝えられ処理される。プルキンエ細胞は小脳皮質からの唯一の出力ニューロンであり、プルキンエ細胞の活動が小脳の機能として反映される。したがって、小脳研究において、プルキンエ細胞の生理学的、病理学的牲質を分子レベルから理解することは重要であり、そのためには外来遺伝子をプルキンエ細胞特異的に発現させる技術が必要であるところが、In vivoのプルキンエ細胞への遺伝子導入・発現は極めて困難で、現在まで5本の論文しかなく(PubMed検索による)、そのいずれもがプルキンエ細胞特異的でなく、遺伝子発現効率も十分とはいえない。そこで本研究では、ウイルスベクターを用いて、プルキンエ細胞に特異的かつ効率的に遺伝子導入する技術の確立を目的とした。さらにこの技術を、小脳失調関連遺伝子の機能解明および脊髄小脳変性症などの遺伝性小脳疾患に対する遺伝子治療として応用することを目指した。
画像

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研究分野
  • 神経の基礎医学
  • 遺伝子操作
関連発表論文 (1) Hirai H, Launey T, Mikawa S, Torashima T, Yanagihara D, Kasaura T, Miyamoto A, Yuzaki M.: New role of delta2-glutamate receptors in AMPA receptor trafficking and cerebellar function. Nat. Neurosci. 6: 869-876, 2003
(2) Hirai H, Miyazaki T, Kakegawa W, Matsuda S, Mishina M, Watanabe M, Yuzaki Y: Rescue of abnormal phenotypes of the delta2 glutamate receptor-null mice by mutant delta2 transgenes. EMBO Rep. 6: 90-95, 2005
(3) Hirai H, Zeng P, Bao D, Miyazaki T, Li L, Miura E, Parris J, Rong Y, Watanabe M, Yuzaki Y, Morgan JI.: Cbln1 is essential for synaptic integrity and information processing in the cerebellum. Nat. Neurosci. 8:1534-1541, 2005
(4) 平井宏和.第1章 小脳のグルタミン酸受容体と運動.柳原大/内藤久士編,運動とタンパク質・遺伝子,第1版,東京:ナップ出版,2-16,2004 5
(5) 柳原大,餐場篤,平井宏和.第3章 運動制御・運動学習のメカニズムをタンパク質・遺伝子レベルで探る.柳原大/内藤久士編,運動とタンパク質・遺伝子,第1版,東京:ナップ出版,27-49,2004
(6) 平井宏和.遺伝子レスキューマウス作出による小脳の運動学習機構の解明.実験医学,23(8): 1170-1175,2005
(7) 平井宏和,狩野方伸.第5章シナプス伝達と可塑性.真鍋俊也編,脳神経科学集中マスター,第1版,東京:羊土社,2005: 70-76.
(8) 平井宏和,山田伸明.小脳プルキンエ細胞シナプス形成の分子メカニズム.第1回 Neuroscience Frontier Research Conference(NEFRE),宮崎,2004.
(9) 平井宏和.遺伝子変異マウスとウイルスベクターを組み合わせた脳機能解析.第27回日本神経科学第47回日本神経化学会大会合同大会,大阪,2004(シンポジウム).
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/情報と細胞機能
研究報告資料
  • 平井 宏和. 小脳失調症関連遺伝子の機能解明と治療に向けた標的遺伝子の導入技術開発. 個人型研究さきがけタイプ 「情報と細胞機能」領域 研究報告会 講演要旨集 第2期研究者(研究期間2001-2004), 2006. p.35 - 37.

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