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脳のナトリウムレベルセンサーの解明と生活習慣病克服への応用

研究報告コード R070000185
整理番号 R070000185
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 渡辺 英治
研究者所属機関
報告名称 脳のナトリウムレベルセンサーの解明と生活習慣病克服への応用
報告概要 塩分の慢性的な過剰摂取は、高血圧など成人病の一因になると考えられている。ヒトをはじめとする高等動物はこうした過剰な塩分摂取を避けるために、体液中のナトリウムレベルを検出する神経機構を持つ。これまで、脳のナトリウムレベルセンサーの実体については全く不明であった。これまで、脳におけるナトリウムレベルセンサーの実体については全く不明であったが、一連の遺伝子欠損マウスによる研究から、私たちの研究グループはナトリウムチャンネルの一種であるNaxが、ナトリウム濃度依存性ナトリウムチャンネルであり、脳のナトリウムレベルセンサーの実体であることを明らかにしてきた。本研究プロジェクトでは、Naxが細胞外ナトリウム濃度の変化を検出する分子機構について研究を進めていく。同時に脳のナトリウムレベルセンサーによって行動が制御されるメカニズムの解明についても研究を進める。本研究の成果は、蛋白質が電解質の絶対濃度を検出する機構を解明した世界で初めての例になる可能性を秘める。また、適度な塩分摂取をコントロールするための高血圧予防薬開発の第一歩にもなると考える。
研究分野
  • 神経の基礎医学
  • 循環系の基礎医学
  • 神経系一般
関連発表論文 (1) Watanabe, U., Shimura, T,, Sako, N., Kitagawa, J., Shingai, T. Watanabe, E., Noda, M. and Yamamoto, T., A comparison of voluntary salt-intake behavior in Nax-gene deficient and wild-type mice with reference to peripheral taste inputs, Brain Research 967, 247-256 (2003)
(2) Hiyama, T.Y., Watanabe, E., Okado, H. and Noda, M., The subfornical organ is the primary locus of sodium-level sensing by Nax sodium channels for the control of salt-intake behavior, Journal of Neuroscience 24, 9276-9281 (2004)
(3) Niisato, K., Fujikawa, A., Komai, S., Shintani, T., Watanabe, E., Sakaguchi, G., Katsuura, G., Manabe, T. and Noda, M.. Age-dependent enhancement of hippocampal LTP and impairment of spatial learning through the ROCK pathway in protein tyrosine phosphatase receptor type Z-deficient mice, Journal of Neuroscience 25, 1081-1088 (2005)
(4) Watanabe, E., Hiyama, T.Y., Shimizu, H., Kodama, R., Hayashi, N., Miyata, S., Yanagawa, Y., Obata, K., and Noda, M., Sodium-level-sensitive sodium channel Nax is expressed in glial laminate processes in the sensory circumventricular organs, American Journal of Physiology (2005), in press
(5) 渡辺英治、野田昌晴 ナトリウムチャネルの構造と機能 神経研究の進歩 Vol.47:159-168(2003)
(6) 渡辺英治 脳のナトリウムレベルセンサー 神経化学 Vol.42: 75-87(2003)
(7) 渡辺英治 中枢神経系による塩分摂取制御機構 日本味と匂学会誌 Vol.10: 207-216(2003)
(8) T. Y. Hiyama, E. Watanabe and M. Noda Control mechanism of sodium intake behavior by CNS Society for Neuroscience (32nd Annual Meeting, 2002;Orland, USA)
(9) E. Watanabe, T. Y. Hiyama, K. Ono, K. Inenaga, M. M. Tamkun, S. Yoshida and M. Noda Nax sodium channel involved in CNS sodium-level sensing Society for Neuroscience (32nd Annual Meeting, 2002; Orlando, USA)
(10) E. Watanabe, T. Y. Hiyama, R. Kodama and M. Noda Cellular localization and distribution of Nax sodium channel 日本神経化学会 (第46回;新潟)
(11) 檜山武史,渡辺英治,野田昌晴 塩分摂取行動の制御は脳弓下器官のNax ナトリウムチャネルが担う 日本神経化学会 (第46回;新潟)
(12) 檜山武史,渡辺英治,野田昌晴 脳内Na+センサー:Naxチャンネルの生理的役割.生理学研究所 「バイオセンサー研究会」
(13) 渡辺英治,檜山武史,児玉隆治,岡戸晴生,野田昌晴 グリア細胞におけるNax チャンネルの局在と機能. 日本神経科学会大会 (第27回)・日本神経化学会大会 (第47回) 合同大会 (大阪)
(14) 檜山武史,渡辺英治,岡戸晴生,野田昌晴 塩分摂取行動の制御は脳弓下器官のNax チャンネルが担う.日本神経科学会大会 (第27回)・日本神経化学会大会 (第47回)合同大会 (大阪)
(15) E. Watanabe, T. Y. Hiyama, H. Shimizu, R. Kodama, N. Hayashi, S. Miyata, Y. Yanagawa, K. Obata and M. Noda Sodium-level-sensitive sodium channel Nax in glial cells ensheathing GABAergic interneurons in the subfornical organ. 日本神経科学大会 (第28回;横浜)
(16) H. Shimizu, T. Y. Hiyama, E. Watanabe and M. Noda Screening of binding proteins to mouse Nax channel. 日本神経科学大会 (第28回;横浜)
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/情報と細胞機能
研究報告資料
  • 渡辺 英治. 脳のナトリウムレベルセンサーの解明と生活習慣病克服への応用. 個人型研究さきがけタイプ 「情報と細胞機能」領域 研究報告会 講演要旨集 第2期研究者(研究期間2001-2004), 2006. p.49 - 52.

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