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柔らかい構造で変化を受容するソフトウェア

研究報告コード R070000220
整理番号 R070000220
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 神谷 年洋
研究者所属機関
報告名称 柔らかい構造で変化を受容するソフトウェア
報告概要 従来のオブジェクト指向ソフトウェア開発技術では、ソフトウェアを、オブジェクトと呼ばれる堅牢なブラックボックスの集まりとして記述します。オブジェクトは、カプセル化によって保護される実体です。すなわち、あるオブジェクトの内部状態は、そのオブジェクトが公開しているメソッドを通じてのみ変更されます。外部から内部状態に直接アクセスすることは禁止され、オブジェクトは、自分自身の内部状態の健全性(データの整合性)を保証することができます。カプセル化は、堅牢なソフトウェアを記述するための重要な技術のひとつとなっています。しかし、その一方で、オブジェクト間の関係を記述する方法はあまり発達しておらず、したがって本質的に変化が必要とされる構造を記述することはそれほど得意ではありません。この弱点を補うため、デザインパターンのような設計指針、EJBなどのコンポーネント開発技術、インストーラーやプラグインといった運用時の構成管理(reconfiguration)ツール・ライブラリが開発されてきましたが、これらはいずれもすでにオブジェクト指向が導入されている部分に「あとづけ」で構造を記述する手法であるため、適用に制限があったり、開発時に負担をかけるものであったり、利用者がソフトウェアの運用時に利用することを想定していなかったりと、種々の問題があり、現在までオブジェクト指向開発技術を全面的に置き換える技術とはなっていません。本研究テーマでは、オブジェクトの関係を記述するために、「メディア」と名付けたもうひとつの実体を導入し、オブジェクトとメディアによってソフトウェアを記述する方法を提案しました。メディアによって、ソフトウェアに含まれる(変更されることを前提とした)構造を率直に書き下すことが可能になり、また、実行環境がそのような構造の編集をサポートするための標準的な仕掛けを提供することが可能になります。
画像

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研究分野
  • 計算機システム開発
関連発表論文 (1) 神谷年洋,“コードクローンとは,コードクローンが引き起こす問題,その対策の現状”,電子情報通信学会誌 Vol.87,No.9,pp.791-797(2004-9).
(2) 佐々木亨,肥後芳樹,神谷年洋,楠本真二,井上克郎,“プログラム変更支援を目的としたコードクローン情報付加ツールの実装と評価”,電子情報通信学会論文誌,Vol.J87-D-I,No.9,pp.868-870(2004-9).
(3) 肥後芳樹,植田泰士,神谷年洋,楠本真二,井上克郎,“コードクローン解析に基づくリファクタリングの試み”,情報処理学会論文誌,no.45,vol.5,pp,1357-1366(2004-5).
(4) 泉田聡介,植田泰士,神谷年洋,楠本真二,井上克郎,“ソフトウェア保守のための類似コード片検索ツール”,電子情報通信学会論文誌D-I,Vol. J86-D-I,No.12,pp.906-908(2003-12).
(5) 植田泰士,神谷年洋,楠本真二,井上克郎,“開発保守支援を目指したコードクローン分析環境”,電子情報通信学会論文誌 D-I,Vol. J86-D-I,No.12,PP.863-871(2003-12).
(6) 門田暁人,佐藤慎一,神谷年洋,松本健一,“コードクローンに基づくレガシーソフトウェアの品質の分析”,情報処理学会論文誌,vol. 44,No.8,pp.2178-2188(2003-8).
(7) Tshihiro Kamiya,Shinji Kusumoto,and Katsuro Inoue,“CCFinder:A Multi-Linguistic Token-based Code Clone Detection System for Large Scale Source Code”,IEEE Trans. Software Engineering,vol. 28,no.7,pp.654-670,(2002-7).
(8) [論文誌]山本哲男,松下誠,神谷年洋,井上克郎,“ソフトウェアシステムの類似度とその計測ツールSMMT”,電子情報通信学会論文誌,vo1.J85-D-I,no.6,pp,503-511.(2002-6).
(9) Takashi Ishio, Toshihiro Kamiya, Shinji Kusumoto, and Katsuro Inoue,“Assertion with Aspect”, SPLAT'04 (Software-Engineering Properties of Languages for Aspect Technologies), Lancaster, UK, (Mar. 22, 2004).
(10) Yoshiki Higo, Yasushi Ueda, Toshihiro Kamiya. Shinji Kusumoto, and Katsuro Inoue,“On Software Maintenance Process Improvement Based on Code Clone Analysis”, LNCS 2559 Product Focused Software Process Improvement, pp. 185-197, Springer, The 4th International Confercnce on Product Focused Software Process Improvement (Profes 2002), Rovaniemi, Finland, (December 9-11, 2002).
(11) Yasushi Ueda, Toshihiro Kamiya, Shinji Kusumoto, and Katsuro Inoue,“On Detection of Gapped Code Clones using Gap Locations”, Proc. of the IEEE 9th Asia-Pasific Software Engineering Conference (APSEC 2002), pp. 327-336, Queensland, Australia, (December 4-6, 2002).
(12) Toshihiro Kamiya,“SOMA: A Paradigm to Evolve Software Based on Separation of Concerns” , Proc. of the IPSJ SIGSE/ACM SIGSOFT 5th International Workshop on Principles of Software Evolution (IWPSE 2002), pp. 124-128, Orland, Florida, (May 19-22, 2002) .
(13) 早瀬康裕,神谷年洋,松下誠,井上克郎,“インタフェースのprovide-require関係の解析に基づいた自動的な構成管理手法の提案”,電子情報通信学会技術研究報告,SS2004-7,Vol.104,No.242,pp. 7-12(2004-8).
(14) 肥後芳樹,神谷年洋,楠本真二,井上克郎,"コードクローン情報を用いたリファクタリング支援ツール',電子情報通信学会技術研究報告,SS2004-1,Vol. 104,No.7,pp.1-6(2004-5).
(15) 石尾隆,神谷年洋,楠本真二,井上克郎,“アスペクトを用いた表明の記述”,情報処理学会研究報告,2004-SE-144,pp.75-82,(2004-3-18)
(16) 神谷年洋,石尾隆,井上克郎,“プログラミング言語のスコープ階層を反映した構造化解析器”,日本ソフトウェア科学会研究会資料シリーズNo.28第1回ディペンダブルソフトウェアワークシヨップ(DSW2004)論文集,pp.159-168(2004-2-24).
(17) 神谷年洋,石尾隆,植田泰士,楠本真二,井上克郎,“ソースコード縮退によるソースコード理解”,オブジェクト指向最前線2003 情報処理学会OO2003シンポジウム予稿集,pp. 65-68,(2003-8-21).
(18) 肥後芳樹,神谷年洋,楠本真二,井上克郎,“類似コード片を用いたリファクタリングの試み”,情報処理学会研究報告2003-SE-143,pp. 29-36,(2003-7-17).
(19) Toshihiro Kamiya,“On an Object-and-Connection Modeling as a Separation of Concerns Based on Knowledge and Task Abstraction Levels”,The 1st International Workshop on Designing Human-Software Interaction(DHSI2003),Boulder,Colorado,(May26-29,2003).
(20) 内田眞司,門田暁人,神谷年洋,松本健一,工藤英男,“コードクローンによるソフトウェア解析”,平成14年電気関係学会関西支部連合大会シンポジウム講演,Nov. 9,2002(採録決定).
(21) Monden,D. Nakae,T. Kamiya,S. Sato,K. Matsumoto,“Software quality analysis by code clones in industrial legacy software”,Proc. of the 8th IEEE Symposium on Software Metrics(METRICS2002),pp.87-94,Ottawa,Canada,(June 4-7,2002).
(22) Yasushi Ueda,Toshihiro Kamiya,Shinji Kusumoto,and Katsuro Inoue,“Gemini:Maitenance Support Environment Based on Code Clone Analysis”,Proc.of the 8th IEEE Symposium on Software Metrics(METRICS2002),pp.67-76,Ottawa,Canada,(June 4-7,2002),
(23) 吉田正和,蔵川圭,中小路久美代,神谷年洋,“リファクタリング指標の構築に向けたオブジェクト指向システムの前進的開発における進化メトリクスのケーススタディ”,情報処理学会研究報告 Vol.2002,No.23,pp.95-102(2002-3).
(24) 神谷年洋,“静的および動的構造化としてのオブジェクト・メディアモデル”,電子情報通信学会技術研究報告 SS2001-52,Vol.101,No-674,pp. 7-23,電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会,福山大学,(2002-3-5).
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/機能と構成
研究報告資料
  • 神谷 年洋. 柔らかい構造で変化を受容するソフトウェア. 個人型研究(さきがけタイプ)情報・知能分野 研究報告会 先進情報システムとその構成に向けて 「機能と構成」領域 講演要旨集 第Ⅱ期研究者(研究期間2001-2004), 2004. p.33 - 42.

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