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快適な実時間マルチタスク処理を実現するプロセッサ

研究報告コード R070000223
整理番号 R070000223
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 田中 清史
研究者所属機関
報告名称 快適な実時間マルチタスク処理を実現するプロセッサ
報告概要 近年LSIの集積度が上がり、従来のプロセッサよりも大規模な回路が1チップに搭載可能となってきました。このことから、オンチップマルチプロセッサ化、システムオンチップ化が次世代のキーテクノロジーとして注目されています。また、シングルプロセッサの機構としても、特別な付加ハードウェアを必要とする各種機構が現実的に可能になってきました。しかし、従来の高速化を達成するための研究では、シングルタスクの高速化に重点が置かれてきました。本研究では、実時間(リアルタイム)汎用マルチタスク環境におけるプロセッサの有効実行性能を向上させるための機構をターゲットとしています。計算機はマルチタスク環境で使用されていますが、これは各実行タスクが時分割でプロセッサを使用することにより実現されています。1つのタスクが一定時間プロセッサを使用した後、あるいは外部からの割り込みが発生した時、プロセッサコンテキストが入れ換えられ、他のタスクによるプロセッサ使用に移行します。現状のプロセッサにおいてプロセッサコンテキストを入れ換える際、入れ換え前の汎用レジスタおよびプログラムカウンタ、状態レジスタなどの専用レジスタの内容をメモリに退避し、入れ換え後のタスクのために汎用レジスタおよび専用レジスタの内容をメモリから読み出してセットするといった、メモリベースでの手続きが実行されます。このような方式ではキャッシュミスなどの要因により、コンテキスト切り替えに要する時間が各タスクの有効実行時間に対して無視できない大きさになります。更には、リアルタイム性が要求されるタスクの場合には、コンテキスト切り替えの時間を含んだ最悪実行時間によってそのリアルタイム性を保障するため、このコンテキスト切り替えの処理時間を削減することによりタスク実行に余裕を持たせることが可能となります。また、組み込みシステムをターゲットとした場合、敏速な割り込み応答が要求されるため、削り込み処理への高速なコンテキスト切り替えが重要となります。本研究では、従来のマルチスレッドアーキテクチャを拡張することによりタスク切り替えの際のレジスタ値やアドレス空間などのプロセッサコンテキストを入れ換える時間をゼロにするアーキテクチャ、およびキャッシュメモリを再構成することによりメモリアクセス時間を削減する方法を提案し、実際にプロセッサの回路を設計し、LSIを開発・評価してきました。
画像

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研究分野
  • 制御方式
  • 汎用演算制御装置
関連発表論文 (1) K. Khalid and K. Tanaka, Implementation of FIFO Buffer Using Cache Memory, 情報処理学会 計算機アーキテクチャ研究会,Vol.2002, No.112, 2002年.
(2) K. Tanaka, Fast Context Switching by Hierarchical Task Allocation and Reconfigurable Caches, Proc. of IWIA 2003, IEEE Computer Society Press, pp.20-29, 2003.
(3) K. Khalid and K.Tanaka, Evaluation of Cache Memory as FIFO Buffer,情報処理学会 計算機アーキテクチャ研究会,Vol.2003, No.27, 2003年.
(4) K. Tanaka and T. Fukawa, Highly Functional Memory Architecture for Large-Scale Data Applications, Proc. of IWIA 2004, IEEE Computer Society Press, pp.109-118, 2004年.
(5) 今井俊晴,田中清史,高速フィルタリングを支援する高機能メモリコントローラ,情報処理学会 計算機アーキテクチャ研究会,Vol.2004, No.123, 2004年.
(6) K. Tanaka, PRESTOR-1: A Processor Extending Multithreaded Architecture, IWIA2005.
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/機能と構成
研究報告資料
  • 田中 清史. 快適な実時間マルチタスク処理を実現するプロセッサ. 個人型研究(さきがけタイプ)情報・知能分野 研究報告会 先進情報システムとその構成に向けて 「機能と構成」領域 講演要旨集 第Ⅱ期研究者(研究期間2001-2004), 2004. p.61 - 70.

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