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頼れるWebシステム構築のためのソフトウェアモデリング

研究報告コード R070000227
整理番号 R070000227
掲載日 2008年4月11日
研究者
  • 結縁 祥治
研究者所属機関
報告名称 頼れるWebシステム構築のためのソフトウェアモデリング
報告概要 本研究では,Webアプリケーションの記述と振舞いを結びつけるソフトウェアモデリング手法の確立を目的とします。Webアプリケーションは,従来の計算機プログラムとは以下の2点で大きく異なります。(1)単一の言語で記述されないこと:Webアプリケーションにはさまざまなプログラム言語やスクリプトが混合します。このため,各々のプログラム言語から統合可能な形で相互作用を取り出せるようにする必要があります。(2)制御フローが単一プログラム上で完結しないこと:Webアプリケーションはイベント駆動のメカニズムで実行されます。このため,従来の関数的な概念に基づく入出力関係ではモデル化が不十分です。このような異なったパラダイムのアプリケーション構築の技法に対しては,新たな概念に基づく抽象的ソフトウェアモデリングが必要です。このためのキーとなる概念として,同期イベント通信と振舞い合成に基づいて振舞いモデルを構築します。具体的手法としてMilner,ParrowおよびWalkerのπ計算に基づいて,Webアプリケーションの動作モデルを開発します。この計算モデルはWebアプリケーションの記述の構造から直接的に振舞いをモデル化することを可能にします。数学的な手法に基づいた形式的意味論によるソフトウェアモデリングを行うことで,既存の言語で記述されたWebアプリケーションに対してソフトウェアモデルを構築します。形式的意味に基づくことは,並行的に相互作用を及ぼすコンポーネントの振舞いを定式化する上で重要な意味を持ちます。逐次的な実行に比べて,並行的な計算では実行状態を正確に把握することが難しいため,形式的意味に基づいてすべての状態をもれなく把握可能なことは基礎的な振舞いの意味づけとして有用な性質です。このモデリングに基づいてWebアプリケーションに対してソフトウェアとしての信頼性の向上を目指します。さらに,振舞いの明確化による振る舞いの安定性の向上を図る具体的技法を提案し,実際の構築環境のプロトタイプを示します。
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研究分野
  • オートマトン理論
  • システムプログラミング一般
関連発表論文 (1) Atsushi Mizuno, Ken Mano, Yoshinobu Kawabe, Hiroaki Kuwabara, Shoji Yuen, Kiyoshi Agusa, "Name-passing style GUI Programming in the π-calculus-base language Nepi" Electric Notes of Theoretical Computer Science (Elsevier), Volume 139 Issue 1, pages 145-168, 2005 (ARTS'04)
(2) Mohammad Sharaf Aun, Shoji Yuen, Kiyoshi Agusa, "Towards Assuring Quality Attributes of Client Dynamic Web Applications: Identifying and Addressing the Challenges" Journal of Web Engineering, Vol.4 , 2005 , pages 144-164
(3) Shoji Yuen, Keishi Kato, Kiyoshi Agusa, “Web Automata: A Behabioral Model of Web Applications based on the MVC”, コンピュータソフトウェア,22巻,2005 , pages 44-57
(4)Irek Ulidowski, Shoji Yuen, "Process languages with discrete relative time based on the Ordered SOS format and rooted eager bisimulation", The Journal of Logic and Algebraic Programming (Elsevier), Vol. 60-61 , 2004 , pages 401-460
(5) 桑原寛明,結縁祥治,阿草清滋,“時間付きπ計算によるリアルタイムオブジェクト指向言語の形式的記述”,情報処理学会論文誌,45巻,2004,pages 1498-1507
(6) Mohammad Sharaf Aun, Shoji Yuen, Kiyoshi Agusa,“An Approach for Debugging Client Dynamic Web Applications”,情報処理学会論文誌,45巻, 2004,pages 2373 2383
(7) 渥美紀寿,山本晋太郎,結縁祥治,阿草清滋,“FCDG に基づいたコーディングパターン”
,コンピュータソフトウェア,21巻,2004,pages27-36
(8) 結縁祥治,“通信プロセスモデルと形式意味論に基づくソフトウェアのモデル化”,コンピュータソフトウェア,22巻,2005,pages 22-43
(9) H. Kuwabara, S. Yuen, and K. Agusa,“Congruence properties for a Timed Extension of the π-calculus”, in Supplemental Volume of DSN2005, 2005, pages 207-214
(10) Atsushi Mizuno, Ken Mano, Yoshinobu Kawabe, Hiroaki Kuwabara, Shoji Yuen, Kiyoshi Agusa, "Name-passing style GUI Programming in the π-calculus-base language Nepi", in Preliminary Proceedings of ARTS2004, Technical Report N0.2004/28,2004, pages49-66
(11) S. Yuen, K.Kato, D.Kato, S.Yamamoto, K.Agusa:“Testing Framework for Web Applications based on the MVC model with Behavioral Descriptions“, ICITA04, 2004, 11-4:pages 1-6
(12) 加藤大樹,結縁祥治,阿草清滋,“高信頼性Webアプリケーションのための振舞い合成手法”,第2回ディペンダブルソフトウェアワークショップ,DSW05,2005,pages41-50
(13) 桑原寛明,結縁祥治,阿草清滋:“π計算に対する時間拡張と代数的意味論”,ソフトウェア工学の基礎XI,FOSE2004,2004,pages 97-108
(14) 末次亮,結縁祥治,阿草清滋:“時間オートマトンの遷移制約記述に基づくAIBOプログラムスケルトンコードの生成手法”,組込みソフトウェアシンポジウム2004,2004,pages126-133
(15) 深谷直彦,結縁祥治,阿草清滋,“実行可能なメモリモデルに基づくJava並行プログラムのモデル検査”,ソフトウェア工学の基礎ワークショップFOSE2003,2003,pages227-238
(16) 桑原寛明,結縁祥治,阿草清滋,“時間付きπ計算によるリアルタイムオブジェクト指向言語の形式的記述”,オブジェクト指向最前線〈2003〉情報処理学会002003シンポジウム,2003,pages67-73
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/機能と構成
研究報告資料
  • 結縁 祥治. 頼れるWebシステム構築のためのソフトウェアモデリング. 個人型研究さきがけタイプ研究報告会 先進情報システムとその構成に向けて 「機能と構成」領域 講演要旨集 第Ⅲ期研究者(研究期間2002-2005), 2005. p.33 - 42.

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