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分子手術法による新規内包フラーレン類合成と機能開発

研究報告コード R090000006
掲載日 2009年2月20日
研究者
  • 村田 靖次郎
研究者所属機関
  • 京都大学 化学研究所
報告名称 分子手術法による新規内包フラーレン類合成と機能開発
報告概要 炭素が球状に結合した中空の分子、フラーレンの骨格内部に小分子・原子・金属イオン等が導入された内包フラーレンは、例えば内包された金属から外側のフラーレン骨格への電子移動に伴う新たな電子的・磁気的性質の発現や、骨格が開口部をもつ場合には中心元素を出し入れできるナノコンテナーとしての利用などが期待される。しかし金属内包フラーレンを得る従来法は、金属酸化物を練りこんだ炭素棒のアーク放電やレーザー照射などの物理的手法に限られており、収率も1%にはるかに及ばないほど低く、副生する多種の空のフラーレンからの分離には多大な労力が必要である。しかも、得られる金属内包フラーレンは本来極めて僅少量しか生じないC80以上の高次フラーレンが中心であり、最も生成量の多いC60内部への金属導入はほとんどみられない。希ガス内包フラーレンに関しては、He, Ne, Ar等がC60に3000気圧650℃という過酷な条件において僅か0.1%(すなわち1000個に1個の割合で)挿入されるのみである。このような合成法に関する問題のため、バルクとしての内包フラーレン類の物性探索はほとんど未開拓である。そこで、望みのフラーレン骨格内部に多様な元素を内包させる一般的方法論の開発が切望されている。容易に入手可能な中空のC60を出発物質としてフラーレン骨格に穴を開け、その開口部より小分子・原子・金属イオン等を導入し、さらに開口部を元通りに閉じるという、いわば「分子手術」とも言える手法は最も明快な内包フラーレンの有機合成法である。本研究では有機合成の手法を駆使して、従来の物理的な手法とは異なる全く新しい内包フラーレンの選択的かつ一般的な合成法の開拓を目指して以下の研究を行った。
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関連発表論文 1. Komatsu, K.; Murata, M.; Komatsu, K. Science 2005, 307, 238.
2. Murata, M.; Murata, Y.; Komatsu, K. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 8024.
3. Murata, Y.; Maeda, S.; Murata, M.; Komatsu, K. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 6702.
4. Murata, M.; Maeda, S.; Morinaka, Y.; Murata. Y.; Komatsu, K. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 15800.
5. Chuang, S.-C.; Murata, Y.; Murata, M.; Komatsu, K. J. Org. Chem. 2007, 72, 6447.
6. Turro, N. J.; Marti. A. A.; Chen, J. Y.-C.; Jockusch, S.; Lawler, R. G.; Ruzzi, M.; Satori, E.; Chuang, S.-C.; Komatsu, K.; Murata, Y. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 10506.
7. Lopez-Gejo, J.; Marti, A. A.; Ruzzi, M.; Jockusch, S.; Komatsu, K.; Tanabe, F.; Murata, Y.; Turro, N. J. J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 14554.
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/構造制御と機能
研究報告資料
  • 村田 靖次郎. 分子手術法による新規内包フラーレン類合成と機能開発. さきがけ「構造制御と機能」研究領域 平成20年度成果報告会 ~ナノサイエンスを舞台とする若き分子科学者達の挑戦~  講演要旨集. p.11 - 12.

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