TOP > 研究報告検索 > 高分子メゾスコピックダイヤモンド構造の構築

高分子メゾスコピックダイヤモンド構造の構築

研究報告コード R090000013
掲載日 2009年2月20日
研究者
  • 高野 敦志
研究者所属機関
  • 名古屋大学 大学院工学研究科
報告名称 高分子メゾスコピックダイヤモンド構造の構築
報告概要 光に対するバンドギャップによって、特定の波長の光を完全に遮断する機能を有するフォトニック結晶は、光の絶縁体として注目されているが、そのために有望な構造として2次元準結晶構造や3次元ダイヤモンド構造がある。実用的なフォトニック結晶の作成は従来、微細加工のようなトップダウン方式で進められているものが多いが、ボトムアップ方式により目的構造を構築することは現在重要なテーマとなっている。その一つの解答が複合高分子の自己組織化構造の利用であり、その実現は広範な構造周期の制御、そして材料加工性の点から極めて有用と考えられる。そこで本研究では複合高分子の一つであるブロック共重合体に着目し、その中でも3種類の高分子鎖からなるABC星型ブロック共重合体を利用して目的とする構造構築を試みた。互いに非相溶な高分子鎖からなるブロック共重合体は凝集状態において、10-100nmオーダーの周期を持った規則的なミクロ相分離構造を形成することが知られている。3種の高分子鎖が一点で結合したABC星型共重合体では、結合点が1次元的に配列しなければならないという拘束条件のため、図1に示すように棒状構造を基本とした特徴的なミクロ相分離構造を形成する。これまでわれわれは、ポリイソプレン(I)、ポリスチレン(S)、およびポリ(2-ビニルピリジン)(P)の3成分からなるISP星型共重合体を成分鎖の比率を様々に変化させて系統的に試料合成し、透過型電子顕微鏡(TEM)および小角X線散乱(SAXS)を用いて、そのモルフォロジー解析を行ってきた【1]~[3]。その結果、ABC星型ブロック共重合体は極めて多彩な自己組織化構造を形成することが明らかとなり、特に3成分が等体積比に近い組成領域では様々な多角形断面を有する特徴的な棒状構造を形成しやすいことがわかり、その中には「アルキメデスタイリング」と呼ばれる規則的タイリングパターンを有するものや、「12回対称2次元準結晶」に属する特殊タイリングパターンを有するものまで見出された。さらにある特定の組成領域においては、3次元ダイヤモンドネットワーク構造を有するミクロ相分離構造が形成されることも明らかとなった。
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

R090000013_05SUM.gif R090000013_01SUM.gif R090000013_02SUM.gif R090000013_03SUM.gif R090000013_04SUM.gif
関連発表論文 [1]Macromolecules 2004, 37, 9941.
[2]J. Polym. Sci. Part B, Polym. Phys. 2005, 43, 2427.
[3]Macromolecules 2006, 39, 4869.
[4]Macromolecules 2006, 39, 9402.
[5]Phys. Rev. Lett. 2007, 98, 195502.
[6]J. Polym. Sci. Part B, Polym. Phys. 2007, 45, 2277.
[7]Macromolecules 2007, 40, 3695.
[8]MacromoIecules 2008, 41, 6269.
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/構造制御と機能
研究報告資料
  • 高野 敦志. 高分子メゾスコピックダイヤモンド構造の構築. さきがけ「構造制御と機能」研究領域 平成20年度成果報告会 ~ナノサイエンスを舞台とする若き分子科学者達の挑戦~  講演要旨集. p.25 - 26.

PAGE TOP