TOP > 研究報告検索 > 二次代謝酵素の機能開拓と新規生物活性物質の創製

二次代謝酵素の機能開拓と新規生物活性物質の創製

研究報告コード R090000041
掲載日 2009年3月13日
研究者
  • 阿部 郁朗
研究者所属機関
  • 静岡県立大学 薬学部
報告名称 二次代謝酵素の機能開拓と新規生物活性物質の創製
報告概要 医薬資源として重要な天然物の基本骨格を構築する二次代謝酵素の中には、活性部位の微妙な構造の違いで基質特異性や反応様式が大きく変化するものがあり、これが天然物の分子多様性を生み出す大きな要因となっている。こうした二次代謝酵素が示す広範な基質特異性と触媒ポテンシャルを活用することにより、効率的な物質生産が可能になる。一方、酵素タンパクの立体構造に基づく合理的な触媒機能の改変により、さらなる分子多様性と新規骨格の創出が期待される。本研究では、人為的な酵素機能の制御と分子多様性創出の格好のモデルともいえる植物Ⅲ型ポリケタイド合成酵素(PKS)をとりあげた。マロニルCoAに由来するC2単位の縮合により炭素鎖伸長反応を繰り返し、生成したポリケトメチレン中間体がさらに閉環して芳香環を構築する反応はカルボニルの化学が中心となる。私は、天然より新規酵素触媒活性を探索した結果、これまでにない全く新しいタイプの酵素遺伝子の取得に成功し、従来関連性の考えられなかった植物ポリフェノールの生合成に一連のⅢ型PKSが関与することを明らかにした。今回、この特異な酵素のⅩ線結晶構造解析の結果から、基質及び生成物特異性を決定する酵素活性中心構造を解明し、さらに合理的な変異の導入により、C2単位縮合数の拡大、非天然型炭素-炭素結合の形成、また、芳香環縮合系の構築など、これまで困難とされてきた酵素触媒機能の操作に挑戦した。
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

R090000041_01SUM.gif R090000041_02SUM.gif R090000041_03SUM.gif
関連発表論文 ・I. Abe*, S. Oguro, Y. Utsumi, Y. Sano, H. Noguchi, Engineered biosynthesis of plant polyketides: chain length control in an octaketide-Producing plant type III polyketidesynthase, J. Am. Chem. Soc. 127, 12709-12716(2005).
・H. Morita, S. Kondo, S. Oguro, H. Noguchi, S. Sugio*, I. Abe*, T. Kohno*, Structural insight into chain length control and product specificity of pentaketide chromone synthase from Aloe arborescens, Chemistry & Biology 14, 359-369(2007).
・I. Abe*, H. Morita, S. Oguro, H. Noma, K. Wanibuchi, N. Kawahara, Y. Goda, H. Noguchi, T. Kohno*, Structure-based engineering of a plant type III polyketide synthase: formation of an unnatural nonaketide naphthopyrone, J. Am. Chem. Soc. 129, 5976-5980(2007).
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/代謝と機能制御
研究報告資料
  • 阿部 郁朗. 二次代謝酵素の機能開拓と新規生物活性物質の創製. さきがけ 3領域合同研究報告会 講演要旨集「代謝と機能制御」. p.17 - 20.

PAGE TOP