TOP > 研究報告検索 > 多角入射分解分光法の構築:光計測の新たな概念

多角入射分解分光法の構築:光計測の新たな概念

研究報告コード R090000062
掲載日 2009年4月3日
研究者
  • 長谷川 健
研究者所属機関
  • 東京工業大学 大学院理工学研究科
報告名称 多角入射分解分光法の構築:光計測の新たな概念
報告概要 本研究は、以下に述べる二つの異なる背景を、仮想光計測という特殊な概念で結びつけることで、新しい薄膜構造解析法を構築することを目指したものである。液晶素子などの超薄膜による分子デバイスは、高度に設計された分子が配列することによって実現される。このため、分子の配向を官能基単位で理解することは、材料開発にとって基本的な技術となりうる。官能基単位で分子情報を解析できる手法としては赤外分光法が有力で、種々の測定方法が提案されてきたが、細かな既知の光学定数を使った高度な光学計算が必要である。また、測定に必要な二種類の異なる基板が構造解析の精度を原理的に劣化させる原因になるなど、誰でも簡単に分子配向を明らかにするというのは、意外に難しいという背景があった。一方、物理法則は、等式を用いて記述するのが常識である。すなわち、左辺の物理量は、右辺の理論的記述と完全に結び付けられている。ところが、物理量が ‘測定値’ の場合、状況は変わってくる。測定値にはノイズなど、理論的に説明できない部分が付随し、理論的記述とは無相関の因子が必ず含まれる。こうした系を表現できる式を回帰式といい、無相関因子を収めた残余項が付随するのが特徴である。しかし、この残余項をノイズに限定する必要はなく、理論的な記述に無相関な量ならばよいはずだと考えた。つまり、測定値の半分程度しか理論化できなくても、回帰式を使えば理論式として測定値を表現できることになる。これは ‘計測理論’ ならではの面白い特徴であると考え、これを利用した計測法の創案を目指した。
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

R090000062_01SUM.gif R090000062_02SUM.gif
関連発表論文 ・T. Hasegawa, Hiroyuki Kakuda and Norihiro Yamada “Leucine-Fastener Formation Mechanism between Peptide β-Sheets in a Monolayer Studied by Infrared Multiple-Angle Incidence Resolution Spectroscopy” J. Phys. Chem. B, 109(10), 4783-4787(2005).
・T. Hasegawa “A New Spectroscopic Tool for Surface Layer Analysis: Multiple-Angle Incidence Resolution Spectrometry” Anal. Bioanal. Chem. 388, 7-15(2007).
・T. Hasegawa “Advanced Multiple-Angle Incidence Resolution Spectrometry for Thin-Layer Analysis on a Low-Refractive-Index Substrate” Anal. Chem. 79(12), 4385-4389(2007).
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/構造機能と計測分析
研究報告資料
  • 長谷川 健. 多角入射分解分光法の構築:光計測の新たな概念. さきがけ「構造機能と計測分析」領域 一期生研究報告会 講演要旨集. p.3 - 4.

PAGE TOP