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再衡突電子を用いたアト秒分子内電子波束の測定

研究報告コード R090000071
掲載日 2009年4月3日
研究者
  • 新倉 弘倫
研究者所属機関
  • 科学技術振興機構
報告名称 再衡突電子を用いたアト秒分子内電子波束の測定
報告概要 時間分解能が向上すれば、従来は観測できなかった物質の構造変化やその要因などを探ることが可能になる。フェムト秒(1フェムト秒=10-15秒)領域では分子の振動運動等をリアルタイムで観測することが研究されたが、アト秒領域(1アト秒=10-18秒)では、電子の運動が測定の対象となりうる。本研究では、原子や分子内を動く電子波束(束縛電子波束)の運動をアト秒の時間分解能で測定する実験手法を開発することを目的とする。そのために以下のような新規の測定法を提案する。(1)原子分子中の電子が感じるクーロン場に匹敵する高強度を持つレーザー電場(~1014W/cm2)を測定試料となる原子分子に照射し、そこからプローブとなるアト秒の幅を持つ電子波束を生成する。(2)その電子波束を、レーザー電場の一周期以内の時間で元の原子または分子に再衝突させる。(3)再衝突の結果として生成したアト秒の幅を持つ軟Ⅹ線高次高調波のスペクトルに、元の原子分子の電子運動(および振動運動)が記述される。この方法では、一回の再衝突しか起こらない電場の条件を生成する必要がある。本手法の達成のための具体的な研究項目は以下の通りである。
(a)高強度でのレーザーパルスのキャリアエンベロープ位相(Carrier-envelope phase,CEP)の安定化。一回だけ再衝突が起こる条件を生成するために必要。
(b)数サイクルしか振動しない(few-cycle laser pulse)レーザーによる単一のアト秒軟Ⅹ線高次高調波パルス発生。このとき、高次高調波のスペクトルは連続になる。
(c)そのパルスを用いたアト秒電子波束運動の測定。
画像

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関連発表論文 ・J. Itatani, J. Levesque, D. Zeidler, H. Niikura, H. Pepin, J. C. Kieffer, P. B. Corkum and D. M. Villeneuve, “Tomographic lmaging of Molecular Orbitals”, Nature 432, 867-871(2004).
・H. Niikura, D. M. Villeneuve and P. B. Corkum, “Mapping attosecond electron wave packet motion”, Phys. Rev. Lett. 94, 083003(2005).
・H. Niikura, D. M. Villeneuve and P. B. Corkum, “Controlling vibrational wave packets with intense, few-cycle laser pulses” Phys. Rev. A 73, 021402(R)(2006).
・H. Niikura and P. B. Corkum, “Attosecond and Angstrom Science”, Advances in atomic, molecular and optical physics 54, 511-548(2006)
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/構造機能と計測分析
研究報告資料
  • 新倉 弘倫. 再衡突電子を用いたアト秒分子内電子波束の測定. さきがけ「構造機能と計測分析」領域 一期生研究報告会 講演要旨集. p.21 - 22.

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