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状態選別XAFS分光

研究報告コード R090000072
掲載日 2009年4月3日
研究者
  • 林 久史
研究者所属機関
  • 日本女子大学 理学部物質生物科学科
報告名称 状態選別XAFS分光
報告概要 X線吸収スペクトルにはしばしば、X線を吸収した元素のまわりの局所的な電子構造・原子構造を反映した特徴的な構造が現れる。この構造をX線吸収微細構造-XAFS-と呼ぶ。XAFSは、元素選択性のある、局所構造あるいは電子状態のプローブとして、物質、特に非晶質の評価・分析に広く用いられている。しかしXAFSにはいくつか弱点もある。そのひとつは、数eV(電子ボルト:1.602×10-19J)から数10eVに至る、内殻寿命幅を超えた分解能での測定が原理的に不可能なことである。これは、例えば高機能化を狙って少量の元素をドープした材料(高温超伝導材料や巨大磁気抵抗材料はその好例)について、そのわずかな状態変化をXAFSで追跡する時に大きな制約となる。また、先端触媒でよく見られることだが、着目している元素が複数の化学状態で混在している場合は、XAFSには平均化された情報しか反映されない。これらの問題を克服し、例えば磁性材料について、スピンの配向別にXAFSを得ることができれば、磁性構造に関する理解は大きく進展し、新材料開発の力強い助けとなるであろう。本研究は、共鳴Ⅹ線非弾性散乱-RIXS-と呼ばれる、吸収の閉値近傍で観測される微弱な発光X線を利用することによって、通常XAFSの弱点を乗り越え、寿命幅による分解能制限のない、状態別のXAFS(状態選別XAFS)を求め、これを実用材料の分析に応用することを目的とした。
画像

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関連発表論文 (1)H. Hayashi, et al, “Selective XANES spectroscopy from RIXS contour maps,” J. Phys. Chem. Solids 66, 2168-2172(2005).
(2)H. Hayashi, et al, “Local spin ordering in the antiferromagnetic as well as paramagnetic LaMnO3 phase revealed by polarized spin-selected 1s→3d absorption spectra,” Phys. Rev. B 73, 134405-1-5(2006).
(3)H. Hayashi, et al, “Polarized lifetime-broadening-suppressed XANES study of La2-XSrxCuO4,” Rad. Phys. Chem. 75, 1586-1590(2006).
(4)H. Hayashi, “Selective XAFS Studies of Functional Materials by Resonant Inelastic X-Ray Scattering,” AIP Conference Proceedings 882, 833-837(2007).
研究制度
  • 戦略的創造研究推進事業 さきがけタイプ(旧若手個人研究推進事業を含む)/構造機能と計測分析
研究報告資料
  • 林 久史. 状態選別XAFS分光. さきがけ「構造機能と計測分析」領域 一期生研究報告会 講演要旨集. p.23 - 24.

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